雨音の夜
現代短歌なので、小難しいことは抜きにして。
感じたままを詠んでみました。
お気楽に味わってみてください。
雨音に 世界が沈む そんな夜は
ピアノの調べも けだるく滲む
雨は嫌いではない。
たとえ降雨前は低気圧で偏頭痛に苦しもうとも。
しとしとと世界を包んでいく雨は、けだるさとともに、静かに自分を見つめる時間をくれるから。
湿気をたっぷり含んだ空気は重たくまとわりつくけれども、魚になった気分で、水底に沈んでみるのも心地よいかもしれない。
悪天候も楽しめる余裕を持ちたい。ひとりの時間を楽しめるのは、大人の特権だから。
さあ、孤独を楽しもう。
ジャズピアノのメロディとほろ苦い珈琲を一口。
物思いにふけるには、しとしと雨の夜は最適だと思うのだ。
ところで。
五月雨という文字を見ると5月に降る雨みたいですが、実は梅雨時の雨のこと。陰暦の5月に降る雨なのだそうです。現代人が使う暦とはズレが生じているのですよね。
そのせいでしょうか。なんとなく感覚的にもズレが生じてしまうのですが、そこを修正してみると、古今集の紀友則の「もの思ひをれば時鳥」や和泉式部の「ながめの中にながめくれつつ」も情景が浮かんでくるような。
凡人のわたしは、あくまでもそんな気だけ……ですけれど。
連日の夏日で、もうぐったり。
梅雨前なのに、こんなに気温が上昇しちゃうなんて。
真夏になったらどうなるの!?
今年の夏を超えることができるのか、わたしは不安です……。




