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神の悪戯  作者: 山本正純
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 その夜サラフィエルはラグエルと共に、イタリアンレストランディーノでディナーをした。

「それで聞きたかったことというのは何ですか」

「ラジエルのことや。あのハロウィンの夜、なぜあの指示を出したのかを教えてくれへんか。あんたはあの夜ヘリを飛ばすよう指示したやろ。その指示はラジエルを追い詰めるための奴やろ。あんたはラジエルがヘリに乗れへんことを知っとった。あのヘリを見たからラジエルは大野ちゅう刑事に負けたんとちゃうんか。そうやないと、ラジエルがただの警察官に負けるはずがないやん」

「何が言いたいのですか。僕がラジエルを殺すために罠を仕掛けたとでも言いたいのですか。それは違います。大野警部補がラジエルを守る騎士としてふさわしいと思ったから、罠を仕掛けたのです」

「ほんなら神の悪戯を企てたのもあんたか」

「何のことですか」

「とぼけるなや。あんたがあの雑誌を持ってきたから暗躍したんやろ。あんたがやったことはお見通しやねん」

「神の悪戯のことですか。僕はあの娘に似ている女性と接触して、毛髪を入手し、サマエルに鑑定を依頼しただけですが」

「ちゃうやろ。あんたは俺たちにガブリエルが松本彩夏の豪邸を訪問するんを妨害しろと命令したやん。せやからレミエルはノリノリで狙撃の準備をしたんや。なんでこんなことをしたん」

「まだ早いからです。神の悪戯。それが意味することは、3人の人物が1つの街に集まることです。その3人は皮肉にも全員記憶喪失になっている。3人が交錯すれば、記憶も戻りやすくなるでしょう。それがやっかいなんですよ。急速に記憶が戻るようなハプニングが発生すれば、記憶喪失者は錯乱する。今回の殺人のように。殺人が起これば支障が出る。だから僕はあの娘を保護することにしたのです。彼女が逮捕されれば、真実が遠ざかるから。これであなたとアズラエルとサマエルだけになりましたね。東日本で活動しているコードネーム持ちのメンバーの中で、組織の活動に巻き込みたくない人間がいないのは」

「そんな足枷。必要ないやろ。そんな奴らがおったらテロ活動に支障が出るやん。万が一そいつらが自分たちのテロに巻き込まれて亡くなったら、精神的なダメージを負うことになるやろ」

「正論ですね。巻き込みたくない人間がいるから強くなれるんですよ」

「ほんであんたと日向沙織ちゅう女の関係は何や。レミエルが巻き込みたくないんは婚約者。ウリエルが巻き込みたくないんは親友。ハニエルが巻き込みたくないんは、初恋の人やったかな」

「大切な人とだけ言っておきましょう」


緊急告知


混沌とした世界の中でシリーズ。3年目突入。


退屈な天使たちに縁がある人々が劇場型犯罪に巻き込まれる社会派サスペンス。


シリーズ第15弾 「救世主」


4月12日 連載開始。


そして5月。世界観を一新した新シリーズ始動。速報を待て。

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