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計画進行

イヴリス達が計画を進めていく中、王国の方でも動きがあった

イヴリスが王城に忍び込んだことで王城の中は今までよりも一層侵入者に対しての警備が強化された

それを指揮するのはフェリックス、警備が増えたことはフェリックスにとっても面倒だったが兵の配置と交代時間を把握していればどうということはなかった

フェリックスは部下に指示を送った後、例の場所まで赴きオルティスに事の顛末を包み隠さず報告した



「魔王様に遭遇した?どういうことですか」


「私にもよく分かりません」


「まさか私達の計画がバレた・・・?」


「そういった様子には見えませんでしたね」


「勇者の処刑を阻止したりと相変わらず行動が読めませんね・・・」



今まで殆ど魔王城から姿を見せなかった魔王がここ最近活発に行動を起こしてくる様になった理由を考えたところで時間の無駄、それよりもまた干渉してくるまでに計画を続行させた方がいいということで2人の考えは合致した



「しかしフェリックス殿が無事なようで何よりでしたな」


「オルティス殿が寄越してくれた人物のお陰です。彼女がいなければ逃げ切ることはできなかったでしょう」


「アレは私達の国で長年研究してようやく完成に至った作品ですからね。ただあまり我慢が利かないみたいで時々発散させないと言う事を聞かなくなってしまうので扱いには十分気をつけて下さい」


「大丈夫です。王都から兵を派遣していない村や町を襲わせているのでそこは抜かりありません」



イヴリスの拘束から逃れる事が出来たのは魔道国から派遣された人物の功績のお陰、実験の内容までは聞くことができなかったがあれが人間を超越した何かというのは対峙しただけで理解できた



「さて、勇者を助けたり城に潜入したりと魔王様が何故その様な事をするのかは分かりませんが、何れにせよ計画を早めた方がいいかもしれませんね」


「そうですね、怪しまれないよう慎重に行ってきましたが少し手荒にいこうと思います」


「それは構いませんがくれぐれも他の者には気づかれないようにお願いしますね」


「勿論です。ではこれにて失礼します」



そこでオルティスとの通信は途絶えた

計画では転移陣の完成はもう少し先の予定だったが、イレギュラーな事態に備えて完成を急ぐことに

フェリックスの魔力だけでは時間がかかる。なので他の人間の魔力を使う事にするが当然この事を知った者を生かしておくわけにはいかない

殺しても暫くは魔力は残った状態が続く。それを利用してフェリックスは転移陣を完成させることにした


一方村の人間達に正体を明かしてから一週間が経過したアリシア達の方はというと変わらずサラと鍛錬に励んでいた

そしてイヴリスの方はというと自宅で黙々と作業を行っている



「よしっ、何とか出来たな」


「イヴリス、何を作っていたの?」



作業をしていたイヴリスにマリアが声をかけた

マリアはあれから村に滞在している。魔王国の方はいいのかと聞いたら他の者に任せているとのことだった

あまり触れすぎると「そんなに気になるなら魔王国に一緒に帰ろう」となってしまいそうだったのでそれ以上は触れることはなかった

イヴリスは完成した物をマリアの目の前まで持っていて見せた



「これは拡声器というやつだ。前王国の王が使っていたから自分なりに改良して作ってみた」


「へぇ、物作りなんて珍しいことしてると思ったらそんな物作ってたんだ。ん?一つだけ違う形のがあるわね」


「あぁ、これに声を当てると他の拡声器に一度に伝えることができるんだ」



魔力を送り込みながら話すと他の拡声器が反応して言葉を複製してくれる。距離が離れる程遅延が生じるが距離制限は数百キロ単位まで利用できる



「ふぅーん・・・そんな物作って何をするの」


「これを色んな街に仕掛けておく。これで会話を国の連中に聞かせようと思ってな」


「あぁそういう事ね。まっ、いいんじゃない?」



マリアはこの件に関してあまり口を出してこない。計画に不満があるというわけでもなくただ様子を見ているだけ

現状特に手伝ってもらうことも無かったので寛いでもらっている

作業を終えたイヴリスは気になっていたある場所へと向かうことにした



「さて、ゴルドに頼んでいた剣の方はどうなっているかな。あいつここ最近全く姿を現さないからな」



サラのアドバイスにより魔工が出来るようになりオリハルコン鉱石を受け取った日からゴルドのことは一度も見かけていない。鍛冶場からは毎日煙が出ているので死んではいないようだが流石に気になるし進捗の方も見ていつ頃完成するのかも聞いて起きたかったので確認しに行った

鍛冶場に到着すると今日も煙突から煙は上がっている。中から気配は感じるが扉を叩いても一向に返事もないので勝手に入ることにした



「おーい、いるかー?入るぞー」



扉を開けると凄まじい熱気が襲ってくる。中を見渡すと燃え盛る火の前でゴルドが倒れているのが確認できた



「おい!大丈夫か?」


「うっ、い、イヴ殿か・・・すまない、どうやら少し気を失っていたようだ」


「ぶっ続けでやっていたのか?とにかく一旦休息をとれ」



一人でまともに立ち上がれそうにないゴルドをイヴリスが背負いベッドがある部屋へと連れて行った



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