表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
トングが聖剣?使わないけど〜逆ハー勇者は逃げられない〜  作者: 黒砂 無糖
食堂の聖女

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

159/201

聖女がおばちゃんだった件

見つけてくれてありがとうございます。

そろそろチャコの話は終盤に向かいます!

脱線しなければあと少し?もう少し?

応援よろしくお願いします

私は呼吸が上手く出来なくて酸欠で倒れた様だ。意識が戻ったら、ルリのお母さんがいた。お母さんは私の手を握っていた。多分、聖女が治癒魔法を使ってくれたみたいだ。


「チャコ、大丈夫か?」

「チャコさん?辛くない?」

2人が並んでいる姿を見て、私の呼吸はまたおかしくなって来た。


「ルリ、ペリルさんちょっとチャコちゃんとお話ししていいかしら?ルリ、ペリルさんに何かドリンクを出してあげて」


お母さんはテキパキと伝えて2人を部屋から追い出した。二人きりになっちゃう。そう思ったら涙が出て来た。


「あらあら、涙なんか流して、辛いのね?どこか痛い?おばちゃんに教えてくれる?」

おばちゃんと言う言葉が妙にしっくりくるなと感じたら、何故だか少し楽になった気がした。


「大丈夫です。ちょっと息が苦しかっただけです」

私は起き上がろうとしたけど、おばちゃんが


「だめよ?チャコちゃん倒れたばかりなの。それにさっきも発作みたいだったわよ?」

とおでこに手を当てていたから起き上がれなかった。私は二人きりになっているのが気になっていたので、焦っていた。


「チャコちゃん、あの二人は大丈夫よ、心配しなくても何も無いわ」

私は何も言ってないのに、おばちゃんは私の気持ちを読んだ


「おばちゃんも、以心伝心出来るの?」

私は酸欠でクラクラした頭のせいか、ティトの能力と混同してしまった。


「チャコちゃん、私の名前はトーコよ。呼び方はおばちゃんでもいいわよ?家の娘のせいで、ちゃんと挨拶すらしてなかったわね?ごめんなさいね?後、娘を助けてくれてありがとうね?」

おばちゃんは優しく頭を撫でてくれた。


「私は以心伝心なんて出来ないわよ?ただ、チャコちゃん見ていたらそうかなって。店に入った時から気にしていたでしょう?」

トーコさんは勘が鋭いのか、観察能力が高いのか、私の気持ちは見て直ぐに分かった様だ。さっきの景色が思い出されてまたドキドキしてきた。


「何で?分かったの?」

まだ少し息が上がりながら尋ねたら


「あら、まだ苦しそうね?ちょっと待ってね」

そう言って私の頭に手を当てた。目を閉じているのに、目の前が明るくなって呼吸が楽になった気がした。


「トーコさんは治癒魔法が使えるの?」

私はさっきから尋ねてばかりだ。


「使えるわよ?だって私が聖女ですからね」

そっか、聖女なら治癒魔法使えて当たり前よね?って、


「え?聖女?」

思いの外大きな声が出た。


「そ、聖女。意外でしょ?」

トーコさんはイタズラが成功した様に笑った


「チャコちゃんはペリルさんが好きなんでしょ?ルリと一緒にいるのを見て不安になったのね?何たって家の娘美人だし」

おばちゃんはハッキリと私の不安を言い当てた。


「そんな・・・」

そんな事はないといいたかったけど自分に嘘は付けなかった。また涙が出て来た。


「チャコちゃんには二人がお似合いに見えたのかな?おばちゃんにはチャコちゃんとペリルさんがお似合いに見えたわよ?ペリルさんずっとチャコちゃんの事見てたし、倒れる前には抱き止めてたし、物凄く慌てて引き離すのに苦労したわ」

おばちゃんはうふふと笑いながら話してくれた。


「チャコちゃんが不安になるのも仕方がないわよね?ペリルさんいい男だしね?でも、家の娘の好みではないから大丈夫よ?」

おばちゃんは私が気にした事をちゃんと見ていて不安を取り除いてくれようとしている。


「ごめんなさい。ご迷惑をおかけして」

私は情けなくて、自分が嫌になってしまう


「あら?チャコちゃん言葉が違うわよ?ありがとうと、これからよろしくでしょう?」

優しくて、なんだか頭がぐちゃぐちゃになっている。私はグッと堪えたら


「あー、ダメよ?泣きなさい。ちゃんと泣かないからチャコちゃん苦しいのよ?やだわ家の娘みたいじゃない。もしかして、チャコちゃんも恋愛がヘタクソなのかな?」

おばちゃん、そんな事までわかるの?


「図星みたいね?貴方達はまだ若いから、わかり難いだろうけど、感情は大切にしなさいね?いい感情も悪い感情も全部上手に纏めたらいい女になれるわよ?」

おばちゃんはニッと笑った


「・・・上手く纏まらなかったら?」

だってヘタクソなんだもん


「その時はまだ経験値が足りないのよ?チャコちゃんはまだまだなの。いい?まずは何より今愛してくれる人にしっかり愛されなさい。そして愛しなさいな」

でもペリルが違ったらどうしよう


「思いが大きくなる程失う不安も大きくなるわ。でも、不安が大きくなっているのは、それだけ相手を愛してしまった証拠でしょう?その不安は愛してるからだと思えば自分の思いの成長に気づけるわ」

あ・・・前は全く気にしていなかったわ


「でもね?不安は自分だけの物だから相手にぶつけたり押し付けてはダメよ?ちゃんと話し合って解決なさい」

そうだった、ペリルは聞いてくれたのに・・・


「愛するには相手が必要よ?一人では成り立たないでしょう?不安が大きくなった分だけもっと相手を愛せるはずよ?相手を信じられない時は相手の行動を見てね?」

ペリルが慌てていたのは記憶の片隅にあったわ。ダメね過去がトラウマになってる


「あーおばちゃん沢山喋ったら喉乾いちゃった。チャコちゃんにも何が飲み物持ってくるから、ここでゆっくり気持ちの整理をしていきなさいね」

おばちゃんはサッサと部屋を出て行った。


私は自分の過去がこんなに影響していたとは思わなかった。閉ざしていた時は心も動かなかったんだ。後からペリルに謝らなきゃ


ドアがカチャっと開いた。おばちゃんが飲み物を持って来たのかと思ったら、ペリルが飲み物を持って入って来た。


おばちゃんとルリは「オカン転移」で詳しく描かれています


ブックマークと反応ありがとうございます!

お気軽にコメントしてくれたら喜びます。

これからも頑張ります!



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