表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/60

始まる寮生活

 王城に泊まった翌日、入学前に学園長に会いにきた。さすがにルディは用事があって、いない……と、思ってたら学園長室にいた。

 用事とはこのことだったのか……。

「はじめまして、隣国から来ました。ナナシと言います」

メガネをかけ、長い顎髭を蓄えた学園長は優しい笑顔。隣のルディにもお辞儀を、する。

「長旅お疲れ様。ようこそ、我が学園へ。隣はフェルディオ。王太子ではあるが、今期より剣と魔法の指導教師になります」

教師?旅の道中、そんな話なかったけど?

……えぇっと、本題…

「学生寮に今日から入ろうと思います。案内をお願いしてもよろしいですか?」

学園長はうんうん…と頷き了承してくれた。ルディはなにか………。

「…私が案内します」

「フェルディオ殿、女子寮は男性禁止ですよ。まあ、せっかくだから、寮前まで案内しなさい」

えっ…。女性教師を呼ばないの?……なんか気まずい…。


 ルディが先行して歩く。先ほどから何もしゃべらない。私も道を覚えるのに、周囲を確認しながら歩いているし、ルディの雰囲気がヤバい。

「どうして寮なんですか」

「え?」

漸く喋ったと思ったら、どうしてって…。

「隣国から来たので、住む所がないからですよ?」

「……でも……、いいのに」

え?なに?…聞こえなかった。なんて言った?

……あ、ルディの向かう先に建物が見えた。あれが寮かな。

ルディが急に立ち止まり、建物を見ていた私は立ち止まれず、ルディにぶつかった。

「いたぁ」

ルディが振り向き、私の肩をつかんだ。

王城(うち)でいいじゃないですか!」

は?

「いやいやいやいや!ダメですよ!住む理由が無いじゃないですか!」

ルディは俯いている。旅の間はずっといっしょだったから寂しいのかもしれない。

「会えないわけじゃないですし?これから殿下は私の…………」

「……わたしの?」


「『先生』になるんですから!」


「…………はぁ…」

…?ため息……?あれ?

「…そう…ですよね。私、『先生』ですからね」

おお、昨日ぶりの笑顔……

けど……ちょっと暗いような。ルディの不安はなんだろう。先生という立場へのプレッシャー?…私では解決は難しいだろうな。

「寮の管理人がいますので、中は案内してもらってください」

()()……ありがとうございます」

ルディは手を振りながら、学園の方へ戻っていった。



 寮の管理人を探す。入って右には、小窓がある。おそらく管理人の待機する部屋の小窓かな?目の前には階段。呼んでからしばらくして、足音が聞こえた。奥からスラリとして白いブラウスにタイトなスカートを穿いている女性が現れた。

「今年、入学するナナシです。お世話になります」

「ふーん…貴女が噂の…」

噂?まったく有名人ではないですよ?

管理人さんって、スタイルもいいし綺麗。管理人をするくらいだから、それなりの年齢かな。

「まあいいわ、私がこの寮の管理人のジュリよ。よろしく」

おースナックのママさんって感じだぁ。


ジュリさんは寮の説明をしてくれた。

寮は3階まで。食堂があり、食事は時間が決まっている。トイレ、入浴場は共同。掃除は各階ごとで当番制。男性連れ込み禁止。門限あり。庭には狭いが、剣と魔法の訓練場が備えられている。


「で、ナナシちゃんの部屋は1階の端っこ」

ちゃん?…鍵を渡してくれた。この世界に来て、鍵は初めてかも。

「剣を持ってるってことは、貴女。剣なの?」

「今はどちらも使えるのですが、選択は剣にしようと思って…」

「へー…私も剣なのよ。ちょっと貴女の剣見せて」

ジュリさんに鞘ごと渡す。重さや長さを確認している。おもむろに剣を返された。

「とりあえず、部屋行って着替えて。ちょっと相手させてちょうだい」

「は、はい…」

またか…。まぁずっと馬車移動で体動かしてなかったから、ちょうどよかったかも。


 1階西側の1番端の部屋。鍵を開け、入るとちょっとホコリっぽかったので、窓を開ける。部屋はクローゼットとベッド、勉強机。シンプルな造りだが、落ち着く。カバンと剣を置いて、一旦窓を閉めてから着替えた。一通りの着替えは持ってきたが、足らないものはあるだろか……誰かに相談できればいいが……


