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神の悪戯  作者: 山本正純
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 その頃衆議院議員会館の一室で田中ナズナ衆議院議員は秘書との打ち合わせを行っていた。

「明日の午後3時松本彩夏衆議院議員の豪邸でお茶会が催されます」

 秘書の男が予定を読み上げると、田中ナズナはあることを思い出す。

「そういえばその松本彩夏議員の豪邸で何かがあったようなことを聞いたけれど。そちらは大丈夫ですか」

「それは風のうわさですよ。豪邸内で何かが起こっているというような情報は一切入っていません」

「そうですか」

 この会話の内容をハニエルとサラフィエルは衆議院議員会館前で路上駐車した車の中で盗聴している。

「情報通りやな」

 運転席に座っているハニエルは携帯電話を取り出し、ラグエルに電話する。

「ハニエルです。ガブリエルさんは情報通り動き出すようです」

『分かりました。それではもう少し盗聴してください』


 それから警察官たちは遺体遺棄現場周辺の聞き込み捜査を手当たり次第に行った。だが有力な手掛かりは得られなかった。

 捜査に進展があったのは午後1時のことだった。所轄の刑事たちと共に遺体遺棄現場周辺の聞き込み捜査を行っていた合田の元に電話がかかってきた。その電話の相手は北条だった。

『合田警部。防犯カメラの映像を解析しました。車両ナンバーがきっちり映っていましたよ。自動車の所有者は櫟井連さん。前科はありませんが、免許証の写真があります』

「コンビニの防犯カメラの映像と櫟井の顔は一致したのか」

『いいえ。一致しませんでした。おそらくタバコを買ったのは、櫟井の相棒でしょう。それと櫟井の自動車をNシステムで追跡したところ、櫟井はある豪邸に戻っていることが分かりました』

「その豪邸というのはどこだ」

『松本元総理大臣。彼の自宅です。現在は二世議員の松本叶が住んでいます。松本元総理は海外に移住していると聞いたことがあります』

「政界が絡んでいる可能性もあるが、櫟井と岡野の接点を調べる必要があるな」

『そうですね』

「貴重な情報をありがとう」

 合田は電話を切り、彼は松本叶が暮らしている豪邸に向かう。


 午後2時。合田は松本叶が暮らす豪邸の門扉の前に立っていた。鋼鉄製の門扉は5メートルほどの高さがある。

「警視庁捜査一課の合田だ。櫟井連さんに会いたい」

『分かりました。少々お待ちください』

 インターフォンからは男の声が流れる。間もなくして門扉が自動的に開いた。

『真っすぐ進んでください。2キロ先にある洋館に櫟井さんがいます。館の敷地内にも駐車場がありますので、体力に自信がないのなら自動車で進んでも構いません。ただし敷地内は徐行運転でお願いします』

 どれだけ広いんだと合田は思った。体力に自信がある合田は洋館まで歩くことにする。

 豪邸へと続く一本道は長い。道の両端には森林が広がっている。その景色は豪邸に到着するまで変わらない。

 その道のりが4キロくらいに感じた合田の目の前に巨大な洋館が見えた。広さは東京ドーム4個分くらいだろう。

 その豪邸の玄関の前で一人のスーツを着た黒ぶち眼鏡の男が立っている。男の身長は170センチ。髪型は七三わけ。

 その男が合田の存在に気がつくと、合田の前に歩み寄り自己紹介した。

「僕はこの館で執事をしています、野々原祐樹と申します。警察の方ですよね。お待ちしていました。こちらの玄関からお上がりください」

 野々原は会釈すると、合田を豪邸の中に案内した。豪邸の内装は豪華だった。玄関には黄金のシャンデリア。廊下には絵画が飾られている。

 合田が洋館の内装に見とれていると、野々原は一階にあるダイニングルームに案内した


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