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誤解それは、いろんな不幸を呼ぶのです。

やっと、できました。疲れました。

その日。わたしは怒っておりました。


「違うんだ。聞いてくれ。」

「お聞きする事は、ございません!!」


そう。扉を挟んで私は怒りに叫んでしまいますが

「あれは、俺のせいじゃない。とにかく、エリザベスに合わせてくれ!!」


そんな声を聞きわたしの怒りは頂点に達しました。








「このような事をなさって、お嬢様にお会いできると、思っておられるのですか!!」








わたしは怒りを抑えきれずつい壁を強く殴ってしまい。少し、ええほんの少し壁に穴があいてしまいました。

しかし、そのな音を聞きつけたお嬢様が奥の部屋から出てこられました。


「どうしたの?なんか騒がしいけど・・・」

「・・・お嬢様。なんでもありません。」


私は、誤魔化すため壁の前に立ちお嬢様を遠ざけますが、そんな折り

「エリザベスに・・・」


とあの憎き男の声が聞こえたのであります。


「え?・・・アンドリューさま?」



「お嬢様。その扉は開けてはなりません!!」


私が叫んだ為。お嬢様は、私がいつもの私ではないと、お気づきになられたようで私に向き直りゆっくりと尋ねられました。


「ど、どうしたの?そのような怖い顔をして・・・」



私は、お嬢様には事実をお伝えしなければならないと決意して喋りだしました。


「アンドリュー様は・・・」





「・・・アンドリューさまは?」








「アンドリュー様は、『詐欺師』でございます。」



私は少しの間を置き、悲しい事実をお嬢様にお伝えしました。


お嬢様は、僅かな沈黙の後。息を吐き言われました。


「・・・とりあえずゆっくり話を聞きましょう」と。



◇◇◇


そうして、私を落ち着けるため、椅子に座らせたお嬢様は、みずから紅茶を入れられ、楽しみにしておられたフォンテンシュのチョコケーキを貰った時に『いつもありがとうございます。こちらは、サービスでございます。』そういってタダでつけて頂いた茶菓子を皿乗せて私の前に出されました。


「・・・グス。お嬢様・・・モグ・・グス。美味しいです・・・グス。モグモグ・・・。」

「さて、少しは落ち着いたかしら?・・・とにかく詳しく話してもらえるかしら?それと、手を止めなさい!それ以上は、ダメよ!!わたしのなのよ!!」

少しケチくさい嬢様は、わたしから皿を取り上げ後ろに隠されました。

自分で出したのに・・・。


「・・・仕方ありません。・・・グズ。お嬢様のため・・・グス・・茶菓子は遠慮させて頂きます。」


私は悲しい顔でお嬢様の顔を見つめました。

「うっ、あと少しだけよ」

「・・・ありがとうございます。では」


そういって、1つ口に入れるとこっそり懐から包みを出した私は二、三個包みポケットに大事に仕舞ました。


「貴方に遠慮という言葉は、ないの?!」


何やらお嬢様はさけばれますが、私はおさまった最後の涙を拭き終え話を始める為。紅茶で茶菓子を流しました。


「さて、それはある日でございました。」


「はぁ、もういいわ。」

あきらめ顔のお嬢様は、額に手を当て聞く体制を整えられました。私は、それを確認して、そのまま話を続けました。


「私は、壺の数が少しずつ増え新しい大きい壺を買うか、このままこの壺でやっていくか。そんな日々の悩みに頭を抱え、しかし、お嬢様にココアを飲んで頂くためアンドリュー様のお部屋を訪ねた時でした・・・」

