君の笑顔と僕の幸せ
イトスが死んだことにより、複製は全て消えたが、抹消されたものは記憶もそのもの自体も戻ってこなかった。ホワイトハウスは世界から忘れ去られ、ホワイトハウス自体が消えたことにより防犯カメラの情報も無くなった。大統領失踪事件は世界中に広がり、後世まで様々な説が飛び交ったが、何かの力が働いたのだろう、ついに真相は解明されなかった。
あの後イトスの持っていた薬を使い、瀕死状態だったユノを蘇らせた。コリオも体中に深い傷跡が残り、数ヶ月の入院を経て、生き抜いた。
2049年 4月18日
青い草原が日差しに照らされ、等間隔で並べられた白い墓石が太陽を跳ね返す。彼の墓の前では涙は見せない。
後ろで結んだ髪や成長した目つきは前までの彼女とは違い、大人びた雰囲気を感じさせる。服装も一新し、穏やかなオーラはあるものの、子供っぽい面影はいつまでも消えない。
「……もうあれから5年も経ったよ。二人はいつの間にかあんなことになっちゃったし……私もそろそろ考えないとだよ。といっても、まだギリギリ20歳だから大丈夫かな。……あんたは成長しないだろうけどさ、私は成長するんだから……じゃあね」
好きだよ、という一言を最後に言い残してコリオは式場へと出発した。
「リアス、おめでとう」
車椅子に乗り眼鏡を掛けた見知らぬ男が、扉を開けてリアスに話しかけてきた。
どこか見覚えのある顔をしている……ような。
リアスがキョトンとした顔をしていると
「ハハハッ、まあこんな情けない姿じゃあ分からないか。フィオリだよ、フィオリ」
言われてみれば……髪型の原型や顔立ちが同じだ。
リアスは目を丸くして唖然とする。
「えっ!?生きてる?えっ!?」
「ピンピンしてるさ……あの時ルクセルさんがマンホールの中に、クッション代わりのゴミ袋と一緒に投げ込んでくれたおかげで奇跡的に生きてたんだ。今は下半身麻痺と左目の失明、おまけの視力低下。でも生きてるだけルクセルさんに感謝しないとな」
「連絡してくださいよ!もう何年経ったと思ってるんですか!」
「すまないね、病院で数年間寝たきりでリハビリとかもあったから。まあ、本当は君達を驚かせたかっただけなんだけどね。そうだ!……突然すまないがリアス、君に頼みたい事があるんだが」
「頼みたい事?」
「今は仮で私がボスをやっているんだが。もうこんなボロボロだし、後継者を選ばないといけないわけだ。そこで、元ボスの弟で、子供達の一人を倒したリアス、君にボスになってもらいたい」
「……え?ボス?何の話ですか?」
「ああ、すまない。プレッシャーを与えてはいけないから、この話は式の後にしよう。じゃあまた、私も式に出席させてもらうよ」
君の書く字も、君のメールも、君の聴く音楽も、君の何もかもを好きな僕と同じように、君は僕を愛していてくれているだろうか。そんな不安も今日で吹き飛ぶ。
短く長い物語を賛美する光が差し込む教会で、彼女の雪のように美しい純白の姿は僕を悩みから救い出してくれる。親はいないけども、そんなものは関係無い。
「汝健やかなるときも、病めるときも、喜びのときも、悲しみのときも、富めるときも、貧しいときも、これを愛し、敬い、慰め合い、共に助け合い、その命ある限り真心を尽くすことを誓いますか?」
ダイヤモンドよりも輝く麗しい瞳と目を合わせて、君は笑う。いつでも求めていた笑顔が太陽のように心を照らしてくれる。
「はい 誓います」
【 完全無欠の革命歌 完 】
ついに終わりました。閲覧ありがとうございました。このシリーズについては、このシリーズ+無関係作品を同時進行という風に、今後も続けます。
正直言えば、投げました。




