*下着店のお姉様*
下着は女の武器と防具!服で見えないけど、身につけるだけで、自信がつく!勇気が持てる!色気が出る!
下着とは…服の一部ではない、体の一部よ!
「さすが店長ー」
雨季になると、客足が遠のく。この次期はとてもヒマ…。今日は外の天気が荒れている。余計、客は来ない。
「すみません…お姉様方…雨宿りしてもいいですか?」
ずぶ濡れの赤髪の女の子…。
…あら!いつだったか買いに来てくれた娘ね。あら?あらあらあら〜後ろの…男、俯いて見ないようにしてるのかしらね。
男…、はっ!!
この間外で待っていた男だわ!
「雨がひどくて…近くのお店…ここしか思い浮かばなくて…」
2人にタオルを渡す。
「そちらの……んふ。彼氏さん?」
赤髪の娘は否定しないのね?はっ、は〜ん。
ここに来る前に何かあったわね。
「彼氏さーん、ここじゃ落ち着かないでしょ?カーテンの向こう側に、彼女と、どうぞ♡」
カーテンの向こう側はいつもは、サイズを計るときにと、試着の時にしか使わない。
とりあえず、ゆっくりできるように、椅子も用意して…………ちょっと色味はピンクだけど。
「ごめんね〜連れ込み宿じゃないから、ベッドがなくて〜」
なにも飲ませてないのに、盛大に吹いたわ。かわいい〜。初初しいわ。
「冗談よ♡雨が止むまで、ゆっくりしたらいいわ」
「すみません。営業中に…」
「いいの!この次期はどうしてもお客が少なくて、ヒマしてたの」
温かい紅茶を渡す。俯いてた男の顔、あやヤダ……イケメン。
でも、この顔立ち…どこかで見たことあるような?ちょっと雰囲気が国王サマに似てる?
「あ!そういえばね!わたしのお店のブラをね、国王サマが王妃様に買ってあげたのよ〜」
たしか…リボンとフリルをふんだんに使った……
「こんな感じのブラよ」
「ちょっ…!見せないでください!」
男の方は顔を真っ赤にして、むせてる。赤髪の娘も真っ赤ね。からかい甲斐があるわ〜
うちの店員たちも集まって、質問責めにしてる。
「彼氏さん!彼女のどんな所を好きになったの?」
「ちょ…そんなこと聞かないで…」
彼女は必死に止めようとしてるけど、彼氏は真剣に考えてるわね。
「何事にも真剣に取り組むとこ、とか……感情が豊かで、表情がかわいいとか」
みんなでニヤニヤしながら、ふんふんと話を聞いて、愛されてるじゃない♡なんてツッコんでみたり。
そんな彼女はさらに顔真っ赤にして固まってる。
そんな彼女に気づかず、好きな所の話が途切れることなく続いてる。恐ろしいわ!この男!
……彼女…無事かしら。
「彼氏くん?彼女……ヤバいわ」
ようやく気づき、長々と語った彼氏くんも、『恥ずかしダメージ』を受けた。
「ね、彼氏くん?また今度、好みの下着教えてね。オーダーメイドでもいいのよ。こっそり彼女に贈るから」
「〜〜〜!」
……、この2人見てて飽きないわ…。