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なにかを書こうとするとき、そこには湧き上がる先にすすむ言葉なり、映像なり、イメージがあって、それらは捻るものでもひねくれさせるものでもなく、ただただ書きたいと心にひらいかけるものであって、それは、雫なようなものでも化学反応でも、なにか、鬱屈させるものでも動きのあるものでも。生きるというそこ。私は、思うのです。生きるとは、弱点をそう見えぬように濁らせるものであり、自らに弱いところに気づかぬままおごる状態では、その方はいきているとは言えないと。逆に、ころしているのです。それは、ひとだから、といえばそのもの、であるのですけれど、ひとには完璧はあり得ないということもわかったうえでなお思えてしまいます。自らの弱い部分は、その方の弱みであり、ひらえきれないそれ、なおしきれないそれ、は、その方の生き方をころすと。
……ネットニュースで、今回の犯人の家庭環境や実父という方の父像の姿を知り、ただただ、ああこれは、ひどい話だ、と、頭を抱えたように思います。犯人の実父は、女癖とお金にちゃらんぽらんで、6人のこどもを養うために働いていた幼稚園バスの仕事で幼稚園の先生と不倫。そのまま、一度目の妻子を捨て、再婚。その後、妻子らが住んでいた、家や田を無断で売り、初めの妻と子供らは路頭に迷わせ、(これだけでも鬼畜の所業ですが)二度目の再婚で出来た犯人と子供たちも、きちんと育てられていたのか、ふたりめの妻は、子供を見捨て出て行っています。この父親に耐えられなくなったのでしょう。不倫の果ての離婚をしたこの妻も最低に思えますが、犯人は、家庭内の愛情に恵まれなかっただろうことは想像にかたくなく、……しかも、男子が幼少期、母親に捨てられるという事実は、女子よりも重く精神的な症状に表れやすいと言われています。ネットニュースでは、犯人の幼少期の夢は、大金持ち。……私の想像に過ぎませんが、ネグレクトはされていたように思いますが、一番は、貧しい家庭から母親が居なくなった理由の一つに貧しさを思っていたのではないかと感じました。貧しくなければ母親は、居なくならなかった。そんな風に思っていたのではと感じました。犯人を擁護するつもりはありませんが、犯人は確実にさまざまなものを幼少期形在る実感として心に安定したものをつくれず飢えていたのではないかと想像します、父親のDNAを少なからず引いているなら、女癖が悪くお金にはちゃらんぽらんであるという属性というのか、欲は引き継いでいたのでは、と私は想像しますし、コンビニ強盗の前に起こしたとネットニュースで見た、下着ドロも、そういった歪んだ欲を感じます。自らの欲に忠実になりやすい弱さ。考えたくありませんが、犯人の実父像がひどく見えて、簡単にそこまでイメージしてしまいました。
犯人は、たびたび狂人なやり方でしたが、妙なアピールを他者に行っていたのでは?と、思えてなりません。コンビニ強盗をしたのに敢えて自ら出頭する。まるで、よい子でしょ?と警察官にあまえているように。周囲に見える形で愛情を求める。(下着ドロ)このままじゃ僕は大変なことになってしまうよ、お母さんみてよ!と言っているような。全てそう思えた、というだけですが、……ずっと違和感を思えてなりませんでした。不信を他者にアピールするかのような言動、犯罪の派手さ、後のことを全く考えない短楽さ。川崎殺傷事件とは明らかにそういった部分が違うように思えて、私には、二つの事件は犯人の性質が異なって見えて仕方なかった。……今回の犯人が動機をどのように語るのか解らないけれど、自らくびをきりつけいのちを絶った川崎殺傷事件の犯人とは違い、今回の犯人はまだ生きている。最早、動機など聞いても、亡くなった方は帰ってこない、と思えても、生きているなら、せめて動機を聞き、今後の異常犯罪に少しでもくいこむ理解をと思えてしまう私は、ニュースを目に為るだけの他人だ。……けれど、……社会に恨みの目を向ける人間の性質をつくりあげたのは今回もまた、最も身近な家庭環境の崩壊であったと知らしめられたとき、その異常犯罪は、更に重くのしかかる気がする。……兎に角今は、気分が悪くて仕方がない。