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トングが聖剣?使わないけど〜逆ハー勇者は逃げられない〜  作者: 黒砂 無糖
フェルゼン王国への旅路

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139/201

黒いクリスタルに詰まった悲しみ

見つけてくれてありがとうございます。

更新は不定期になります。出来る時に頑張ります

チャコが部屋に入って行くのを感じながら、俺はソージュ様に近寄った。


「ソージュ様、お時間下さい。伝えたいお話が有ります」

この先の事を考えると気が重いが、腹を括る


「・・・俺の自宅の方がいいか?」

ソージュ様は何の事か既に理解しているのだろう。


「人払いが出来るならどこでも構いません。今日は、思考等をお伝えしますので」

場所を移す方が良いとは思う


「分かった。行こうか」 

ソージュ様は転移人に向かい、自室へ行った。俺も深呼吸をした後続いて転移した。


「俺の部屋で構わないか?」

ソージュ様は尋ねて来た。


「結界と防音と現状回復を重ねがけしますので、レティヒハントも入れなくします。その旨お伝えください」


俺の顔がこわばっているので、ソージュ様は直ぐにレヒテハントにその事を連絡をした。


「ペリル、何事ですか?」


レヒテハントが慌てて部屋に来た。わざわざ結界など大事だ。驚いて当然だ。彼が俺に尋ねてきた時、


「俺の今後に必要な事だ、今は黙って下がってくれ。必ず後から伝える」

ソージュ様は、これ以上時間を待つつもりは無いのかレヒテハントを退出させた。

 

「ペリル、随分と顔色が悪い様だが、どうしたんだ?これからする話し合いはそんなに難しい事なのか?とりあえず座れ」


ソージュ様は心配だった様で俺を気遣った。

俺は素早く結界等を重ねがけしてソージュ様に今日の目的と、やる事を伝えた


「目的は分かった。2人が俺が幸せを感じられる様になる為に何が出来るかを考えてくれた事に感謝するよ・・・」

ソージュ様ありがとうございます


「俺が襲ってしまった時のチャコの記憶を見るのか?チャコの気持ちを理解しろと言う事なんだな・・・既に俺は大概な事をやらかしたと理解しているつもりだが、2人は必要だと判断したんだな?」


ソージュ様は受け取ってくださる。


「チャコは心配していました。チャコは勇者なので多少乱暴な扱いでも壊れませんが、今のソージュ様だと通常の令嬢だと必ず相手を壊してしまうと」

ソージュ様は力が強すぎるから


「チャコの記憶を見たとしても、絶対に彼女を基準にしてはいけません。先ずはその事を必ず頭に入れてください」


ソージュ様は意外だった様だ。


「俺は、チャコに乱暴な扱いをしたのか?」

やっぱり分かっていなかった様だ。チャコ、君の考えは当たっていたよ


「チャコは言っていました。無知なだけだと。知識を得る事さえ出来れば、己の欲のコントロールさえすればソージュ様は大丈夫だろうと」


ソージュ様は分からないのか困った顔をしている。無知な事は本人が1番よくわかっているのだろう。

  

「ソージュ様、チャコの、襲われる側の女性の苦痛の記憶を見るとかなりのショックを受けると思います。私ですら部屋を何度も崩壊させました」

今も思い出すだけで辛い


「だけどソージュ様は加害側です。途中で見たくなくなるでしょうし、目を背けたくなるでしょう。でも必ず受け止めて下さると私は信じています」


そう言ってコトリと卓上に記憶のクリスタルを置いた。


「・・・色で分かるな。苦痛・・・だったのか」

既に落ち込んでいるが、実際はまだ甘い。


「ソージュ様、私はチャコの過去の気持ちも見ました。彼女は信じた相手に襲われた経験が幾度とありました。全てを見せるつもりはありません。ただ、自分がチャコに怖い経験を上塗りした事をお忘れなく」


思わず俺の視線が冷たくなったのだろう。ソージュ様は目を閉じて祈る様に言葉を紡ぎ出した。


「・・・済まない」

今は謝る事が出来るが・・・


「多分、見たらその言葉の軽さに気づくでしょう。俺も今までの女性達にしてきた事を反省しましたよ」

謝罪など軽すぎる


「ペリルは求められているだろう?俺とは違うじゃ無いか」

ソージュ様はそう言ってソファにもたれた。今はまだ何を言っても分からないだろう


「違います。女性を物の様な扱いをして来た事に対してです。その辺はまたいずれお話致します。とにかく、かなりの覚悟を持ってみてください」

だから壊れないで下さいね?


「彼女はソージュ様の幸せの為に思い出したくも無いし、人に知られたく無いそんな自分の恥と苦痛の記憶を晒すのです」

チャコの優しさなんだ


「チャコに対して悪い事をしたと感じているなら、せめてそのチャコの気持ちを全て受け止めて下さい。お願いします」


お願いだ。乗り越えてくれ


「分かった。見てる間ペリルはどうする?」

ソージュ様は俺を見て尋ねた


「・・・申し上げ難いのですが、作業をしながら待ちます。その、ソージュ様が間違った選択をするといけないのでここにいます」


一旦自暴自棄にはなるだろう


「・・・そんなになんだな。ペリル、俺が向き合わなかったら何度でも叩き込んでくれ無いか?辛い事をお願いするが頼むぞ?」

覚悟した目だ。ならば・・・


「その覚悟でしたら、記憶を取り込んだら直ぐに決して逃げ出せない様に肉体の支配権と、気絶しても思考を閉ざすことが出来なくなる様に精神の支配権を抑えてもよろしいですか?」


ソージュ様の覚悟を受け取ったので尋ねた


「頼む。何回もループで流してくれ。加減はペリルに任せる」

ソージュ様はそう言ってクリスタルを起動した。


俺は即座にソージュ様に魔法を発動した。


実はペリルは怒ってます。ソージュじゃなきゃ跡形も無く消してます。

ソージュ、覚悟は出来たかな?


ブックマークと反応ありがとうございます!

お気軽にコメントしてくれたら喜びます。

これからも頑張ります!



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