2-2 迷いと覚悟
不知火結衣は、通学路を歩きながら首筋に残る違和感を拭えずにいた。
誰かに見られている。
そう思うたび、振り返る。
けれど、そこにはいつも通りの風景しかない。
気のせいだ。
そう言い聞かせて、彼女は足を速めた。
「おはよう、結衣ちゃん」
校門まで行くと、友達と出会う。
「おはよう、まゆみちゃん」
挨拶を返して、手を振って、いつもと同じ事をする。
授業では手を挙げて、休み時間は友達と談笑する。
今朝感じた違和感をすっかり忘れて、お昼休みに。
技術科の教室から購買へと歩を進める。
──今日は、りゅうくんのお弁当を作るのに夢中で、
自分の分……すっかり忘れちゃってたな。
でも、ちゃんと食べてくれるだろうか。
朝の彼の顔を思い出すと、少しだけ不安になる。
あれ、りゅうくん……?
購買の列に並んでいる幼馴染、世良龍人の姿が見えた。
結衣は、今朝お昼の分の弁当を渡したはずだと、胸の奥がざわつく。
──もしかして、食べてないのかな。
今朝の態度と、今の光景。
二つが重なって、嫌な考えが浮かんだ。
……私、避けられてる?
もしそうなら、この視線と違和感のこと。
相談しない方がいいよね。
頼ってばかりじゃ、だめだ。
あのときだって、何も出来なかったのに。
迷惑は、かけない。




