オープンワールド24
ラノベでお馴染みの魔法のアイテム。
エメラルドタブレットとグリモワール…
でも、よくよく考えると、そんなことより、現在、3歳のディアーヌの魂が剛で、その剛のハーレム要因その1が20歳も年上の妖精で、バレエを踊り出すって…
こんな設定で、どんな話を書けるのかが一番の問題のような気がしてきた。
「さあ、余興はこれくらいにして、この乱れた世界を正して行きましょう。」
ドロッセルに言われて、私もそこは同意した。
「うん。でも、何を直そうと言うのよ?」
私の質問を、ドロッセルはソファーに座りながら答えた。
「何もかもを変更したいところですが、まずは、この世界をキリスト教的一神教に戻してもらいます。」
ドロッセルはキッパリと強めに私にいい放つ。
「それは無理。そうしたら、惨劇が起きちゃうもん。」
そう、『聖バルテミーの惨劇』は避けなくてはいけない。
「それは、他の神々でも同じです。戦争や惨劇は避けられません。」
ドロッセルの言葉にモヤモヤする。
異世界に転生して、戦争にあうなんて…剛が可哀想に思えた。
「そうだとしても、嫌だわ。『聖バルテミーの惨劇』は特に。」
私の渋い顔をみて、ドロッセルはやれやれ顔になる。
「まあ、それは置いて、では、ヒロインの衣装について話しましょう。」
「あ、うん。可愛いのがいいんだ。昭和の少女漫画風味の!ディアーヌは主人公だから、特に気合いをいれたいの!やっぱり、時代は違うけどポンパデュー夫人のような華やかなドレスがいいわ。胸の部分に絹のリボンがたくさんついたヤツ。」
夢が膨らむ。
最近、時代コスチュームもの、減った気がする。
あっても、ドレスにトキメかないんだよなぁ…
「リボンは可愛いですよね。脇腹の辺りを大胆に開けて、足は見せましょう。」
ドロッセルはサラサラとAI見たいに画像化して行く。
それは綺麗な絵だけど、気持ちが沈んでくる。
「あんた…それ、異世界冒険ものの挿し絵のヒロインの服じゃん。こんな変な服嫌だよ。」
私は怒った。
脇腹を広く開けたり、胸を強調したりする必要があるだろうか…
ドロッセルは困った顔で私を見る。
「それでは、ゲームが売れません。女性は男性より課金率が低いですからね。
このままでは、サ終です。」
「サ終…サービス終了の事よね?」
「はい。ゲームの配信が無くなれば、世界は消えてしまいます。
人類滅亡は好きですが、こんな地味なのは、私の好みではありません。」
ドロッセルの説明に頭がこんがらかる。
「サービス終了とか、ゲームとか、今の私たちには関係ないじゃない。」
私がふて腐れながら言うと、ドロッセルは右の唇の端を軽く歪ませて哀れむように私を見る。
それから、なんか、暖かい紅茶を異次元から取り出してくれた。
「大丈夫ですよ。毒は入っていませんから。」
と、ドロッセルは言うけれど、私は、イマイチ、Webファンタジーのアイテムボックス等の収納装置に懐疑的だ。
大体、これ、いつからカップに入っていたんだろう?
このカップの横で、食用のドラゴンの頭が無いとは誰も証明できない。
じっと、カップを見つめていると、ドロッセルがカップを奪った。
「それでは、私が飲みましょう。」
ドロッセルが優雅にお茶をするのを見ながら、再びボヤく。
「ねえ、ゲームの要素、必要?別に、そんなにリアルに考えなくてもいいじゃないかな?」
面倒くさかった。
それでなくても、終わらなそうな物語が、複雑になるのが嫌だった。
ドロッセルはそんな私に優しい笑顔を向ける。
「しかし、この世界を作り出したのは、クララ、君なんだよ。」
≪クララ、君なんだよ≫
キタァァ〜(・∀・)
く、クララ呼び、まだ、忘れてなかったのね(//ー//)
「くっ…クララは…やめて、卯月って読んでよ。」
必死で訴えた。
私は、昔から、この手のファンタジーワールドの陽気なキャラクターが苦手だった。
が、奴らは、そんな苦手意識で、こちらが混乱しているときほど威力を発揮する。
なんか、「はぅっ。」とか言いながら、縫いぐるみダッコしてくるよ。
私は、クマやブタの縫いぐるみじゃないし、そうゆうのは、10歳までが許容範囲なんだけど。
「ああ、クララ、今だけでも、そう呼ばせてください。」
「あ?何でよっ、何でクララなの?」
と、質問しながら、なんか、乙女ゲームっぽい台詞を想定して構えた。
クララなんかに、だ、騙されないんだから。
なんて考える時点で浮かれていたんだとは思う。
恥ずかしいけど。
ドロッセルは、そんな私に、こう言った。
「大好きだった隣のおばあ様に君はどことなく似てるんだ。」
お、おばあ様…(°ー°;)
あははっ…そうだよね〜西洋だもん。クララ、いっぱいいるよね(T-T)
少女だって…成長して、おばあ様になるわよねぇ〜(*ノ▽ノ)
私はしばらく、自意識過剰な自分の妄想に赤面しながら、熊の縫いぐるみになりたい気持ちがした。




