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『たからもの』  作者: サファイアの涙
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第113章 

 良作は、自家用車でK市に向かうためのルートのはじめに、かつて美絵子が住んでいた、Y市の小さな家の前を、スピードを落とし、ゆっくりと通過した。


 その通過時間は、ほんの数秒であったが・・・その間、彼は、これまでふたりがたどってきた道のり・・・下校時に、この家まで、「松本聖子」のヒット曲を歌いながら、仲良く手をつないで帰ったこと、セツさんに美絵子の貴重な写真をもらったこと、さらに、ここで7年ぶりに、成長した美絵子に再会でき、強く抱き合い・・・そして、この路上で永遠の愛をふたたび誓い合ったこと・・・それが、最後の悲しい別れとなってしまったこと・・・そんな想い出たちをフラッシュのように自身の脳裏のうりによみがえらせながら、車は、やがて高速道路に入り、ひたすらK市を目指す。


 良作は、なつかしい「聖子」の歌をカーステレオで聴きながら、ときに、そのフレーズを口ずさみ、ときに無言で美絵子の愛らしい最後の姿を思い出しては涙し・・・数時間後、彼の運転する車は、高速を降り、目標のK市に。


 そして良作は、綿密に事前調査したルートを慎重に進み、ついに最初の目的地である、K市の役場に到着したのであった。

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