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トングが聖剣?使わないけど〜逆ハー勇者は逃げられない〜  作者: 黒砂 無糖
食堂の聖女

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158/201

新たな出会いと拭えない不安

見つけてくれてありがとうございます。

更新は不定期になります。出来る時に頑張ります

——私が声を掛けた女性は青ざめていた

周りが騒ぎになる前に、私は彼女の手を引き、その場を離れた。


ペリルが、私が倒した男の元へ行ったから、後はなんとかしてくれる筈だ。


「いきなりごめんなさい。なんだか物騒な事になっていたから」

私は黒髪の女性を見た。日本人?に見える。派手では無いけど、綺麗な人だ。


ただ、なんだか幸が薄い気がする。覇気がない。まあ、襲われかけたならそれが普通だ。


「あ、ありがとうございます。助けてくれたなきゃ私どうなっていたか・・・」

彼女は震えていた。私は手を握って


「大丈夫、私がちゃんと送ってあげるから」

彼女の目を見て話をしたら


「・・・ありがとう、なんだかあなたを見ていると安心するわ」

彼女は花が咲き綻ぶ様な綺麗な笑顔をみせた


「私はチャコ。貴方は?」

私は黒髪の彼女に、笑いかけながら名を名乗った。


「・・・私はルリ」

名前まで綺麗!私はルリの手を取り、ペリルの元へ行こうとしたら


「アレぇ?可愛い子が2人もいるとかラッキーじゃん」

「おーまじ可愛い」

「俺右側!」

「じゃあ俺両方!」

「ギャハハ」


出たよチャラ男、あー相手するのめんどくさいなぁと思いながら魔力玉を握ったら


パチン


ペリルによって無力化された。


「チャコ、絶対に"勝手に行くな"と言ったでしょう?」

ペリルは、ため息をついて私を嗜めた。


「ペリル、彼女はルリ、お家まで送ってあげたいの。一緒に来て?」

ペリルはルリを見て、目を見張って息を呑んだ。けど直ぐに元に戻った。


——あれ?もしかして好みだったの?


「どこまで送ればいいの?」

さっきとは違い、ペリルは平然としている。——なんだろう、ちょっと不安だ。


「ここからそう遠く無いのです。「メシヤ」という食堂へ行く所でした」

——あれ?「メシヤ」って


「ああ、今から私達が向かう所です。2人で馬に乗ってください」


ペリルがそう言って、ルリの手を取り、支えて馬に乗せた。初めて見る紳士的な対応だ。——なんだろう?胸がチクチクして来た。


「チャコ?乗らないの?」

私をみるペリルはいつもの顔だ。


——うん、大丈夫だ。平気だ。私はペリルに助けてもらって馬に乗る。


ルリの案内に従って行くと、指定された食堂の「メシヤ」はすぐ近くにあった。


私は馬からぴょんと飛び降りたが、ルリを見たら、ペリルに抱き上げるように下ろされていた。


——私の胸が一気にザワザワしてきた。


ペリルは大丈夫・・・今までとは違う。

——大丈夫。大丈夫。


今はやるべき事をやらなきゃ。頭をプルプル振って気持ちを立て直す。よし、平気だ・・・


「チャコ?大丈夫?」

ペリルは挙動不審な私を見て、心配そうにこちらを見た。帰ろうか?と目が言っている。


「大丈夫、久しぶりの外だからちょっと疲れただけだよ」

と、笑顔で返したけど、ペリルは信じていないだろう。どうして?何で?何がこんなに不安なの?


「・・・何かあれば言ってね?」

ペリルは不審がりながらもとりあえず飲み込んでくれた。


カランカラン♬


ルリに続いて店内に入ると、なんだか懐かしくなる空間だった。食堂というか、昔ながらの喫茶店だ。焼きそばとかクリームソーダとかありそうな感じ


「お母さん、お客様が来たよ」

ルリはキッチンに話しかけた。お母さんって事はここの娘さんなんだね?


「あらあら、もしかして貴方がチャコちゃんかしら?」

キッチンから出て来たのは、なんて言うか、「お母さん」って感じの人だった。

——あったかそうな人だ。


「お母さん、さっきチャコさんに助けてもらったのよ、今日は3人に囲まれたわ」

ルリはウンザリした様子だった。良く絡まれるのだろう。私も同じだから良くわかる。


「今日はって事は、良くあの様な事があるのか?」

ペリルが真剣な顔で聞いている。治安が悪いのはダメだし、大切な事だけど・・・

——ペリルが、心配するの、やだな


「いつもは、認識阻害の眼鏡をしているのですが、あの男達にぶつかった時に、壊れてしまったんです」

ルリは認識阻害の眼鏡を見せた。確かに壊れていた。

——私の心みたいだ


「まぁ、気をつけなきゃダメじゃ無い」

お母さんは娘を心配そうにしている。

——お母さんか、いいな、羨ましいな


「貸して?直すから」

ペリルにとっては修理など何の苦労も無いだろう。壊れた眼鏡を受け取るペリルを見ていた。

——なんだか息がし難くなってきた。


「あら、直してくれたのね?良かったわねルリ」

お母さんは、嬉しそうだ。私のお母さんってどんな顔だったかな?あまり覚えがないなぁ——何かさっきから苦しいなぁ


「ルリ、本当に気をつけないと。あの勘違いバカ王子がその辺にうろついてるかも知れないし、こちらの世界は今迄とは違うのよ?」

え?もしかして?グイッと意識が戻った


「もしかして2人とも日本人ですか?」

私は2人を見た。

——私はドキドキしてきた


「ええ、お母さんと一緒にいたら聖女の召喚に巻き込まれてしまって気付いたら2人ともこっちにいたわ」

ルリは更にウンザリしていた。

——ルリは聖女なの?ダメ!苦しい——


「チャコ?大丈夫?!おい!チャコ!!」


ペリルは、慌てて私を抱きしめた。けれど私の意識は暗転した。


瑠璃はめっちゃ美人です。

歩くだけで皆振り返るくらいには美人です


ブックマークと反応ありがとうございます!

お気軽にコメントしてくれたら喜びます。

これからも頑張ります!



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