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『たからもの』  作者: サファイアの涙
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第102章

 11月。


 良作が、北海道から故郷のT県に戻ってから、二ヶ月がたったころ。


 彼の母校の農業大学校では、毎年行われるイベントとして、「農大祭のうだいさい」がある。


 これは、この学校の農場で取れた米や麦などの穀物、それに、鶏の卵や、野菜、果物・・・こういった、学生たちが普段の校内実習で栽培したものを、このイベントに訪れる一般のお客様に安く提供する、いわば、露店や、ちょっとした「出し物」などを披露する・・・こういったお祭りであった。


 高校などで開催される、「学園祭」みたいなものであろうか。


 良作たちも、自分らが畑で栽培した大豆などを、ハッピを着て売りさばき、訪れる方に、そのつど、農場での作業の様子など説明して、担当部署の役目を果たしていた。


 そのうちに、学校入り口からやや入った広場で、大きな歓声があがった。


 見ると、畜産科の学生たちが、「子豚の丸焼き」のショーを催しているではないか!


 良作たちも、順番に席を離れて、間近まぢかで見る、丸焼きの様子を、興味深げに、一般のお客様といっしょに見学した。


 彼が、こんがり焼けてゆく、子豚の様子を眺めていた、そのとき・・・誰かが、肩に手を乗せた。


 振り向いた彼の目に入ったのは・・・数年ぶりに見る、遠山里香の姿だった。

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