オープンワールド16
いろんな事を設定するのは遠回りだけれど、役にも立つ気がしてきた。
少なくとも、剛…ディアーヌには、彼女の鉄壁の聖少女性を愛するナイトが後押ししてくれる設定になる。
ペトロセリナム家は、大人びた、少し暗い影の潜む美少女の幸福を祈るオタクが。
あとの2家…タイムとセージでうまくキャラを分けられれば、批判は少なくなるなるし、いざ、ベルフェゴールとの戦いの場では、助けになるに違いない。
上手くかけさえすれば…(>_<)
まあ、少なくとも、剛以外はTS転生では無いから、その辺りでの批判もかわせる。
ついでに、私のストレスも減るに違いない。
剛に群がる勇者(-"-;)
乙女ゲームとか浮かれたときは、思いもよらなかったけど、高スペックの男って…肉食系で攻めてきそうだよな…(T^T)
大丈夫なんかなぁ〜
「物思い…ですか?」
心配そうにジオに声をかけられて苦笑した。
「乙女ゲームとか、逆ハーレムって、わりと大変な世界観なんだって気がついたんだ。」
私の言葉にジオは笑った。
「そうですね…普通、一人の女性をめぐって複数の男性が集まれば、流血の戦いになりますから。」
ジオったら、優雅な雰囲気で怖いことを言うんだから。
「もう、それでなくても少ないロマン要素が消えちゃうじゃない(T-T)」
「では、セージの話をしましょう。」
ジオは穏やかに微笑む。
柔らかい春の日差しのような微笑みが、窓の外の秋の空に切なく重なった。
「そうね、ボヤボヤ出来ないわ。うん、セージは、春分、牡羊座。
デバッグ好きの集まりにするわ。」
ふん。と、鼻息荒く一気に捲し立てた。
セージ、知ってるわ、このハーブは、ソーセージの語源になったハーブなのよ。
で、殺菌効果があって、昔から不老長寿…っぽいイメージがあるらしい。
この辺りから、なんか、賢者とか、エリクシールをイメージした。
「デバッカーの集団…ですか。魔術師のイメージでしょうか?」
なんだか、少し、言いたそうな顔でジオは私の顔を見る。
「魔術師と言うより、錬金術師の様なイメージかな…払い師みたいな…
彼らは、『あってはいけないもの』を探しては、それをこの世界から消すのが仕事なのよ。
除蟲と書いて『デバッグ』みたいな感じなのかしら?
だから、セージの家は、特殊な環境にあるわ。」
私の説明をジオは興味深く聞いていた。
「確かに、寺院…の様なイメージがしますね。」
「そう、そう、セージは、デバッグ、つまり、この世界の理に関わるから、セージの姫は巫女姫として結婚は出来ないの。」
私の説明を聞いてジオは軽く頷く。
「確かに、動作環境に関わる所は分家にはできませんね。」
「でしょ?その代わり、セージの神官になると、巫女姫を通じて『新作情報』を知ることが可能なのよ。」
ああ、なんか、ギリシア風味になってきたじゃない。
多分、この世界では、神とは『太陽神』をモデルに作られるはずだわ。
わりと知られてないけれど、アポロンと未来予知は強く関係している。
それは、デルフォイの巫女の伝説と共に、ノストラダムスのロマンに浸かった人間には有名な話である。




