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夜中に見るもの。それは、新しい扉を開く道なのです。

お待たせ?いたしました。

長かった。

いつもとはちょっと違うので書きにくかったです。

この話面白いかは、しりません。

「貴方。なにしてるの?そしてその黄色い壺はどうしたの?」


その日。私は、買ったばかりの壺を磨いていると背後から突然現れたお嬢様が、私に尋ねられました。


「お嬢様。別にお話してもいいのですが・・・」


しかし、さすがの私もただではお教えすることは、出来きません。

少し俯きながら哀愁漂う雰囲気とできればポケットには携帯型のプレーヤー。そしてそこからBGMをかけるのは常識でございます。


「・・・わかったわ。いくら払えばいいのかしら」


そして、音楽を聴いた瞬間。諦めたように財布を出されるお嬢様も、いつも通りの通常運転でございます。


「では、お嬢様。ここは、お嬢様と私の仲でございます。特別ご奉仕お嬢様限定身内割引といたしましての7割引にて今回は、300円!!300円と大変お安くなっております。」


「・・・まあ、本当安いわね。300円なんて買いね。・・・はい。300円」


そして、私は大変喜びながらお財布からお金を出されるお嬢様をみながら「はい。まいどありがとうございます。」とスマイル付きでお金を受け取るとそっと懐に忍ばせました。


「では、お嬢様。お話いたしましょう。この壺は、実はかの有名な藁を持った方が次々と色んなものを交換してその最後には大金持ちになったと逸話もあるかのかたも持ってらっしゃったという幸福を呼ぶという幸運の壺でございます。それも『今しか手に入らない壺』だと言われ迷った挙句。・・・少し高かったのですがあの有名な幸運の壺ですので買い求めた次第でございます。」


「・・・幸運の壺?」


「はい。持ってるだけで幸運になれるエンチャントが付いているらしいのです。」


「・・・貴方。そんなあやしいもの・・・それはいったいどこで買ったの?」


「それは、お嬢様・・・」

そう言っただけで察したように財布を出されるお嬢様は、この頃特にそのお財布をだされる仕草だけでも私には神々しくみえる次第でございます。

「・・・はぁ、わかったわ。いくら払えばいいの?」

そうため息を吐きながらおっしゃるお嬢様に私はいつものBGMをながすと、セールストークを開始します。

「お嬢様。ここは、お嬢様と私の仲でございます。スペシャルスーパー特別お嬢様割と称して千円の所をなんと300円!!300円とお安くなっております!!」

「・・・スペシャル・・・スーパー・・・ゴホン。まあ、いいわ。とにかく話を進めましょう。はい。300円」

私はお嬢様から受け取った300円を懐に仕舞うと、ゆっくりと口を開きます。


「では、お話をいたしましょう。そうそれは・・・」




◇◇◇◇



それは、皆が寝静まった静かな蒸し暑い夜でした。

私はその日何故かなかなか寝付くことが出来ず。少し涼もうと厨房で桶に水を入れ涼んでおりました。


しかし、いざ涼んでみると心地よく。

知らない間に少しうつらうつらと舟をこいでおりました。



その時でした。静かな誰もいないはずの近くの室内から




『キャーーー』



とまるで悲鳴のような音が聞こえてきたのでございます。


私はびっくりして意識を覚醒しつつ周りを確認し言いました。



「はっ!何者「ちょ、ちょっと待って」



◇◇◇





「もう、なんなんですか?お嬢様。今からでございますよ」


「そ、それは、壺と関係あるのよね?」

そういって、何故か慌てたように確かめられるお嬢様に私は首をかしげながら「はい。」と返事を返しました。


「そ、それならいいのよ。」

なんだというのでしょうか?お嬢様の顔が少し青くなっている気がします。

体調をくずされたのでしょうか?この頃は何故かお嬢様は疲れた顔をよくされています。

ここは、あとからウィリアム様のところにいって美味しい茶菓子でもいただいてきましょう。さて、この後の楽しい予定もたちましたし、話を続けましょう。


「では、話を続けさせて頂きます。」

「・・・ええ。」



◇◇◇


私はすぐに短剣を持ち音のする方に向かいました。




◇◇◇




ーーゴクリ。ーー


ん?今近くから何かを飲み込むような音が・・・。

チラリッとお嬢様を見れば何故か手を握りしめ何かに耐えられておられるご様子。何故でしょう?