「貴方は、わたしの知らないうちにアンドリュー様まで魔の手を伸ばしていたのね。」


そうため息を吐かれたお嬢様を見て私は振り返り考えました。

この頃。学園に入り、社会の難しさを感じられ始めたお嬢様はため息が増え、苦悩を感じておられるようです。

そんな時に私の事情まで聞いてくださるお嬢様に私が、感動を覚え、そして、畏敬の念を贈ってしまう程でございます。


「はい。アンドリュー様は、この頃。わたしの上お得意さまだったのですが、・・・グス。」



そうつい言ってしまった私に何やらどこか気になる所があられたらしく。


「・・・なにが、上お得意さまなのかを聞きたい。だけど、今聞いたらたぶん確実に怒る自信があるわ。・・・でも、いま怒るのは、ダメなのは、わかっているんです。しかし・・・。」


なにやら、必死にお嬢様が何かと戦っておられます。

私のこの怒りに比べたら、マシでしょうが、お嬢様もなにか思うことがあるのでしょう。

そして暫くの間。何処かに思考を飛ばし帰ってこられなかったお嬢様は、いきなり私を見つめ拳を握り締め聞いてこられました。



「・・・それで、アンドリュー様がどうしたのかしら・・・」



どうやら、何かに勝たれたようです。

お嬢様。良かったですね。何か成長されましたお嬢様のお顔は少し凛々しく輝いているように感じました。



「はい。私がなにか浮かない顔をしていたのに気づいたのでしょうか?アンドリュー様が私に壺の話を振られたのでございます。」



◇◇◇


『聞きたいことがあるのだが、そなたの壺は、一体何個あるのだ?』


そういって、アンドリュー様にお茶を差し出され、つい向かいに座った私にアンドリュー様の侍女様は、ちゃんと茶菓子まで出してくださり私はそれをゆっくりと摑むと口にいれたのでございます。


『何故でございましょうか?』


私は、これは何かのご相談事なのかと思い少し低めの声を出してしまいました。すると、アンドリュー様は慌てたように話を始められました。


『い、いや、学園内に一体何個の壺を埋めているのか気になってな。』


『それは、いかにこの国の王太子様と言えど、お教えする事はなりません。』

その言葉を聞いた私は、いつもの人当たりがいい爽やかな笑顔を「絶対ちがうわ」引っ込め、真剣な表情で言い放ちました。




◇◇◇


「お嬢様。勝手に回想に入ってこないでください。」


私は、お嬢様を見つめ、ため息を吐きました。

「だって・・・。」


それでも、なお否定の言葉を吐こうとされるお嬢様を私は初めて睨み。

「お嬢様、ハウスです!!」


そう私は、はっきりと言わせて頂きました。


「なっ!!・・・わかったわよ」


お嬢様は、その言葉を聞き、一瞬怒りの表情を見せられましたが、話が進まないと諦められました。


「では、回想に戻らせて頂きます。」


「ええ、お願い。」


◇◇◇

『いや、別に取ろうという訳では無いのだ。実は、お前が壺にお金を入れているのを探すものが出てきてな。少し警備やら、・・・被害者やら(ぼそっ)・・・問題になっているんだ。』

そんな言葉を聞き

『なんという事でしょうか・・・。そのような金の亡者が!!』

私はその時、驚き。大声をあげてしまうほどでございました。

『そなたに金の亡者とは、いわれたく無いだろうな・・・』


『何か言われましたか?』

その時。なにやら囁かれておられましたが、私にはきこえませんでした。

今思うと、もしかしたら良からぬことを企んでおられたのかもしれません。


『いや、なんでもない。そこでだ。全部とは、言わない。ここに預けてみないか?』

そういって、テーブルに乗せられた紙を私は覗き込みました。


それは、チラシと呼ばれるもので色取り取りで華やかでそれでいて、真ん中にはデカデカと人を引き付けるような大きな文字が、載っておりました。今思うと、いろんな方を煌びやかさで誤魔化して、手を出させる。そんな卑劣な技術が巧みに使われておりました。


