愛し雨待つ
現代短歌なので、小難しいことは抜きにして。
感じたままを詠んでみました。
お気楽に味わってみてください。
薄曇り ため息交じり 天ながめ
愛し雨待つ 白いあじさい
この季節、雨に打たれた植物は、なぜか元気もなく見えます。その中でも雨が似合う、雨に打たれた姿が美しく見えるのは紫陽花でしょうか。
こんもりと手毬のような花房が愛らしい花ですが、最近は品種や色合いも増えて、ますます見応えのある花になりました。
子供の頃はあまり好きな花ではなかったのですが、大人になって大好きな花になりました。これはわたし自身が、雨が好きになったからかもしれません。
ある日。
さるお宅の庭先に、垣根の下から、白い紫陽花の花がのぞいていたのです。空はどんよりとした、今にも雨が降り出しそうなあやしい雲行き。時刻も夕方に差し掛かるころでしたから、薄暗くなり始めていて。
その中で、白い紫陽花だけが、わたしの目に飛び込んできたのです。
手毬のような白い花房が、重くなってしまったのでしょうか。少し花房を傾けて。
大きな葉がそれを支えるみたいに茂っているのは、まるで頬杖をついているみたい。
一途に雨の訪れを待って、待って、少し待ちくたびれてしまったのでしょうか。
その様子が、恋人からの返信が無くて、既読スルーの切なさをかみしめているようでもあって。
今が盛りの紫陽花の花。視線を奪われ、釘付けになってしまったのでした。
(これ、運転中のことだとは大きな声では言えないわよね。完全にわき見運転の告白だもの……)
周囲に注意を払うのは良いことですが、わき見運転はいけません。
いけませんよ。
いけないのですけれど、ねぇ……(←こら!)




