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神の悪戯  作者: 山本正純
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誤字脱字が多かったため、修正しました。ご了承ください。

 午後3時。合田たちは捜査一課に集まり、情報交換を行っていた。用意されたホワイトボードには松本叶の屋敷で暮らす6人の男女の写真が貼られている。

 大野は早速相川と長谷川について報告を開始する。

「相川さんは元刑務官です。被害者の岡野さんとは受刑者として接していたそうです。長谷川さんと被害者の岡野さんは刑務所で、相部屋で暮らしていた仲だそうです」

「つまり岡野は相川か長谷川に会うためにあの豪邸を訪問した可能性が高いということか」

「それと事件とは関係ないかもしれませんが、岡野はある新聞記事を切り抜いて持ち歩いていたそうです。その新聞記事を東都新聞社でコピーさせていただきました」

 大野はその新聞記事をホワイトボードに貼る。その新聞記事は2004年の7月16日の一面だった。


『豪華客船ファンタジア号人質籠城事件。人質10名消息不明』この見出しで始まる新聞記事だ。

「豪華客船ファンタジア号人質籠城事件か。確かテロリストに豪華客船が占拠されて、取り残された10人の人質を救出するために、ヘリコプターが着陸しようとした時に爆発が起こり豪華客船は沈没。実行犯のテロリストたちとともに消息不明となった事件だったな。その取り残された人質の中には春野明と青田純子がいた。彼らは同期の警察官だ。残りの8人は一般人。その新聞記事に名前が掲載されているだろう」

 

 合田が事件の概要を思い出し、彼は新聞記事を指さした。

『この事件で青田純子さん。有安直さん。江口寿々菜さん。江口寿々白さん。佐々木雄二さん。高城真一さん。玉井光一さん。早見結さん。春野明さん。百田徳彦さんと実行犯のテロリストたち。合わせて20名が消息不明となった』

「この事件と今回の殺人事件が関係あるのか」

 神津が疑問を口にすると、合田は眉を顰める。

「それは分からないが、岡野がこの新聞記事を持ち歩いていたのなら、何かあるのかも知れないな」

 するとそこへ、北条が捜査一課にやってきた。

「合田警部。例のレシートから長谷川の指紋が検出されました。それと岡野の上着から3人の指紋が検出されました。一つは岡野自身の物。残りの二つは前科がないため特定できませんでした。因みに長谷川の指紋はズボンから検出されました」

「第三の人物か。その指紋が松本叶の物だとしたら、松本叶の殺人をあの2人は庇っていることになる。現在の状況からは日向沙織、野々原祐樹、松本叶の3人と岡野の接点は不明。今のところ接点が分かっているのは相川龍と長谷川真と櫟井連の3人だ」


 合田の話を聞いていた大野は手を挙げる。

「すみません。もう一つ事件とは関係ないと思うのですが、岡野は刑務所内で39年前に子供を捨てたことを話していたそうです。そのことを悔いていたそうです。自分が犯した殺人と同じくらいに」

「その事実と今回の殺人は関係ない。この殺人の犯人は松本叶だ。上着に付着した第三の指紋の持ち主を特定すれば解決だろう」

 神津の意見に合田たちは同意した。証拠は第三の指紋しかない。その指紋が松本叶の物だとしたら、決定的な証拠になるだろう。


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