かわいいやつ
電線の上で歌う
“やつ”が一、二、三羽
楽しく歌っているよ
“やつ”が三羽歌ってる
米粒地面に散らばせて
ずっとその場所見ていたら
“やつ”が近づき突っついた
ちゅんちゅん言って突っついた
手を出し“やつ”を乗せたなら
頬ずりしたくなってくる
なにも解らぬ“やつ”はまだ
僕の近くで歌ってる
かわいいやつよ永遠に
かわいいやつで居てほしい
かわいいやつよ末永く
かわいく笑っていてほしい
あの日を大分過ぎた日に
再び“やつ”が現れた
一二三羽で歌ってる
夕暮れ並木の陰の家
米粒地面に散らばせて
ずっとその場所見ていたら
“やつ”等はずっとその場所で
楽しそうに歌ってた
僕は笑ってその様を
心行くまで見ていたさ
あの日の愚直な可愛さも
成長したのと納得し
筆と絵の具を手にとって
キャンパスに絵を描きだした
あの日の“やつ”を忘れずに
ずっと覚えて行くために
水差し停まった小さい鳥
水面つついて波を打つ