『これは・・・。』


しかし、その時。私はその紙のとある文字に釘告げになり、気付いておりませんでした。


『これは、預けると年に金利が0.025パーセントつくのだ。・・・どうだろうか?預けて見る気はないか?』

『そ、そんなうまい話が・・・しかし・・・』

私はその説明を聞きすぐには即決できる案件ではないと、悩んでおりました。


『いや、無理にとは、言わないけれど考えてみる時間はあるだろう?それにあまり学園としても、そこら中に穴を掘って壺を埋められるのも困るからね。』


そう、言われ渡されたチラシを片手にその時の私は、浅はかにもアンドリュー様の配慮に感動してしまったのでした。


『・・・わかりました。考えさせてください。』

そう私は、返事して、お部屋をココアを貰い出たのでございました。


◇◇◇


「私は悩みました。甘い話には裏があるといいます。だから怪しいとは思っていたのです。お金を預けるだけで年に金利を貰えるなんて・・・。

ですが、仮にも王太子。エリザベス様の婚約者でございます!

私は信用して、王太子様と一緒にすべてではありませんが、壺を風呂敷に何個か詰めその場所に向かったのです。」


そのお話を聞いたお嬢様は、沈痛な表情を浮かべながら、何故か天井をみつめておられました。


「貴方の話を聞くと、本当何故か詐欺に思えてくるわね。」


なにやら呟いておられました。


「だけど、貴方の風呂敷姿を想像したら、シュールな光景ね。・・・アンドリュー様と風呂敷。」


そして、少しの間呟いておられましたが、暫くすると、なにかを振り切ったお嬢様は私に聞かれました。



「風呂敷・・・いえ、そこじゃないわ。一応確かめさせてもらうけど・・・」

「・・・なんでございましょう。」



そして、お嬢様は遠慮したように言われました。


「そこの場所の名前は、銀行という名称じゃなかったかしら?」




私は少しの沈黙の後、叫びました。


「お嬢様!!なぜその名前を!!!」



叫んだ私にお嬢様は呆れた顔で言われました。


「いや、みんな知ってるわよ。」




私は、お嬢様が言われた言葉が理解できず。もう一度確認の為お聞きしました。


「そんなに有名場所なのですか?」


「ええ、有名よ。」



『ええ、有名よ。』そう仰られた言葉が私の脳内に何度も流れ私はいつの間にか立ち上がっていた自分自身を支えることが出来ず・・・二、三歩ふらふらとよろけると、近くの棚に寄りかかりました。


「そんな・・・有名な詐欺に引っかかってしまうとは・・・」


僅かな沈黙の後。


「え?ああああ!!ちがうのそっちじゃないの!!」


お嬢様は叫ばれました。


「そっちとは、どっちですか・・・」


私は、もうショックから、燃え尽き髪の毛は白髪になってしまったんではないかと言うほどでした。

もう『燃え尽きた・・・真っ白にな・・・』と、学園長様が仰られたジョーという主人公のようになっており、悲しみはとめどなく私を襲っておりました。


そんな中お嬢様は今日一番の衝撃発言をなさったのでございます。




「詐欺じゃないのよ。」





え?いまなんと・・・。




「・・・詐欺じゃ、詐欺じゃない・・・?」




「そうよ。詐欺じゃないのよ。」



お嬢様の言われた一言は私には理解しがたく、眉間に皺がより、お嬢様から距離を取ってしまうほどでした。




「しかし!!お嬢様。私は現にお金を取られました!!もしや・・・お嬢様まで・・・」


「落ち着いて!」


「あの脳内お花畑王太子・・・。お嬢様まで悪事の片棒を・・・」


「落ち着きなさい。そんな事を言ったら不敬罪で処刑よ。・・・落ち着きなさい。誤解があるわ。それに私は関与してないわ。とにかくもうちょっと話をしましょう。」


「・・・本当で、ございますか?」



そういう、お嬢様に詐欺じゃないとおっしゃった言葉は、冗談なんじゃないのかと、静かに怒りに耐えながら聞きました。



「え、ええ、もちろんよ。」


お嬢様は、私の様子にたじろぎながらも凛々しい声ではっきりとおっしゃいました。

しかし・・・


「お嬢様。申し訳ないのですが、1度お顔を抓らせて頂いても?」


「な、何故かしら。」


「最近。特殊メイクという技術を学園長が開発されまして、偽装の魔法ならば私は看破のスキルをMAXでもっておりますゆえ。見抜けますが、特殊メイクは、まだ見抜ける技術を持ち合わせておりません。ですので、本物かを今一度。確かめさせて頂きたいのでございます。」


