姫ぎみの風呂敷
梅の園での宴。太鼓に蹴鞠に舞い……美しい芸を楽しんで、ごちそうもたらふく食べた。その帰り道、お重箱を包んでいた風呂敷を着物の裾から出し、姫ぎみは空へと放り投げた。「夕暮れを翔んで橙色の空」橙の風呂敷が夕焼け空を飾り付けた。「これはまた、風情がありますね」夕焼け空を染めた橙の風呂敷は、風を受けてゆっくり落ちてくる。ゆっくり落ちる風呂敷は、妃殿下の手に受け止められた。「橙カラーから青い空」青い空の下、プリンセスは青い風呂敷に言葉をかけた。「令和の空は澄んでるよ!平安の私、そっちの空はどう?」プリンセスが放った風呂敷は、青を通り月が照らす空を舞い、姫ぎみの手に落ちた。