溶岩湖の魔人の悩み事
初めまして地獄ダンジョン23階層、溶岩魔人です。私は栄光ある偉大な大王様にこの命を捧げるつもりで侵入者の排除や溶岩湖に出来ちゃった岩石の清掃などをしています。そんな私にもいくつか悩みがあるのです。まずは…
「おいあれ見ろよ…」
「同族が…」
このダンジョンは大王様とその下で活動するはずの元老会が相反してからというもの、大王様の反逆者裁判が横暴になった気がします。同族も半分は裁判にかけられ、処刑台に連れていかれました。確かに元老会側につく同族はいますが、我々は一切お互いの派閥を口にしません。関係なく過ごしています。
上の人たちの争いに巻き込まれ、正直遺憾なところはありますが、今は耐えるしかないでしょう。それに、
「やっほー! 元気?」
「これは皇女様。ご機嫌麗しゅうございます」
「いいからいいから! 警備疲れるよー溶岩ベリーある?」
「こちらに」
皇女、ルイ・アルマーノ様。大王様の唯一の実の娘であり、恐らくメイド戦闘部隊を除くと魔人界1お強い御方です。たまに言動から幼さを感じますが、麗しき我らの姫です。今日も、疲れてベリーを食べに来たと言いながら同族の悩みを聞いてくれています。その同族も元老会派閥で、皇女様もご存じですが、分け隔てなく我らの悩みを聞いています。
「またね~」
皇女様はお帰りに、いえ警備に戻られました。メイド長が近くにいらしたので急いで戻られたようです。メイド戦闘部隊は基本100階層の本陣にて王座を守護していたり、処刑された皇子様のお付きやルイ様のお付きで専属がいることもしばしば…
我らが呼ばれるのはごく稀ですが、模擬戦闘で研鑽を積んでいらっしゃいます。同族同士だと、火炎耐性があるので全く訓練になりません。うらやましい限りです。私たちはまだまだ低級なので、処刑以外では魂が下界へ解放されることはありません。数時間したら体が魔素により再生成されます。
おっと、侵入者が来たようですね…行ってきましょうか。