「そ、そこまでさっきの発言で私は信用を無くしてしまったのね。・・・わかったわ。許します。」


お嬢様は、悲しい顔をしながら私を見つめておいででしたが私は、さっきの出来事でお嬢様を信じることが出来ずお嬢様を疑ってしまったのでございます。


「申し訳ございません。では」


そういって、静かに私はお嬢様の頬を強めにしかし跡が残らないよう抓らせていただきました。


「いほいわ。」


頬から剥がれ落ちるマスクもなく。

私はお嬢様をみつめ少し安堵いたしました。


「本物のお嬢様でございますね。しかし、仕える身でありながら、この様な失礼なことを・・・申し訳ございません。」


「い、いえ。いいのよ。貴方のお金の為だもの。本物とわかったし、さっきの話の続きをお願いできるかしら?」


お嬢様は、偽物かもしれないと疑った私にまでまだこのようなお優しい対応をしてくださり、私は反省しながら話を続けたのでございます。



「はい。・・・では、その数日後のことでした。私は、いつも通り壺を埋め、通帳を持ち銀行に預金の確認をしに行きました。」


「壺は、まだ続けてるのね。」

「はい。壺を埋めることは私はきっと生涯止めることが出来ないでしょう。特に現在は、ただ唯一の私の心の拠り所になっています。」


「そう、そこまで貴方を追い詰めてるのね。」

お嬢様は悲しい顔をされ少しの間ハンカチを目元に当てられました。


「そして、通帳を入れて中身を確認しようとした時でした。『ご利用の口座は今現在。凍結されています。』そう、画面に表示されたでございます。私は、パニックになり、ついその機械を破壊してしまったのは言うまでもありません。」


「え?壊したの?」


「はい。その時の私は冷静さを失っておりました。」


「そ、そうね。とにかく先を進めましょう。」


「その後。私は警備兵の方に連れられ詰所までいき、その日の夜。騒ぎを聞きつけたアンドリュー様が話を聞きに来られました。その後。アンドリュー様が、暴れる私を警備兵様に『俺のせいだから出してやってほしい』と言われましたが、私は渋りました。しかし、ついに今日の昼に牢屋から出されたのであります。そして、私には『調べるから待っていて欲しい』と言われたのですが、牢屋から一度出た身。エリザベス様のお世話をしなければと帰ってきたのです。ですが、もう2日も経っております。なのに『まだわからない』との一点張りで、もはや詐欺としか」


「貴方。だから二、三日居なかったのね。代わりの侍女が『今は、特別休暇中で楽園に居ますので、大丈夫でございます。』っていってたから信じたけど・・・いえ、貴方には牢屋は、楽園だったわね。」


「それも、我が実家には黒服なる赤い札を貼る連中まで来たと連絡があり。あの時ちいさかった弟があの忌まわしき夜を思い出し、半狂乱になったのであります。」


「・・・。」

「そして、ついに私は、この言葉巧みな詐欺に気づいたのでございます。アンドリュー様は、急ぎ調査中といって私をあの楽園に閉じ込め誤魔化そうとしていたのは明白。もはや詐欺師には我が公爵家の敷居は跨がせてはならぬと、締め出したのであります。」