しかし、やはり音は気のせいでしょうか?まあ、さっさと気分を取り直し話を続けます。


◇◇◇

そして、私は足を忍ばせゆっくりと声のする方に向かいました。真っ黒な先には、確かに人の話し声。




私は部屋まで着くと、こっそり扉を開き手元にあった手鏡を使い中にいる人物にバレないよう軽く中を写しながら覗きましたが、何故か人影はらしきものも当たりません。



しかし、その間もずっと話し声は聞こえておりました。


わたし・・







◇◇◇◇◇





そうその続きを話そうとしたその時でした。





「いやああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」









いきなり叫び出すお嬢様。場は、混沌としております。


「お、お嬢様?!」

「いや、やめて。もう無理よ。うっ、うっ」

そう言いながら嫌々と首を振られるお嬢様。

「お、お嬢様。どうしたんです?これからが本題なのですが・・・」

そして、ついに目頭をハンカチで押さえ叫ばれました。


「あなたの壺と、この怪談話がなんの関係があるのよ!!」

「お嬢様。階段ですか?」

「怪談よ!」


『かいだんよ!』そう叫ばれるお嬢様の言葉を頭の中で反芻して数秒。


「ああ、怪談ですね。・・・しかし、お嬢様。私は壺の話をしているのであって怪談話などしておりませんが?」

「うっ、だって誰もいないのに話し声がって・・・」


そう言いながら涙目で私を見つめられるお嬢様。




ーードキンーー


私のなかで何かが脈を打ち始めました。


こ、これは、お嬢様の久しぶりの泣き顔でございます。いつもは、冷たくつり上がった瞳からこぼれ落ちる暖かい涙。

なんでしょうこの湧き上がってくる熱い気持ちは・・・。


・・・また新しい扉が開きそうな予感です。




ーーゾクッーー

「ひっ!!」

「どうしたのですか?お嬢様。」

「な、なんかいま悪寒がしたわ。な、な、なにかいるのよ。」

「大丈夫です。お嬢様。残念ながら、私しかおりません。」

「ええ、本当に・・・だ、だれもなにもいないわよね?・・・グス・・・で、でも、今日は1人では寝れそうにないわ・・・グズ・・・本当に不本意だけど今日は一緒にねてくれるかしら。」

キョロキョロと周りを見渡しながらお嬢様は私を掴みなが、お願いされます。

そして私は

「お嬢様。いいのでございますか?私、夜もパリッとしたシーツで寝れるなんて幸せでございます。」

とお答えしたのですが、何故か笑顔で答えた私にお嬢様はさっきまでの何もかもを誑し込む瞳ではなく冷たく呆れたような冷たい目をしておられました。

何故でしょう。でも、これは、これでは至福でございますっとお答えしておきましょう。


「ちゃっかり、貴方添い寝しようとしてない?」

「もちろんでございます。身近な場所からお守りいたしませんと、お嬢様の身は守れません。」

「・・・まあ・・そうね。・・・はぁ、いいわ。・・・今日はよろしくね。」

私の袖を少し掴む涙目のお嬢様は、上目遣いで私を見つめます。

お、お嬢様。

密かにゴクリと、つい喉がなったことは内緒でございます。

しかし、日頃お嬢様のつり目の冷たさを知っている身といたしましては、涙目の破壊力は半端ありません。

まさかお嬢様は、私の理性を試そうとしておられるのでしょうか?

