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お手玉

作者: 彩純佐叶

三作目、お手玉です

遠いところに住んでいる祖父母の家に行くのって憧れませんか?

このお話は私の憧れが少しだけ入っています

今日はおばあちゃんがお手玉の作り方を教えてあげる、と言ってくれたから裁縫セットを持っておばあちゃんの家に向かった


おばあちゃんの家はとても深い山の奥に一軒だけぽつん、とある。一緒に暮らそうと言ってもここが好きだからと断られてきた。だから一週間の内三日以上はおばあちゃんの家に入り浸った。おばあちゃんは優しくて可愛くて、でもたまに怖い私の自慢のおばあちゃんだ


「あら、いらっしゃい。暑かったでしょう?ほら、冷やしたタオル」


家に着くとおばあちゃんがタオルを差し出してくれた。嬉しくってニコニコと笑いながら手に持っていたお土産を渡した。これはこの前持ってきた時おばあちゃんが美味しいと言っていた洋菓子の詰め合わせだ。おばあちゃんはまあ!と手を口に当てて楽しそうに笑った。ああ、これ持ってきて良かった


「じゃあおばあちゃんの部屋で待っててね、直ぐに行くから」


そう行っておばあちゃんは奥の部屋に向かって歩いて行ってしまった。…うーん、私も手伝うのに…。いつもなら手伝ってねと言われるのに、どうしたんだろう


おばあちゃんの部屋について、いつもの場所に寝転がって深呼吸をした。おばあちゃんの部屋は線香の匂いと何かの花の匂いがする。少し携帯を弄って待っていると障子が開いておばあちゃんが入ってきた。座り直してどうやって作っているのか見させてもらった


やり方を教えてもらいながら自分でも作ってみると、案外難しくて縫い目が大きくなってしまった。それは上から縫い直して完成した。中に小豆を詰めて口を縛った。柄は私の好きな椿と桜の花弁が舞っている、綺麗だなぁ


「あら、綺麗な形になってるねぇ。…ここは、こう結んだ方が解けにくいのよ」


そう言って自分のお手玉を見せてくれた。やっぱりおばあちゃんは器用だなぁ、私もこれくらい簡単に出来るようになりたい


「じゃあちょっと休憩しましょうか、お茶持ってくるから待っててね」


何個か作っているとそう言っておばあちゃんは部屋から出て行った。集中していたのがぷつっと切れて一気に腕と肩や背中に疲労感が襲ってきた。ぐぐっと背伸びをすると背骨がゴキゴキッといい音を鳴らした。立ってもう一回背伸びをしようと思って立つと目の前が歪んだ、どうやら眩暈のようだ。かなり酷い眩暈でなかなか治らない。身体が左右に揺れて倒れそうになった。…けれど誰かが支えてくれた、そのまま床に座らせてくれて頭を撫でてくれて眩暈が治まるまで横に居てくれたのだ


最初はおばあちゃんだと思ったけれど、おばあちゃんの手はこんなに大きくなくて小さい。こんなにゴツゴツとした手じゃなくて骨張った手だ。だから違う人なのは分かったけれど誰だか分からない、だってこの家にはおばあちゃんと私しか今居ないはずなのに。とりあえずお礼を言おうと思って横を見ると誰もいない、周りを見回しても誰もいない


窓も扉も開いていないから入ることが出来ない、天井も扉が付いていないから入るのは無理だ。…だれ、だろう


「…あら、天狗様がいらっしゃってたのねぇ」


おばあちゃんは帰ってくるなりそう言って部屋の四隅に貼ってあった、外れかけた御札を貼り直した。あんな所に御札なんてあったんだ…


「気に入られたのねぇ。天狗様、貴女を連れていこうとしてたのよ」

閲覧ありがとうございます!

お手玉を実際に作っていた時にこのお話を思い浮かんだんです、楽しかった!


さて、内容ですけれど…天狗様は祖母を気に入っていたけれどもう家族が出来ていたから孫を貰おうとか思ってて、丁度良いところに来たから連れて行っちゃおう!と思って眩暈起こしたけれど御札の効果のおかげで邪魔されちゃった


というのが最初に書いてたお話です。でも最後が上手く決まらなくて全部書き直しました…


楽しかったけれども…

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