オープンワールド30
ああ、私のお馬鹿ぁ…
知らない世界で友人の魂を巻き込んで何してるんだろう?
右の手の平を見た。
念を送ってみる。
でも、あの…アニメで見るような魔法円は出てこなかった…
ああ…きっと、ここで『スキルオープン』と叫んでも虚しいだけなんだろうなぁ。
ふと、少女時代、魔法見習いの少女に憧れて木の枝で作った、魔法の杖を振ったことを思い出す。
何もおこらない…
そして、そんな事をしている自分が恥ずかしく思えた。
でも、今は、アストラル界で悪魔が暴れてる、こんな怪しい世界でくらい、なんか、魔法が使えたらいいのに…と、悲しくなる。
今時の異世界ものが出来ないなら…
昔の魔術はどうだろう?
右手の人差し指と中指を立てた。
この状態を『手刀』と呼ぶ。
なんか、漫画とか、雑誌でよく見た気がする。
ちょっと恥ずかしくもあるが、この手刀、時代劇でも修験道の役の人がそんな感じで九字を切ってたし、ゴールデンドーンの魔術でもこれを使っていた気がするっ。
私は『みぃ・ムー』の魔術記事を思い出して額に自ら作り出した手刀をあてた。
恥ずかしくなってきた。
が、次の瞬間、額が温かくなってきた(○0○)!!
おおっ…
こ、これはっ、イケる!かもしれないっ(>_<。)
はっ、とした。
そうよ、アストラル界なんだもん。なんかメイザースの魔術なら使える気持ちがしてきたぞ。
ちょっと嬉しくなってきた。
私がそんな事を考えている間も、ドロッセルとメフィストが激しいバレーボールを繰り広げている。
もう、やるしかないわ。
でも、何を?
おでこに張り付けた手刀をどうにも出来ずに止まる。
多分…魔術は使える気がする…
ゲームとかラノベの奴じゃなく、オカルト雑誌『みぃ・ムー』のスペシャル実践とか、ゴールデンドーンの秘術っぽいなんかはっ。
そこまでは分かった。分かったけど…その儀式が分からない。
手刀で五芒星をかいてなんかするんだろうけど、なんか、書き方も色々あった気がする…
なんか、間違うとヤバイ事になるやつ…
そんな面倒くさいこと忘れてしまった。
パソコンだって、コマンドを打ち込まなくても殆どワンクリックで実行できる21世紀に生きてるんだもん。
さて、どうする私!
混乱しながら周りをみていて、ここが図書館だと思い返した。
そうだ、図書館よ!
あったはずだわ。
16番に!