これは、あの脳内お花畑王子が陥落したのも頷ける次第でございますか、しかし、これが前に学園長様がおっしゃっていたギャップ萌えっというやつでございますね。


そんなしみじみと感心しながら、久々にお嬢様の小悪魔成長ぶりに私はつい涙が溢れてまいりました。



「ちょっ、なぜ泣いてるのよ。意味がわからないわ!!なんなの?」


そして、つい目頭をハンカチで押さえてしまった私にお嬢様は慌てますが、この気持ちをお伝えしてしまうと最悪お嬢様から給金の値下げの打診が公爵様へあるかもしれませんので、私は、この気持ちは封印し、お嬢様をスルッと無視して話を続けることにしました。


「とにかく話をつづけますよ。」

「・・・グズ。わ、わかったわ。私も女です。1人で寝ないとわかった今怖いものはありません。」

なぜそのような覚悟が必要なのか私にはわかりませんが、私は続きを話します。


「さて、部屋に入ってみると、そこには、一際暗闇を照らすように光り輝くものがありました。」

「え、ええ、わかってるわ。」

「え?わかってらっしゃるんですか?」

「ええ。」









『火の玉でしょ』

『テレビでございます。』





それは、同時でございました。



「え?テレビ?」

「お嬢様。なぜここに火の玉が出てくるのでございましょう?」

「え?だって、暗闇に光るものって言ったら火の玉でしょ?」


そんな意味のわからないことをおっしゃるお嬢様に私は、ペシャリと言いきりました。

「いえ、お嬢様。なにを言っておられるんですか?なぜいきなり室内で火の玉が出るのですか?さすがの私でも無駄に室内に火の玉を浮かべる技術をもっておりませんよ。」


「え?・・・それは、わかってるわよ。・・・火属性を持ってる私でも無理よ。って言われてみれば怪談話じゃないっていってたわね。・・うぅ・・・私の勘違いだったわ・・・話を続けてちょうだい。」

何故かブツブツと、呟きながら顔を真っ赤にしたお嬢様は、恥ずかしそうに話を促されました。


「そうですか?では。そして、暗闇に光るテレビに惹きつけられるように私は、見つめました。」


◇◇◇

私は部屋にゆっくりと警戒しながらも足を踏み入れるとテレビに映っていたものそれは、とある番組でございました。


明るい部屋に2人の男女。


「さーて。今日の商品はこちら。」

そういって、画面横から出てきた物は・・・


「いやーなにかしら?これって・・・」




私は一瞬にしてそのものに目が釘付けになり出てきたものを追うように私は見つめるとつい呟いていました。

「あれは・・・」







『ちょっとまって』



◇◇◇


「お嬢様。あれほど回想には入らないでくださいと申し上げたのに」

「うっ、ごめんなさい。でも言わなければ流されてしまうでしょう。」

「はぁ、全くお嬢様は我儘さんでございますね」

「ほんとその言い草は、不本意極まりないけど、今回は見逃してあげるわ。とりあえず言わせてもらうわ」



「はぁ?なんでしょう。お嬢様。」


「もしかして、テレビであっていたものってそれ通販番組かしら?」


「お嬢様。よくお分かりになりましたね。」


「あたりまえでしょ」

踏ん反り返るように言われるお嬢様に私はかのマリアンヌ様を思い出しましたがやっぱり胸の大きさというものは、皆様が思われているより残酷でございました。私は自分の胸を見つめ暗部のお姉さんにもらったクリームを塗らなくてはと決意を新たにお嬢様向き合い質問いたしました。


