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プロローグ

青年は今日とて堕落し続ける。


 


 スマホの通知がピコンと音を立てる。画面を見ると、そこには『あかり』と平仮名で書かれた名前が映っていた。

 まぁ、俺に送ってくれるのはコイツくらいだよな。

 とりあえずその名前をタップすると、俺は内容を確認せずにこう返した。


『うるせぇ、めんどいからやめろ』


 そのままアプリを閉じると、なおも通知が来るので、マナーモードにしたうえでおやすみモードにした。これで少なくとも通知音は来ないだろう。

 そんな日々がいつまで続いただろうか。一年以上は続いていたかもしれない。 まぁ適当な換算だ。だがそれはある日を境にピタリと通知は止んだ。

 やれやれ、ようやく見捨てられたか。しつこいストーカーだったこと。



 ある日ふと、その事を思い出していた。さらには両親の事も頭をよぎる。


 俺は一体いつまでこんな生活を続けるつもりなんだ? 両親には良くしてもらっていた。かつての俺は誓ったはずだろう? 親孝行するからって言ってたよな。それが今じゃどうだ。二度の大学受験に失敗したとはいえ、それだけで何故ここまで堕ちた? 唯一無二の親友と言ってもいい奴からも見限られ、たぶん両親も諦めてしまっている。でもこれだけじゃ終わりじゃないだろう。俺はこの先もっと、もっとその暗いどこかへと堕ちていくのだ。今では後悔もしている、だがどうしようもない。だったら……。



 そしてある日、時計をみやると時刻は四時を示していた。

 それを確認すると、俺の身体はふらふらと家から出ようとする。久しぶりに別の空気でも吸いたい気分になったのだ。あともしかしたらどこからともなく超絶美少女とか登場するかもしれないしね!? よし、なんか外に出ていくだけなのに萌えてきたぞ! 


「しかしまぁ……つくづくクズ人間だな俺」


 誰に聞かせるとでもなく呟くと、思わず苦い笑みがこぼれた。



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