デビルハントと呼ぶらしい
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皆は、何やら真剣なお話し合いをしていた。私は案内されるがままソージュさんの隣に着席する
「まず、チャコにも来てもらったのは、僕がナッツを見て、不思議な力を感じたからだ」
ぺリルさんは切り出した。
「不思議な力とはなんですか?」
何が不思議なのかな?
「なんていうか……聖力みたいな感じだ」
ふーん、聖があるなら魔もあるのかな?
「僕は、鑑定の力も持っている魔導師なんだ。チャコちゃんのナッツを詳しく見るために、今日は魔道具も持ってきた」
鑑定?もしかして人間の能力も見ることができるのだろうか?
「鑑定の能力は何でも見ることができるんですか?」
少し不安だから尋ねてみよう。
「どうかな……僕は専門ではないから、その日によって能力に差が出やすいんだ。今は少し気になる程度なんだけれど、聖なる力なら放っておくわけにはいかないからね」
なんとなく……ロックオンされてる気がする
「とりあえずナッツを調べよう」
ぺリルさんは魔道具を取り出した。魔道具は箱型で蓋がスライドする大きな箸箱のようなものだった。
扉の中にナッツを入れ蓋を閉じ、ぺリルさんがゆっくり蓋にある魔法陣に魔力を流している。
すると、魔法陣は虹色に輝き、箱蓋の部分に文字が浮かび上がってきた。
「これは!」
ベリルが驚きと喜びが入り混じったような表情をしている。
「これはやっぱり……聖なる木の実だ」
と、言った。
——栗だよね?
「聖なる木の実?あの伝説の?」
ソージュが聞き返す
——それ、裏庭の栗よね?
「どういうことだ?」
とエストラゴンも身を乗り出して聞き返した。
「その箱は特別なんですか?」
蓋の文字は読めないけど、こちらの文字なのかな?
「この箱の蓋には、鑑定結果が映し出されるんだ。僕自身の目でも、ある程度の鑑定はできるけど、知識までは補填できないけど、中に入れることで名前や特徴が浮かぶんだ」
へえ、便利なものがあるんだね……でもただの栗だと思うよ?
「この木の実の名前は【デビルハント】魔物を避ける退魔の力がある。弱いものであれば、投げつけるだけで消滅する。と記載されてるよ」
栗にそんな力ある?棘が痛いだけじゃないの?
「確か、この実は、頑丈な殻に守られていたはず。本来は、その殻ごと相手にぶつけるのが効果的な筈だし、そもそもどうやってあの殻を外したんだ?」
やっぱり棘が痛いからじゃない。イガイガをぶつけられるとか考えるだけで痛すぎて嫌だなぁ。
棘の外し方……手袋を見せれば納得するかな?
だめだ、多分鑑定されたら、転生がばれてしまう……
「食べることで、体の内側から軽い結界を張ることができるらしいよ。継続時間は食べた量による
一体どのぐらいの結界なんだろうね?」
とりあえず、今のところぺリルさんから言及はされてないし、いいかな?
効果って、料理をしたものでも同じだろうか?
「ちなみに僕たちはこれをナッツと呼んだけど、正式な名は栗だ。チャコちゃんが正解」
正解も何も、栗以外思いつかないし……ていうか、栗拾いしてただけだよ
「古き時代に魔王が暴れていたことがある。その時、栗の実を魔王に大量にぶつけることで、倒すことはできなかったけれど、追い払うことができたと言う伝説があるって。本当かな?」
ぺリルさんは笑いながら伝説を語った。伝説があるならあちこちに栗の木はあるんじゃないの?
「……ちゃこちゃん、一体全体この実はどこで拾ったんだい?」
ペルルさんが、綺麗な笑顔のままこちらを見つめている。
あれれ?この流れ……ちょっとまずいか
「あと、この実が栗だと言うことを……どうして君は知っていたんだい?」
スッと笑顔が消えたぺリルさんは、迫力のある美形だった。
——うわ、完全に疑われてる。
「君は、本当にこの国の住人なのかな?」
淡々と言い募るぺリルさんの冷たい笑顔をみて、本能的に恐怖を感じた。
——そう……思うよね。
「ぺリル。チャコは悪くないだろう。一気に問い詰めてやるな」
ソージュさんが、ぺリルさんを止めたことで、視線から逃れることができ、自分が息をしていなかったことに気づかされた。
「チャコを責めてるわけではないんだが……正直なところを教えて欲しい」
エストラゴンさんも厳しい顔をしている……
——この人たちをどこまで信じたら良いのだろう
「チャコ、もしも、栗の木が国内にあるなら、その木は私たちが必ず守らなければいけないんだ」
ソージュさんは私のことも守ってくれるのだろうか?
「チャコちゃん。場所はわかるかい?」
ぺリルさんは、先程の冷たい顔ではなくなったけど、疑いは消えてなさそうだ。
なんて答えればいい?とても1日で歩ける量じゃないし、場所を教えれば、必ず私がこの世界の人間じゃないことがばれてしまう。
「チャコ?どうした?何か気になることでもあるのか?」
ソージュさんは、私の顔色が悪いことに気づいた
「出会って、その日だから信用しにくいかもしれない。だけれど、消して俺たちはお前を傷つけることはしない。何か知ってることがあるのなら教えてくれないか?」
ソージュさんは心配そうな、でも真剣な眼差しで私を見ている。
エストラゴンさんも、目は心配しているように見えるけど厳しい顔のままだ。
ぺリルさんをちらっと見ると、私の心を読むかのようにまっすぐこちらを見つめていた。
逃げ切れない……話すべきなのかもしれない。