私は、拳を天井高く掲げここに宣言いたします。

「詐欺師の口には、猿轡を!!詐欺師には熱いうちに鉄槌を!!」


そんな誓いを聞き慌ててお嬢様は、私の拳をその柔らかな手で包み込み言われました。


「・・・貴方の主張はわかったわ。私は、、急ぎアンドリュー様に話を聞かねばなりません。その扉を開けてくれますか?」

しかし、私はいいます。

「・・・お嬢様。いけません。あんな極悪非道な詐欺師をお嬢様に合わせるなど、私が許しても閻魔様がお許しになりません。」


「・・・そこまでなのね。いえ、・・・ゴホン。しかし話を聞かないことには、相手を理解することはできないのよ。それに貴方の為なのよ。」


私の為・・・。


「お嬢様。・・・そこまで私の事を考えてくださるのですね。」



私は、感動で涙が溢れました。


「ええ、意外に私は貴方のことが気に入ってるみたいだわ。」


「お嬢様。私。一生は無理かもしれませが、給金が続く限り、お嬢様に仕える次第にございます。そして、感謝の印にいままでの身内割を超える割引にてこれから提供させていただきます!!」


「お金は取るのね。」


「はい。」


即答する私に、お嬢様は少し笑っておられました。

「じゃあ、行ってくるわ。」


「行ってらっしゃいませ。・・・お嬢様。どうぞご無事で・・・」



私は、夫を戦場に送り出す妻のようにお嬢様を見送らせて頂きます。



「ええ、すぐそこで話すつもりだから大丈夫よ。」

そういって、お嬢様は、扉を閉めて詐欺師が待つ扉の外に出て行かれました。


◇◇◇

そして、数時間後。戻ってこられたお嬢様は、私を対面に座らせ説明されました。


「では。銀行の口座凍結は解除になったのでございますか?」


「ええ、お父様が、ちゃんと、貴方の無実を立証したみたいだわ。」

「さすが、公爵様でございます。」


公爵様には小さい頃から返しても、返しきれないご恩があり、また増えてしまいました。


「ええ、まさか貴方の小遣い稼ぎ分も、ちゃんと給料として申請してたなんて、さすが、お父様。抜かりないわ。抜かりなさすぎてびっくりだわ。」


そんな言葉に私はそう言えば公爵様から、誰に幾ら貰ってどんな話をしたか毎月纏めるよう特別給金を貰っておりましたが、そんな訳があったなど、さすが、公爵様でございます。

