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神の悪戯  作者: 山本正純
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 捜査会議が終わり、合田たちは捜査一課三係に集まり、ミーティングをしていた。

「まずは19年前の殺人事件を振り返る。19年前岡野は当時大学生で恋人だった白石未来を殺害した。白石の死因は転落死。白石未来は父子家庭で唯一の被害者遺族である白石の父親は懲役18年という判決に納得していた」

「犯人は白石だ。白石は娘を殺した岡野が許せなかった。出所した岡野は被害者遺族の元に謝りに行って、白石に殺された。一応これなら筋が通っている」

 神津の推理を聞き合田は唸った。

「確かにそうかもしれないが、証拠がない。木原と神津は岡野の足取り捜査。大野と沖矢は白石の行方を追ってくれ。俺は死体遺棄現場周辺の聞き込みを行う」


 その頃レミエルが運転するポルシェ・ボクスターがエリザベスマンションの前で路上駐車した。

 レミエルは運転席から、そのマンションを見る。

「このマンションか。あいつの根城は」

「はい。間違いありません。一度このマンションを訪れた時、偶然このマンションのエレベーター内で彼女と再会しました」

「偶然というのは嘘だろう」

「嘘です。大野達郎警部補ですか。彼がラジエルを保護しているという情報は既に入手済みです。だからすぐに分かりました。サマエルの能力を使えば、一瞬で住所まで特定できます。そしてあの方は一人暮らしのハニエルに頼んで潜入捜査をさせているそうです。潜入捜査とは言っても、あのマンションで暮らすだけの仕事みたいですが」

「噂で聞いたが、お前はハニエルの仕事を妨害したそうじゃないか。お前はハニエルより先に彼女と接触しただろう」

「仕方ないでしょう。あれはプライベートで訪れて偶然再会したに過ぎません。恨むなら私の友達にしてください。ここからが質問です。もしこの偶然が原因で作戦が失敗したとしたら、その原因を作った私の友達は組織の暗殺対象になりますか」

「そもそも前提が間違っている。お前はその友達を組織の活動に巻き込みたくないと思っている。組織によって暗殺されそうになっている友達を助ける。それが組織にとっての不穏因子になったとしても。だから暗殺対象者になっても、ならなくてもお前は友達を助ける。それが答えだ」

「なるほど。その答えはあなたも同じですよね。あなたは婚約者を組織の活動に巻き込みたくないと考えている。違いますか」

 そのウリエルの質問を聞き、レミエルは顔を赤くした。

「そうだな。俺はあいつを守りたいと思っている。だから俺とお前は似た者同士ということだな」

 レミエルが笑っていると、ウリエルはスマホを取り出し、時間を確認した。

「そろそろ時間です。行きましょうか」

「了解」


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