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オープンワールド30


図書館の本は、数字で細かく分類、管理されている。

その数字を図書番号…今では図書コードと言われるものだ。


それによると、10番代は宗教関連で…16番はキリスト教の関係だったと思う。

この場所が私の地域図書館をイメージして作られているとしたら、きっと16番の棚付近に、天使や悪魔、ドーンの魔術についての本もあるに違いない。


行こう!


私はカウンターから遠い対面の壁に存在するであろう16番地域を確認する。

そして、悪魔達に見つからないように棚づたいにハイハイしながら目的の場所に向かう。


メフィストとドロッセルは、なんだかんだと悪口を言い合いながらバレーボールを楽しんでいる…様に私には見えた。


今は敵対しているが、アイツらは悪魔である。

共闘を組んで私にロックオンしないとも限らない。

急がなきゃ!


ああ…ハイハイなんて、いつぶりだろう?

確かに、手をついて何かの作業をすることは歩けれど、数メーターも先までハイハイしながら移動なんて…することは無くなった。

メフィスト達に見つからないように少し大回りをし、読書スペースの大きなソファに隠れながら、時には日本足で早足に変えて、私はなんとか16番の棚にたどり着いた。


そして、棚のラインナップに…それが本当に地域図書館の棚そのものだった事に嬉しくなった。


ああ、なんか知らないけれど、この図書館は使える気がするわ(T-T)


長くなりそうな物語に巻き込まれながら、地域図書館の有りがたさを染々とかんじた。


グリーンの上品な布張りの本を見つけた。


多分、それが英国の…ゴールデンドーンの魔術の本だと思う。

私はそれを手にする。


いつもは小ぶりに感じる本も、8才の体だと凄く大きく、重く感じた。

仕方がないので床に置いて本を開いた。


Σ(T▽T;)は、白紙?

本の初めの部分のページは白紙になっていた…


混乱する。気持ちも子供に戻って叫び出したくもなった。

が、叫んでもどうにもならない。


とりあえず、全ページをめくってみた。


真ん中辺りで、メイザースのコスプレ写真が数枚あって脱力する。


「何よこれ…メイザースの名言とか秘密結社のスキャンダルしかな無いじゃない。」

ぼやいてみて、ここが精神世界だと言うことを思い出した。


つまり、この世界は私の記憶で出来ていて、だから、私の読んだ事の無い本や記憶に無い情報は無い…と言うことなのだろうか…


昭和ファンタジー…面倒臭いよぅ(>_<。)


頭をかきむしる。

泣きたくなる。

昭和に生まれていたって、私だって令和のwebで小説書いてるのに!


スマホでサクサク出来ないなんて!



ああ、外野がwebファンタジーを馬鹿にするけどさ、私もちょっぴり、そんな風に思った事あったけどさぁ…


便利なんだもん。スマホ

私だって令和のラクチンファンタジーの方が良かったわ…


混乱する私は肩を叩かれてギョッとした。

「大丈夫ですか?」

と、ジオが不安げに私を見ている。


み、見られていた(///ー///)


「だ、大丈夫よ。うん。」

赤面しながら何とか言った。

そうだった…馬鹿みたいに駄々をこねて令和の便利機能に浸っても、それじゃあ、面白い話なんて出来るわけはない。


テンプレで評価されるのは上澄み数十人。


私のような下層階級が願いを叶えようと考えるなら、人とは違うオリジナルの展開を考えなきゃ。


ユニークスキルとか言うのかしら?


言葉の意味は良く分からないけど、なんか、ちょっと異世界ファンタジーの気持ちが込み上げてくる。

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