ですが・・・

「しかし、お嬢様。実家にまで黒服連中が・・・。」


「ええ、それは、大変言いにくいんだけど・・・。」

そういって語られるお話は、私の未熟さがもたらしたものでございました。



「ええっと、貴方が壺にお金をいれて埋めていたのが、有名になってしまったから、実家にも庭に隠し財産があったんじゃないかと、もう一度調査が入ったみたいなのよ。」

言いにくそうに言われるお嬢様に私はショックで暫く目をカッ開いたまま固まってしまう程でございました。


「それは、もしかしてわたくしの所為でございますか・・・。」


「え、ええ・・・。」


「そんな、そんなわたくしの所為で弟が半狂乱に・・・。」


「ええ、その点は、貴方が言う黒服さんも申し訳ないと、謝っていたわ。これからは、小さい子供がいる時などは無理やり押しいったりしないと、約束してくれたわ」


「そうでございますか・・・。」


これで未来ある子供の心が守られるだけで、まだ救われた気分でございました。



「だけど、庭に少し隠し財産が見つかったみたいでね。ご両親も忘れていたみたいだからそんなに落ち込んではいなかったけど、それは、取り上げられてしまったわ」


「わかりました。元はと言えば私から出たサビにございます。・・・とりあえずの暫くの暮らしの為に壺を何個か両親に差し出す次第でございます・・・グズ。」


壺が少し取られてしまいますが、ここは家族のため涙を流し堪えます。


「ええ、アンドリュー様も、国の間違いだからと、貴方が破壊した機械の費用と、貴方の兄弟の精神的ケアを持続的にしてくれると約束してくれたわ。」

「・・・本当でございますか。脳内お花畑とまで言ってしまった私に、そのような寛大な御心。さすがエリザベス様の婚約者で顕されます。」


意外にいい方でしたね。エロいセクハラ王子とも、思っておりましたが、これからはもう少し見直してさしあげたいと思います。



「・・・貴方。その脳内なんたらは、本人に言ってないわよね。」

「お嬢様。お花畑でございます。」

「ええ、お花畑ね。で?いってないわね?」


何かを心配されたお嬢様は私の肩に手を置き何故か必死になっておられますが、私は素直にお教えします。


「はい。常日頃は心のうちに留めておりますゆえ。まだ一度も御本人には言っておりませんが、・・・お伝えしたほうが?」


「いえ。一生心のうちに留めておきなさい。」


「はい。一生心に留めておきます。」


そんなやり取りの後。私は、疲れておられるだろうお嬢様の紅茶を準備するため退室いたしました。


◇◇◇


「因みにあのココアは、アンドリュー様から頂いたのね」


紅茶を飲んだお嬢様は、先ほど私から隠されたフォンテンシュの茶菓子を幸せそうに口に運んでおられます。


「はい。あの日。お嬢様が、疲れておられたようでしたので、それとなくお話に織り交ぜました所。帰りにアンドリュー様の侍女様からお土産としてお預かりしました。」


「もしかして、その日は、お父様にお手紙を書いた日かしら?」

「はい。」

キラリと見つめられるお嬢様の目には、いつもの冷たい輝きがございました。


「だから、あの日。貴方にしては遅かったのね。」


「いえ、お嬢様。あの日遅かったのはウィリアム様の、お部屋に行った際。珍しい茶菓子がテーブルに置いてあり、その茶菓子を中々ウィリアム様が下さらなかった為時間がかかった次第でこざいます。」

「・・・はぁ。とにかく、謝罪のお手紙とお礼のお手紙を書かなければいけなくなったのは、わかりました。」


ため息をつかれながら私を見つめ紙とペンを取り出そうか考えておられたお嬢様に私は


「お嬢様。今日は、いろいろご心配とお手数をおかけ致しました。」


と感謝の言葉を伝えました。


「ええ、本当疲れたわ」

そんな言葉を言われながらも、笑いながら、紙を取り出されたお嬢様に私はお伝えします。


「ですので、本日限定でお手紙の無料配達をさせていただきます。」

「え、ありがとう。・・・だけど、本当にいいの?」

驚きながら目を瞬かせるお嬢様は、すぐに復活され私に尋ねられました。


「はい。お嬢様。本日限定ですので私の生活にはさほど影響いたしません。」


そう、私が胸を張って宣言すると

「そう、ならば急ぎいろんな方にお手紙を送らなければならないわね。」


っと、袖をまくり上げられ、一枚目のお手紙にペンを走らせます。

そんな姿を私は確認すると、冷え切った紅茶を飲み干し

「では、私はもう一度。熱い紅茶を淹れて参りましょう。」

そういってカートにカップを乗せました。そんな私にお嬢様は手紙に顔を向けたまま

「ええ、お願い。」

といつにない素敵な笑顔でいわれました。


そして、今日はたくさんの配達物が届けられることになり、一部。深夜知らない間に枕元に手紙を置かれた数人の方々の恐怖に駆られた叫び声が室内に響いたことは内緒でございます、

みなさま。ここまでお読み頂きありがとうございます。

感想。励まし頂きありがとうございます。

涙ながらに頑張らせていただいております。

この話は、かなりの難産でして、無知な私には金利がよくわからず間違っていたりしたら申し訳ございません。

ただ、いろいろ間違いがあるかもしれませんが、まあ、この世界観と思って頂いたら助かります。

さて、皆様。身内割以上の割引それは、なんでしょうか?書いた私が言うのもなんですが、思いつきません。つきまして、暇な・・・ごほん。博学な皆様に語呂のいい素敵な割引を考えていただけたら助かります。

まあ、いつ使うか誰のを使うか。もはや使わないか。わかりませんが、決まるまで割引ができません。

私も頑張りますので皆さんも頑張っていただければ助かります。

いいですか!語呂がいいのでおねがいします。笑

さて、冗談もさておきここまで楽しんで頂いてありがとうございます。

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