「しかし、日頃。テレビも見る暇もないほど忙しいお嬢様が、何故通販番組をご存知なんでしょうか?」

「え?」


「もしや、お嬢様。通販だとクレジット払いで公爵家に領収書が回されると知って通販限定フォンティンシュのケーキを頼まれませんでしたか?」


「な、なにをいっているの!そんなわけないじゃない。」

ふっ、お嬢様もまだまだでございます。


「じゃあ、今日届きましたケーキは、手違いということでよろしいんですね。」


「え?もう届いたの?届くのは明日と。はっ!!」



「お嬢様。まだ届いておりませんが、この事は、公爵様に報告させていただきます。」

お嬢様が私を出し抜ける日は、まだ遠くございました。

「うぅ。ちょっと、出来心だったのよ。」


「お嬢様。今月は一個減らしましょうね。」

「わかったわ。減らします。」


さて、反省なさったお嬢様に私は言わねばなりません。

「では、お嬢様。余ったその一万円は私が預からせて頂きましょう」


私はついづいっと近寄ると手を前に出してしまいました。しかし、さすがお嬢様。

「・・・いえ。私からお父様にお渡ししますわ!!」



「ちっ!」

つい舌打ちしてしまった事は仕方ない事であります。


「・・・ゴホン。そうでございますか。では、お嬢様話を続けさせていただきます。」


はぁ、一万円もらい損なってしまいました。残念でなりません。はぁ、まったく今日は久しぶりの反省会です。


「ええ。・・・危なく渡してしまうところだったわ。ほんと油断も隙もないんだから。」



何やら呟くお嬢様に私は意識を戻します。


「お嬢様。聞いておられますか?」

「ええ。きいてるわ」



◇◇◇

さて。では、話を続けます。

そして、出てきたのが・・・


「そう今回はこの壺なんです。」



そう、壺でございました。


「壺なんて、今時どこでも売ってあってわざわざここでなんて買わないわよ。」

そうそっぽを向くようにいう女の子に男の人は語りかけます。


「そう思うでしょう。サーシャちゃん」


「え?なんか違うの?」


「ふふふ。そうなんです。こちらの壺は、なんとあの有名な神殿の神業エンチャンター。ライザー氏が直々に幸運のエンチャントを施した。幸運の壺なんです。」


「えー!!あのライザーさんの作品なんですか?」


『ま、まさかあのライザー氏の!!』つい私はテレビに向かって叫んでしまうほどでした。ですが番組は続きます。


『まって、ちょっといいかしら』

◇◇◇


「はぁ、お嬢様「わ、わかってるはお小言はあとからまとめて聞きます。」


「仕方ありません。なんでしょう。お嬢様」


「ライザーさんって誰よ。」


「お嬢様。ライザーさんを知らないんですか?あの有名なエンチャンターですよ。」


「エンチャンターって職業あったかしら?ってそこはいいとして、そんなに有名な方なの?」


「ええ、そのエンチャントの効果は、すごく。過去のあの大魔法時代のエンチャント効果にも引けを取らないんじゃないかと言うくらいの付与効果があるそうでございます。」

「そ、そうなのね。」


「はい。ほかにも、もちろん色々と逸話はありますが聞かれますか?」

「い、いえいいのよ。話を折ってごめんなさい。続けて」


「そうでございますか?では」




◇◇◇




「そうなんです。知らない方もいるかもしれませんが、エンチャントをつけさせたら右に出るものはいない。あのライザー氏の幸運の壺が今回の商品になります。」


「うわぁー。一気にすっごくほしくなっちゃった。」


『お嬢様。しかしほんとによろしいのですか?』

『いいから、話をつづけなさい。』

『はい。』

※ここからは、テレビにむかって喋る侍女の会話は『』になります。




「そうでしょう。サーシャちゃん。この壺もちろん。普通の壺としての使用もできますが、花瓶としても遜色ない見た目の華やかさ。そして、置いとくだけで幸福を運んでくれるといわれるエンチャントまでついて、な、なんと特別価格の一万円。」



