お兄ちゃんパワーとひとつなぎの執務室
見つけてくれてありがとうございます。
更新は不定期になります。出来る時に頑張ります
三階から飛び降りたソージュを2人で見送りお互いの顔をみる。ペリルの目が驚きでぱっちりと見開いている。私も多分同じ表情だろう
2人揃って同じタイミングで笑い出してしまった。
「ちょ何?あれ?お兄ちゃんパワー!」
私はペリルの胸のあたりをペシペシしながら笑いが収まらず、ウハウハ笑っている
「お兄ちゃんパワーって、ふふ、ソージュ様がお兄ちゃん属性っふふふ、ダメだ!ふふふ苦しくて、ふふ、涙目ふふふ」
ペリルは相当ツボったのか、体を捩りながら爆笑している。仮にも貴方の主人でしょうが
「あー、笑ったわ、何よりソージュが元気になって良かったわね?」
私の方が立ち直りが早かったのでペリルに話しかけだが
「ダ、メ!笑、いとま、ら、ない!くふふ」
ペリル、楽しそうね?私はずっと笑っているペリルを暇だからつついてみたら
「あ!ダメ、ふふふ、やめ、ふふ、チャコ、ふふふやめ、ふふふ」
面白くてツンツンしていたら
「ダァ!ッシャー!振り切った!チャコ酷い!苦しかったのにぃ!」
ペリルは勢いで笑いの神を振り切った。私に突かれて笑いを増強された事が不満なようだ
「ペリルが可愛いから悪いのよ」
ツンと横を向くと
「え?俺?あれ?俺が悪いの?あれ?ごめんね?」
よくわからないけど、私がツンとしたからペリルはつい謝ってしまう。可愛い奴め
「嘘よ、ペリルは可愛かった以外何も悪く無いわよ?ところでここ3階よね?飛び降りても平気なの?」
私は覗き込んで下を見る。
「一般人には無理だけど、ソージュ様なら全く問題無いよ。チャコおいで?」
ペリルはそう言って私を抱き上げ、手摺りをひょいと飛び越えた。ここ3階!
「ぎゃー!!」
私はペリルに抱きついて叫んだ。ペリルは小さな段差くらいのノリでスタッと着地した
「あはは!チャコ、声大きいな」
ペリルはそのまま私を抱きしめて頬にキスをした。
「ペリル!驚いたじゃない!飛ぶなら飛ぶって先に言って!」
私は驚き過ぎて涙目だ。その顔を見て満足したのか、チュッとキスして
「仕返し」
と、笑う。私がツンツンした事への仕返しをしたようだ。くそー、割に合わない!
「・・・いつか仕返ししてやる」
負け惜しみです。多分ペリルには勝てません
「はいはい、待ってるよ?お返しもちゃんと準備しとくね?」
・・・準備する物かしら?
「何を準備するの?」
気になってしまった。ペリルの顔を見ると直ぐキスをしてくる。習慣なのかな?
「今聞きたい?時間かかるけど大丈夫?」
ペリルのオーラにふわりとピンク色が混じった気がしたので
「・・・後にします」
何なら聞かなかった事にします。
「それがいいと思うよ?かなり長い時間かかるし、多分翌日起きれないから」
あーもー、だ、か、ら、耳元はヤーメーテー
プルプル悶えていたら満足したようにクスッと笑い
「チャコ、見て?拠点の扉は今回はここだよ」
ペリルが案内したのは左翼の執務室の扉のうちの一つだった。左翼は入り口を入ると真ん中にロビーがありそれをぐるりと取り囲む様に各部屋がある。自分で歩くと足をパタパタしてアピールしたら下ろしてくれた。通じたわ?
「あれ?普通の執務室?」
そこには応接セットと執務机と背の高い本棚がある至って普通の執務室だ。入って左側に扉がある。これかな?と開けて見たら隣の執務室と繋がっている。
「そっちの執務室は、今後チャコが使えるように設定するよ。更に奥の扉を開けて?」
ペリルに促され扉を開けると更に奥には執務室がある。どうやら隣り合わせで扉で繋がっている様だ。
「チャコの執務室の奥は俺の執務室だよいつでも来てね?」
ペリルは楽しそうに言うけど、仕事はちゃんとしなきゃダメよ?
「全部繋がっているの?」
ペリルはそうだよ?と言い
「俺の奥にソージュ様で、その向こうがエストラゴンだよ」
繋がっている順に教えてくれたが
「あれ?オリガンは?」
別なのかな?
「オリガンは、中央棟に部屋があるよ」
ペリルは扉を閉めながら私を元の部屋に戻す様に背を押した。
「1人だけ?執務は?」
不思議に感じて尋ねたら
「執務はソージュ様か、エストラゴンが一緒にやるから、必要に応じてかな?部屋が中央なのは、他の隊員の侍女を口説いて部屋に連れ込むからだよ」
ペリルは困った顔をした。
「それは・・・中央棟でも仕方がないですね」
納得の理由だ。
「アイツも1人の方が気楽だろうしね?」
ペリルは一応気にかけているんだ?
「ところでペリル、拠点は?」
無いのだ。どこだ?入り口を見るが他に扉は無い
「ここだよ」
ペリルは本棚をスライドさせた。そこにはクローゼットより少し広いくらいのそこそこ明るい空間があり、中に見慣れた扉があった。
「わぁ、隠し扉ですね?ワクワクします」
空間ってなんかいいなぁって見ていたら
ガチャンと本棚が閉まった
え?と振り向くとペリルが怪しくニヤっと笑った。咄嗟に部屋に入ろうとしたが、何故か開かない。やられた。このいたずらっ子め!そっちがその気なら、やってやろうじゃ無い!
「・・・最大防御はす攻撃をする事だと思うの」
私は項垂れているペリルを膝枕しながら頭を撫でてあげた。今回は私の勝利だ!
お兄ちゃんだから頑張るんです。ソージュ、単純て素直なんです。誰か貰ってください
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