4-2
昔から学園生活が面倒くさいと思っていた。
──単位を取る為だ。
そう割り切っていた。
放課後には、プライベートがある。
だから、我慢できていたのに──。
家に帰ると、案の定。
部屋が汚かった。
最近、色々あって掃除が出来ていなかった。
重い腰を上げる。
早速、片付けに入ると色々と余計な事を考えてしまう。
頭の中に一つの疑問が浮かんだ。
突然俺を襲ったバケモノ……アレは偶然だったのか?
でも俺を狙う理由は全く分からないし、恨みとか作った記憶もない。
──ピンポーン。
だったら、やっぱり俺を直接狙った? 何の為に?
──ピンポンピンポーン。
恨みだとして、バケモノは出てこないよな。
──ピピピピピポピポピポピポパポーン!
あー! うっせえな!
誰かがさっきから俺の家のチャイムを連射している。昨日と今日で色んな事があり過ぎて疲れてんだよコッチは!
放課後くらい……てかもう夜なんだから静かにしてくれよ!
「結依──?」
少し腹をたてつつも、切り替えドアを開けると──。
「遅い! 私がチャイムを押したら五秒以内に出ること!」
一瞬、何を言われたのか理解出来なかった。
眼前に、腰に手を当てて、上半身のみ前かがみになっている赤髪の小学生みたいな──。
「あ、赤瀬ノア!?」
制服姿の、赤瀬ノアが居た。
なんで、コイツが。
──ここに!?
「ノアで良いわ。これからしばらくの間、そう呼んで」
家の場所なんか教えていないぞ……てことは特定された!?
おいおいまじか、ここまで来るか普通……。
「てか、トランクって……」
ノアの隣には車輪付きのトランクが鎮座していた。 明らかに高級そうな見た目をしていて、赤と白が入ったお洒落なトランクだ。
何がなんだか分からないまま止まっていると、隙をつかれた。
「な、おい!」
俺の横を駆け抜けたノアは靴を玄関先で脱ぎ散らかし、ステテテと小走りで俺の部屋へと侵入してきた。
俺はそれを止めようと手を伸ばしたが、スルッ。子供並の身長のせいか、屈んでかわされる。
「待て! 勝手に入るな! 部屋のドアを開けるな!」
「うげぇ~。ここまで放置する? 普通」
ノアは俺の話なんかに耳を貸さず、勝手に侵入したかと思えば、勝手に部屋のドアを開けた。
……第一声が酷すぎる。
「今、掃除しようと思っていたところだ!」
結依にも言ったが、ここは男子寮なんだ。
いかにも女物のトランクが男の部屋にあるのを見られた日には、なに言われるか分かったもんじゃない。
「アンタここ、一人部屋なの?」
部屋の様子を窺ったかと思えば、部屋を通り抜けリビングの最奥、ベランダの辺りまで侵入していった。
「ま、いいわ」
なにがいいのか分からんが、クルッ──と半回転。赤い髪を広げ彼女は言う。
「今日から──ここに住むから」
衝撃すぎるその言葉。
俺は──唖然とするしかなかった。




