表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
89/134

オープンワールド36


 ペンタゴン…アメリカ国防総省本庁舎…

 その名の通り、この建物は五角形の形をしている。

 五角形、戦闘においてこの形態が1番有利に戦えるのだと、子供の頃、アーミーマニアの近所のお兄ちゃんが言っていた。

 日本にも五稜郭なんて建物が存在する。


 一筆書きで五芒星を描くと、内側に五角形ができる。

 星の部分を意識すれば逆に見えるが、五角形を意識すれば、これが正解なんだと、作られる光の結界を見ながら思った。


 「そこそこの魔力だな。このままでは2人で地獄に行くことになるが、それでいいのか?」

ドロッセルに言われた。そんなわけないじゃん、と思ったが口には出さなかった。悪魔の交渉にのる気はない。

「悪いけど、1人で行って」

冷たい私のセルフをドロッセルはニヒルな笑いで返す。

ここにきて、陽気な花の精が攻撃を開始する。

 イギリス 人口6900万!

カタカタと音がしてドロッセルの背後で花火と数値が爆発する。


 今度は人口なんか…(T-T)

ジオの地理にかける情熱を引き気味に見ていた。


 フランス 人口6800万!

あら、フランスの方がイギリスより少ないのね。なんて呑気に見ていて次の妖精にドキドキする。

 中国!!!14億だったわよね?これ、チートって感じの攻撃になるんじゃないかしら。

 ドキドキする。ついでにドロッセルに抱きしめられる自分の行く末も心配になる。

 確かに中国の攻撃は凄かった。花火が二倍増しで、ドロッセルが少し弱る。

 なんとなく、カセット時代のゲームの世界に迷い込んだような気持ちになる。

 そこに、畳み掛けるようにロシアの人口が襲いかかる。

 1億4380万。

 静かにしかし、確実にドロッセルに攻撃がヒットする。


 ここで、最後のアメリカを見て、アメリカの人口ってどれくらいなのか、分からない自分に驚いた。

 学校から離れると、こういう知識はなくなるんだな、なんて興味深くアメリカの…バラの妖精を見た。

 3億6500万。

あら、アメリカってロシアより人口多いんだ、なんて納得している私の頭上で激しい爆発音がする。


 恐ろしかった。が、ドロッセルが体で守ってくれる。

 こうなると、私はどちらの味方か、分からなくなる。

 「ねえ、もう、降参して地獄に1人で帰ってよ。もう、早く剛に会わないと話が始まらないんだもん。」

私は叫ぶ。ここにきてドロッセルはボロボロの姿で私に笑いかける。

「行くなら、2人で、だ。それが嫌なら、早く結界を外すことだ。もう、攻撃は終わったのだろう?」

不敵なドロッセルの言葉に、この先のことが心配になる。

大体、この結界をどうやって外していいのかなんて私には分からない。

「さあ、どうかしら?」

すっとぼけた答えが口から飛び出す。本当にこの先そうなるかなんて分からない。

 ドロッセルは私の顔を怪訝そうに見てから、何かに気がついたようにフランスの百合の妖精を見て私を突き飛ばした。


 ドへっ、と、なりながら私は地面に転がり、と同時に百合の精の声をきい。

「フランス、特殊効果発動!EU人口 4億4800万!!!」


 と、特殊効果…そんなもの、深夜アニメのネタじゃないの⁉︎


 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