「えー!!一万円!!安い。・・・でもなぁ。一万円ってそんな壺にポンと出せないし、もちろん。もう少し安くなるんでしょ?」


「うわぁ。サーシャちゃん。ライザー氏の幸運の壺なんだよ。これも値切っちゃうの?」


「当たり前でしょ。視聴さんの為だもの。ゾイさんに嫌われても私は値切っちゃうわ。」


「そんな。サーシャちゃんを嫌いになるわけないじゃないか。しょうがない。そんなサーシャちゃんの為に。私も勉強させていただきましょう。」


「じゃあ、もしかして。」

電卓をパンパンと叩いていくゾイさんを見守るサーシャちゃん。


「んー。しょうがない。3割引の七千円で」



『3割引き・・・なんと!!』


「もう一声。」


『もう一声・・・』


「まだ値切っちゃうの?」

そう言いながらも、また電卓をパンパンと叩いていくゾイさん。それを見守るサーシャちゃん。


そして、そういう私もついその電卓をみつめておりました。


「はぁ、しかたないなぁ。じゃあ、もう赤字覚悟の半額の五千円でどうだ!!これ以上はまけられないよ。」



『ええ!!なんと半額まで・・・』

そう私は驚愕でついテレビについかじりつきました。


「しょうがないなぁ。じゃあ。それでいいけど、ライザーさんの幸運の壺とか掃除とかってどうすればいいの?」


「そこは、サーシャちゃん。こちらにあるこのクロスを使うとすべすべのツヤツヤ。ほらこの通り!!」


「うわぁ。すごい!!ゾイさんツヤツヤだわ!!私の肌にも使えるかなぁ?」

「それは、サーシャちゃん無理なんじゃないかなぁ」


「そっかぁ、残念。でもじゃあ、これも壺と一緒につけてくれるんでしょ。」

「いやいや。それつけちゃうと、大変なことになっちゃうよ。」

「ゾイさん。ダメよ。ケチっちゃ。サーシャ嫌いになっちゃう」

「はぁ、もうサーシャちゃんには、まけたよ。じゃあ、今回は壺を掃除する為のお掃除用クロスと壺磨きようワックスもつけちゃう。」


「本当?!さすがゾイさん太っ腹。」


『いやいや、サーシャ様の手腕でございます。』


「でも、先着100人に限定させていただきます。」

「まあ、仕方ないよね。」

「じゃあ、電話番号は・・・」


私はテレビにかじりつくようにその光景から目が離せませんでした。

そして、私はすぐさま。受話器を取ると電話をかけました。


「幸運の壺。一個お願いします。」と



◇◇◇


「話の流れからなんとなくわかってたけと、頼んだのね。」

「はい。あの深夜の誘惑には勝てませんでした。」


「だけど、それ以前に服とか腕輪とかに幸運のエンチャントをつけることはあるけど壺につけてなんの意味があるの?」


「え?」


「だって持ち歩けないし。幸運のエンチャントは身につけてないと意味がないでしょ?」


「は!!お嬢様。私としたことが、あの深夜のよくわからないテンションで買ってしまうなど、どうしましょう。殴り込みに行きましょうか?」


「まちなさい。とりあえず通販ならクリーニングオフしてきなさい!!」


「お嬢様。いくらただの壺だったとはいえ。これでも少しの時間でしたが愛を囁いた仲でございます。

壺にも幸せになって欲しいと願う私の心をご理解ください。」


「貴方ね。詐欺に対してあれだけ怒っておいて壺に対しての寛容さがよくわからないわ。というか。よく見たら貴方の部屋・・・。あの箱はなんなの?」


「お嬢様。「わかってるわ。いくらなの?」」


「仕方ありません。ここは、お嬢様と私の仲にございます。スペシャルスーパーゴー☆ジャスな特別お嬢様割りといたしまして1000円のところを300円。300円とお安く販売しております。」