 着替えてから、寮の出入り口に行くとジュリさんが待っていた。スカートのままでいいのかな?ジュリさんの剣は騎士団でも使われている剣のようだ。私の刀身は細身だから、折れないかな…。

「ついてきて」

案内されたところは、寮の庭にある訓練場。

「ここを使う時は入り口に、使用中の札を下げること」

「はい」

中に入り、ジュリさんは早速構える。私も同じように構えた。

お互い呼吸を合わせ、踏み込み剣を交える。ジュリさんの一撃が重い。受け止めれるが、跳ね除けるのに相当な力がいる。このまま受け続けたら、私の手が保ちそうにない。

「はい、ここまで」

3回くらい交えたあと、終了となった。3回でも、結構な疲労だ。

「剣の選択してないのに、いい動きと力ね。剣を選択したらもっと強くなるわ。その剣、確かに貴女にぴったりよ」

「は、はい。鍛冶の親方が私の動きを見て、作ってくれたんです。刀身は私の希望ですが」

自分の剣を改めて眺める。親方に認められるまで、何度も通い、断らて、鍛錬して、を繰り返していたあの頃を思い出した。

「すごく腕と目がいい親方さんね」

「はい……。…あ、ジュリさんこの街の鍛冶屋を知りませんか?手入れしないといけないし、選択後に、剣が合わなくなったときの為に」

目を細め、笑顔を私に向け、頭に手を乗せてワシワシ撫でられた。

「もちろん、いいわよー。ただし、選択後にもう一度私と手合わせすること」

「はい!もちろんです」

やった!


 訓練場の出入り口から、ドンドンと音がして聞き覚えのある声がした。

「ちょっといいですか?()()()()()?」

あ…ルディだ。どうしたんだろ?

中に入ってきて、チラリと私を見た。

「あらあら、()()()()()()()?」

なんか、怖いぞ〜。なんだ?2人のただならぬ雰囲気…。

「ナナを街に案内しようと思ってね?」

街!あ、そうだ!

「ジュリさん!お願いがあって!着替えの他に足りないものとか、私の荷物を見て、アドバイスをもらえればと…」

「ナナ!ジュリに荷物を見せるな!」

見たことのない形相で私を見てる…

「あらーいいじゃない。見たって」

なんで、見せるなって言ったの?

「だめだ!………ジュリは……男なんだ!」

は?えぇ〜!…だってこんなにスラリ体型なのに…それに…

「スカート穿いてるのに?」

「ジュリの趣味だ」

趣味!?

「髪長くて、スタイルも顔も綺麗ですよ?」

「ふふふ。褒めてもらえるなんて〜努力した甲斐があったわ」

努力の結晶のスタイル…うらやましいっ…

「でも!なんで女子寮の管理人なんですか!?」

「それはね、男が好きな、女になりたい男だからよ。それと…元騎士団」

この世界にも、そんな要素があったんだね……イザベラ…。(それはーネタキャラだよーbyイザベラ)


ちょっと寮生活…楽しくなりそう。

「はぁ……寮の警備にうってつけって、わけだよ」

「なんで、騎士団辞めたんですか?怪我もなさそうなのに」

ジュリさんは、ぐっと堪えた表情で、

「男が好きって言ったら、辞めるハメになったの…」

あ、そうなりますよね。あちらの国の騎士団もほとんど男だったし、貞操の危機と思われたのかも…。

「おかしいと思わないの?」

「思いませんね。愛の形は人の数だけあると思いますし」

「ふふふ。なんか気が楽になっちゃった。あ、荷物は見れないけど、だいたいの必要物品は分かるから、紙に書くわね」

ジュリさん、楽しそうにしながら、寮に戻っていった。


…で、訓練場にはルディと2人きりに…なっちゃった。

「2人きりの時だけでいいから…ね、ナナ」

耳元で囁かないでー

「……ルディ…」

すっごい満足げな顔してる。その顔、反則!

「あら、愛称で呼ばせてるの?殿下」

え!?ジュリさんに聞かれた!は、恥ずかしい〜

油断してた…

「独占欲、強すぎない?誰かに取られたくないなら、早く手を打ちなさいよ」

「わかってる」

私が羞恥心で悶えてるときに、何やら会話が進んでいた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