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トングが聖剣!?異世界転移した失恋女勇者はイケメン達に守られたいのに魔王より恋愛で詰む  作者: 黒砂 無糖
勇者見参

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15/201

デビルハントと呼ぶらしい

見つけてくれてありがとうございます。

更新は不定期になります。出来る時に頑張ります

 皆は、何やら真剣なお話し合いをしていた。私は案内されるがままソージュさんの隣に着席する


「まず、チャコにも来てもらったのは、僕がナッツを見て、不思議な力を感じたからだ」

 ぺリルさんは切り出した。


「不思議な力とはなんですか?」

 何が不思議なのかな?


「なんていうか……聖力みたいな感じだ」

 ふーん、聖があるなら魔もあるのかな?


「僕は、鑑定の力も持っている魔導師なんだ。チャコちゃんのナッツを詳しく見るために、今日は魔道具も持ってきた」

 鑑定?もしかして人間の能力も見ることができるのだろうか?


「鑑定の能力は何でも見ることができるんですか?」

 少し不安だから尋ねてみよう。


「どうかな……僕は専門ではないから、その日によって能力に差が出やすいんだ。今は少し気になる程度なんだけれど、聖なる力なら放っておくわけにはいかないからね」

 なんとなく……ロックオンされてる気がする


「とりあえずナッツを調べよう」

 ぺリルさんは魔道具を取り出した。魔道具は箱型で蓋がスライドする大きな箸箱のようなものだった。


 扉の中にナッツを入れ蓋を閉じ、ぺリルさんがゆっくり蓋にある魔法陣に魔力を流している。


 すると、魔法陣は虹色に輝き、箱蓋の部分に文字が浮かび上がってきた。


「これは!」


 ベリルが驚きと喜びが入り混じったような表情をしている。


「これはやっぱり……聖なる木の実だ」

 と、言った。


 ——栗だよね?


「聖なる木の実?あの伝説の?」

 ソージュが聞き返す


 ——それ、裏庭の栗よね?


「どういうことだ?」

 とエストラゴンも身を乗り出して聞き返した。


 「その箱は特別なんですか?」

 蓋の文字は読めないけど、こちらの文字なのかな?


「この箱の蓋には、鑑定結果が映し出されるんだ。僕自身の目でも、ある程度の鑑定はできるけど、知識までは補填できないけど、中に入れることで名前や特徴が浮かぶんだ」

 

 へえ、便利なものがあるんだね……でもただの栗だと思うよ?


「この木の実の名前は【デビルハント】魔物を避ける退魔の力がある。弱いものであれば、投げつけるだけで消滅する。と記載されてるよ」


 栗にそんな力ある?棘が痛いだけじゃないの?


「確か、この実は、頑丈な殻に守られていたはず。本来は、その殻ごと相手にぶつけるのが効果的な筈だし、そもそもどうやってあの殻を外したんだ?」


 やっぱり棘が痛いからじゃない。イガイガをぶつけられるとか考えるだけで痛すぎて嫌だなぁ。


 棘の外し方……手袋を見せれば納得するかな? 


 だめだ、多分鑑定されたら、転生がばれてしまう……


「食べることで、体の内側から軽い結界を張ることができるらしいよ。継続時間は食べた量による

 一体どのぐらいの結界なんだろうね?」


 とりあえず、今のところぺリルさんから言及はされてないし、いいかな?


 効果って、料理をしたものでも同じだろうか?


「ちなみに僕たちはこれをナッツと呼んだけど、正式な名は栗だ。チャコちゃんが正解」

 正解も何も、栗以外思いつかないし……ていうか、栗拾いしてただけだよ


「古き時代に魔王が暴れていたことがある。その時、栗の実を魔王に大量にぶつけることで、倒すことはできなかったけれど、追い払うことができたと言う伝説があるって。本当かな?」


 ぺリルさんは笑いながら伝説を語った。伝説があるならあちこちに栗の木はあるんじゃないの?


「……ちゃこちゃん、一体全体この実はどこで拾ったんだい?」


 ペルルさんが、綺麗な笑顔のままこちらを見つめている。


 あれれ?この流れ……ちょっとまずいか 


「あと、この実が栗だと言うことを……どうして君は知っていたんだい?」


 スッと笑顔が消えたぺリルさんは、迫力のある美形だった。


 ——うわ、完全に疑われてる。


「君は、本当にこの国の住人なのかな?」


 淡々と言い募るぺリルさんの冷たい笑顔をみて、本能的に恐怖を感じた。

 

 ——そう……思うよね。


「ぺリル。チャコは悪くないだろう。一気に問い詰めてやるな」

 

 ソージュさんが、ぺリルさんを止めたことで、視線から逃れることができ、自分が息をしていなかったことに気づかされた。


「チャコを責めてるわけではないんだが……正直なところを教えて欲しい」

 エストラゴンさんも厳しい顔をしている……


 ——この人たちをどこまで信じたら良いのだろう


「チャコ、もしも、栗の木が国内にあるなら、その木は私たちが必ず守らなければいけないんだ」

 ソージュさんは私のことも守ってくれるのだろうか?


「チャコちゃん。場所はわかるかい?」

 ぺリルさんは、先程の冷たい顔ではなくなったけど、疑いは消えてなさそうだ。


 なんて答えればいい?とても1日で歩ける量じゃないし、場所を教えれば、必ず私がこの世界の人間じゃないことがばれてしまう。


「チャコ?どうした?何か気になることでもあるのか?」

 ソージュさんは、私の顔色が悪いことに気づいた


「出会って、その日だから信用しにくいかもしれない。だけれど、消して俺たちはお前を傷つけることはしない。何か知ってることがあるのなら教えてくれないか?」


 ソージュさんは心配そうな、でも真剣な眼差しで私を見ている。


 エストラゴンさんも、目は心配しているように見えるけど厳しい顔のままだ。


 ぺリルさんをちらっと見ると、私の心を読むかのようにまっすぐこちらを見つめていた。


 逃げ切れない……話すべきなのかもしれない。


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