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神の悪戯  作者: 山本正純
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 もう少しで事件解決という所に、千間刑事部長が捜査一課3係を訪問し、あることを伝える。

「捜査中止だ。松本叶が圧力をかけてきた。これ以上捜査が続けば政界にとって厄介な真実が浮き彫りになるということだろう。松本叶との接触は困難になるな」

「指紋の入手も困難ということか」

「そうなるな。松本叶は警察による証拠の提出を拒んでいるらしい」

 合田たちはそれでも松本叶の指紋を探す。合田たちが訪れたのは法務省。井伊尚政法務大臣と合田はコンタクトをとる。

「単刀直入に聞く。松本叶の指紋が付着した写真か何かを持っていないか」

「松本叶が殺人を犯したということか。それなら名刺がある。彼女が二世議員として法務省を訪問した時にもらった名刺だ。君には世話になっているから、提出しよう。それと名刺を提出したのは俺だということは秘密にしてくれ。敵に塩を送ったのが俺だとバレたら、今後に支障が出るからな」


 合田は松本叶の指紋が付着した名刺を受け取る。井伊法務大臣に感謝の意を示すと、合田は急いで警視庁に戻った。

 北条にその名刺を提出すると、その結果はすぐに分かった。その結果は合田たちを新たなる謎に導いた。

「一致しません。どうやら第三の指紋は松本叶さんではなかったということですね」

 捜査は新たなる謎を残し、振り出しに戻った。真犯人が誰なのかが分からず、時間は午後6時になった。


 午後6時30分。大野が自宅であるエリザベスマンションに帰ってくると、西村桜子がリビングでファッション雑誌を読んでいた。

「ただいま」

「おかえりなさい」

 あいさつが交わされると、大野は西村桜子が読んでいるファッション雑誌の表紙を見る。その雑誌は今日西村桜子が書店で買ってきたものだろう。

「そもそもなぜ岡野はあの豪邸を訪れたのか。その理由が分かりません」

 大野が独り言のように呟くと、西村桜子はファッション雑誌のあるページを大野に見せた。

「この服。かわいいよね。今度買いにいかない」

 大野はその雑誌に映っているモデルの写真を凝視する。そこに映っていたのは、日向沙織だった。渋谷で撮影されたものだろう。

「この写真に映っているのはプロのモデルさんですか」

「違うみたいだよ。渋谷で流行っている衣服を着用している一般人を記者が撮影しているみたいだから。確か読者モデルという奴らしいよ」


 この西村桜子の言葉を聞き大野の脳内でいくつもの言葉が浮かぶ。

 39年前に捨てた子供。訪問の理由。雑誌。所持していた新聞記事。罪。第三の指紋。真犯人。

 全ての謎が1つに繋がったと大野は感じた。そして大野は携帯電話を取り出し、合田に電話する。

「大野です。真犯人が分かりました」


 丁度その頃野々原はサマエルに電話していた。

『サンプルは見事に一致した。ウリエルたちの仕事も終わったそうだ』

 サマエルの言葉を聞きラグエルは頬を緩ませる。

「そうですか。それでは脱出の準備をしましょうか。ヘリコプターを準備してください」


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