「・・・ゴー☆ジャス・・・ごほん。とにかく、はい。300円。」


「お嬢様。毎度ありがとうございます。では。」


◇◇◇


「さて、次はこちらの商品。」


「なになに。」


◇◇◇


「ちょっとまって」

いきなり、また止めるお嬢様に私は半目で見ながら尋ねます。


「まったく。なんでしょう。お嬢様。」


「もしかして、また通販なの?」


「もしかしなくても、お嬢様。通販でございます。」

「・・・貴方ね。」

しかし、呆れたように見つめるお嬢様に私は言わせていただきます。

「お嬢様。しかし!!しかし、とりあえず聞いてください。」

「わ、わかったわ。お金も払ったし、最後まで聞かせてもらうわ。」

いきなりの勢いに押されたお嬢様は続きを聞く体制に入られました。お嬢様は押しに弱いのでございます。


「では、お話を続けさせていただきます。」


「え、ええ、お願い。」



◇◇◇


「さて、次はこちらの商品。」


「なになに。」


「次はこのお掃除のお供。オレンジパワーだよ。」


「あー。それ私持ってる。」


「そうなの?」


「そうなの。すっごいんだよ」


「じゃあ、サーシャちゃん愛用してる。この洗剤『オレンジパワー』の効果を今からご紹介しちゃうよ。」


「わー。気になる。」


「ではでは、こちらに用意した頑固な油汚れがついた換気扇。」


「うわぁ。べたべただね。」




「それが、なんとこのオレンジパワーをタオルにひと吹きそしてそのまま拭くと・・・」


シュ!サッ!キュ!



「あら不思議。拭いたとこだけ真っ白に。」


「わぉ。すっごい。キュッキュッいってる。ねぇねぇ。ゾイさん」


「ん?なんだい。サーシャちゃん」


「これ私にもできるかしら?」


「もちろん。誰がやっても綺麗に落ちるよ。やってみるかい?」


「やってみる。・・・どれどれ。」


シュッ!フキフキ!ピカッ!!


