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神の悪戯  作者: 山本正純
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 2月4日。午前7時。東都西公園でその遺体は発見された。現場となった東都西公園に二台の覆面パトカーが停まり、捜査一課3係のメンバーが臨場した。

 彼らが到着すると、先に到着していた北条が現場の状況を合田たちに説明する。

「亡くなったのは岡野友則さん。59歳。派遣会社員です。遺体を発見したのは公園の管理人で、遺体は埋められていました」

「岡野か」

 合田は呟き遺体の顔を確認する。その顔は合田にとって見覚えがある顔だった。

「間違いない。岡野だ。19年前の殺人事件の被疑者で、俺が初めて関わった殺人事件の被疑者。まさか出所していたのか」

「ということは19年前の殺人事件の被害者遺族が岡野を殺したということですか」

 大野からの質問に合田は首を横に振る。

「それはない。岡野は懲役18年。妥当な判決だ。それで被害者遺族が復讐殺人を企てるとは思えない」

「死因は転落死。死後硬直から死後6時間程経過しています。遺体の状況から、犯人は岡野を突き落とした後でこの東都西公園に遺体を遺棄したのでしょう」


 北条の推測を聞き合田は部下に指示する。

「これから二つの班に分かれて捜査を開始する。一班は近隣住民に午前1時頃不審な人物を目撃していないのかを聞き込み。二班は現場に犯人に繋がる遺留品を捜索する。俺と北条は公園の防犯カメラの映像を確認する」


 東都西公園から1キロ離れた位置でハニエルが運転する自動車が路上駐車した。ハザードランプが点滅している中で助手席に座っているサラフィエルはラグエルに電話する。

「サラフィエルや。もうすぐ東都西公園に到着するんやけど、どうすればいいんや」

『警察が集まっています。ここは撤退してください』

「分かったわ。ほんでこの仕事を主導するんはアズラエルはんなんやろ」

『違います。彼は今回の仕事に関与していません。刑務所を出所した男が殺されたのです。それどころではないでしょう』

「ちゅうことはこの仕事を主導するんはあんたちゅうことやな。ラグエル。アズラエルが泣くで。アズラエルの方が階級上やろ」

『仕方ないでしょう。僕はあの方の特命を遂行しているにすぎません』

「それやとアズラエルとあの方が不仲みたいやん」

『そんなことはないと思いますが』

「この仕事が終わったら会いたいんやけど。聞きたいこともあるし」

『構いません』

 サラフィエルは電話を切りハニエルに行き先を伝える。

「撤退や」

「分かりました」

 路上に駐車したハニエルが運転する自動車のハザードランプが消え、車は動き出した。


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