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闇にも溶けぬ
現代短歌なので、小難しいことは抜きにして。
感じたままを詠んでみました。
お気楽に味わってみてください。
荒れ庭に 生き長らえた 芍薬の
闇にも溶けぬ 白い花びら
やむにやまれぬ事情でお隣の家が空き家になって、幾年か。
住人がいた頃は手入れの行き届いていた庭も、すっかり荒れ果ててしまいました。
たまに現在の持ち主が来て草刈りをしていますが、雑草たちの勢いには到底追いつかない。雑草の別名を「埋もれ草」とも云うそうですが、見事な枝ぶりだった梅も椿も、丹精に手入れされていた薔薇や紫陽花も、彼らの勢力の前に埋もれ枯れてしまいました。
その中で、芍薬だけが今年も花をつけたのです。
白い芍薬の花。大輪の花が、誇らしげに咲いたのです。
幾重にも重なった花びらは、ふわりと開き、埋もれ草などには負けぬと言いたげに気高く見えます。
陽を受けてまばゆい昼間の芍薬の花も美しいのですが、夜の闇の中にそこだけ浮かぶ白さも妖しく、目に焼き付いて離れないのでした。
ぼちぼちと詠んでいこう、と思っています。