「ゾイさん!!すっごく綺麗になっちゃった。」


「そうでしょ。それにそれだけじゃないんです。・・・こちらに別に用意したしつこい油まみれのこの換気扇」


◇◇◇




「ねえ。」

またお嬢様は、もはや怒る気力もございませんが、私は尋ねます。

「なんでしょう。お嬢様。」



「また換気扇なの?」

私はその質問に一瞬キョトンとした後。

「ええ。私も思いましたが、油ヨゴレで思いつくものが私も換気扇しか思いつきませんでしたのでまあ、いいかと突っ込みませんでした。」


「そうなのかしら?まあ、私は洗い物はしたことないからわからないけど、そんなにしつこいものなの?」

首をかしげながら聞かれるお嬢様に私は説明します。

「そうでございます。まさに非販売の商品を売らなかった時のアンドリュー様並みのしつこさでございます。」


そうつい口が滑った私は、ついにお嬢様からの冷たいあの誰もが凍り付く目を向けられることになったのであります。

「・・・貴方とは、後からその話について話し合いましょう」


しかし、私も諦めきれません希望をもってお尋ねします。

「油汚れについてでしょうか?」


しかし、希望はあっけなく砕け落ちました。

「いえ。もちろんアンドリュー様についてです。」


しかし、私はここで最終手段に出ました。

「わかりました。では、もう話の続きにもどっても?」


話をそのまま流してアンドリュー様を忘れさせてしまおうと・・・。


「ええ、続きをお願い。」


そして、そんな策略を知らないお嬢様は、了承されました。

◇◇◇◇


さて。そしてまた実演が始まったのでございます。



「では。こちらに別に用意したしつこい油まみれのこの換気扇を約1時間オレンジパワーの薄めた溶液につけた映像を見頂きましょう。もちろん。早送りでね。」

「うわぁ。すごっい。」

サーシャさんが驚くのも無理ないほどポロポロと剥がれるように汚れが落ちていきます。


「そうでしょう。では、こちらを引き上げてみましょう。・・・ほらこの通り。磨かなくても1時間もしないうちにピッカピカです。」



「ほんとだ。」


「そうあとは、軽く水洗い。サーシャちゃんお願いします。」



「はーい。えい。『ウォター。』」

サーシャちゃんの手から出される水ですぐに洗剤とついていただけの汚れが落ちていきます。


「さあ、見てください!サーシャちゃんの威力の低い水魔法でも完璧に洗い流せます。」


「ゾイさん」

「冗談だよ。サーシャちゃん」

「全くゾイさんは!!」

「さて、時間のない貴方でも、つけおき洗いもできる優れもの。ほかにもコンロ周り、汚れた床もちろん流しにも使えます。」




「きゃー。なんか台所が綺麗だと美味しい料理が作れそう。」


「だろー。これでサーシャちゃんの手料理をいつでも衛生的にも美味しくたべれるよ。」


「わぁ。ゾイさんそんな商品だから高いんでしょう?」


「そんなことないよ。このオレンジパワーなんと二千円なんだよ。」


「安い。でも、ゾイさんいくらなんでも一本じゃないんでしょう?」


「もちろん。3本の替えと今回は特別に専用布巾はまでつけるよ。」


「布巾は1枚だけ?すぐ汚れちゃうよ」


「しょうがない。サーシャちゃんの頼みだこれも3枚つけちゃお。」


「ついでに?」


「ついでにかい?もー。サーシャちゃんには、かなわないなぁ。専用スポンジもつけちゃおう。」


「さすがゾイさん。太っ腹。」



「じゃあ、この商品が欲しい方はこちらの番号をプッシュ・・・」



私はすぐさま受話器をとると


「オレンジパワーを1セットお願いします。」


そう言ってしまったのでございます。



◇◇◇

「貴方。学習能力がないわ。」


「お嬢様。返す言葉がありません。ですが後悔はありません。それにゾイさんのセールストークもさる事ながらサーシャちゃんのあの値引きの手腕には、最早私は脱帽でございます。」


「あなた通販で一体どこを見てるのよ。」




しかし、そんな呆れながら見ておられたお嬢様は、後日私と一緒にオレンジパワーの威力を試した結果。


『凄いわ!これピカピカになるのね。』と、効果をはしゃぎながら試され、ついでとばかりにお嬢様にちゃっかりお掃除を手伝わせ最終的には全部お嬢様に任せたことは公爵様には内緒でございます。



そして、ついこれに気を良くした私は、深夜。


『ではこちらの商品の「あなたなにをみてるの?」』

いきなり現れたお嬢様は私を見つめ、しばらくすると睨みつけ言われました。


「は?!お嬢様。いつの間に。」


「は?!っじゃないわよ。受話器をまず今すぐ置きなさい。」


しかし私は受話器を握りしめ叫びます。


「しかし、お嬢様。数に限りがあるのでございます。」


「もういい。黙りなさい!!」


こうして、私とお嬢様の通販攻防が夜中に繰り広げられたのでございます。




◇◇◇


「ねえ。」


「なんでございましょう。お嬢様」


「なんでいきなり夜中にテレビがついたのかしら?」


「そういえば、何故でございましょうか?」


そう、私がふと考えに浸っているといきなり冷たい風がどこからか駆け抜けた気がしました。




ーゾクーー



「ひっ!!・・・考えちゃダメ。寝ないと。寝ないと。寝ないと。・・・ブツブツ・・・」



この後のお嬢様は、夜中までブツブツと呟かれ私が『スリープ』の魔法を子守唄で誤魔化しながらかけるまで必死に私にしがみついておられました。


一体お嬢様はどうしたのでしょうか?



『キャハハ』



因みに学園の七不思議に『夜中に勝手につく。学生寮のテレビ』という噂があることを私が知ったのは凄く後になってからでした。

皆様。感想誤字指摘ありがとうございます。

毎度。「ピコピコ」⇦ゲーム音。「ん?は!!Σ(・□・;)小説かいてねぇ」っとなりながら読ませていただいております。

え?ゲームしてんじゃないのか?

いえいえ。私は仕事の休憩中も「ピコピコ」そう。ピコピコと遊・・・小説を書いております。

決して、皆様の感想とゲームイベントの狭間に揺れ動いては、おりません。

頑張って書き上げた次第にございます。


皆様の感想。喜んで読んでおります。

がんばって、ネタが尽きるまでもうちょっとお付き合いください。

ついでにこの話面白かったならよかったです。


そして、皆様気付いてらっしゃる方もいらっしゃると思いますが、つ、ついに10話まで行きました。パチパチパチパチ。

1話一話完結にしており中々長いので10話までが長かった。笑

『10話ぐらいは書きます。』っといった自分にバカじゃないかお前っと突っ込んだ事は遠い昔にございます。笑


しかし、まだまだかきます。笑

よければブックマークして、ついでに評価もお願いします。笑


そして、のんびりな作者に評価と感想いうやる気をくださった皆様。ありがとうございます。まだまだがんばります。では、また

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