表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
39/135

攻略メモ2


確かに、情報は整理しないといけない気がするわ。

気がつくと、私はメフィストの横に座っている…

現在、気球に乗っているのよね…あんまりそんな雰囲気じゃないけれど。


気がつくと、キャラが、美少年が増殖していた。


まだ、剛にすら会えてないのに…わたしゃ、この先どうなるんだろう?


「本当に…この時を迎える事が出来るなんて、考えもしませんでした。」

ジオは、凛々しい…少年ボイスの女声優さんのような通る声で私をガン見…じゃなくて、真剣な眼差しで見つめていた。

「は、はぁ。」

間抜けに会釈する。

だって、こんなキャラ、作った覚えはないよぅ…

メフィストを見た。また、私の深層心理が作り出した幻なんだろうか?

「どうしました?人見知りでしょうか?彼は、本の精霊、怖くはありませんよ。」

メフィストは無駄に優雅に微笑んでくる。

涼やかな流し目の大人クールなメフィスト。

真剣で純粋な瞳で見つめるジオ…


私、ワタシの深層心理って奴は、恥じらいもなく、ハーレム展開を望んでいると言うのだろうか?

作者なのに!ああ、私、作者なのにぃ。


あまりの展開に頭が痛くなってきた。

確かに、昔の少女漫画って、大概、親友がヒロインの本命をあざとく奪って行く展開とかあったわ。逆もあった。


『ごめんなさい。そんなつもりは無かったの…ただ、好きになってしまっただけなのっ。』


とか、なんとか、罪悪感はあるみたいだけれど、しっかり、本命は奪って行くのよ。

私も、剛と食事をすると、食べ物を狙われた。

『美味しそうだね?』

と、ガン見して、そして、なんか、いつも味見をさせる事になっていた。


それが、今回は、逆転するのだろうか…

私が、剛に、イケメンに囲まれながら、

『ごめんなさい。私、どうしても諦められなくて…』

なんて、剛のハーレムを奪って、なんか、上から目線で謝る嫌な奴に成り下がると言うのだろうか?


「本の精霊って何?剛は人間よね?性別、女でも!

本の精霊なんて、ぶっ飛びのファンタジー要素が追加されるの?

いや、その前に、剛って、3つでしょ?いくらなんでも、年が離れすぎてない?」

と、メフィストに早口でわめきながら、そんな設定、昔はよくあったかも…なんて考えたりもする。


昭和の少女漫画の時代物は、クリスマスなどのイベントで、幼い頃に素敵な王子さまとか、ハンサムだけど意地悪な年上の従兄(いとこ)なんてのに初恋をし、そこから10年後に物語が始まったりしていた。


19世紀の西洋ロマンスものは、年の差がある男女、特に、男性が裕福な大人で、純粋な貧しい少女の組み合わせがリアル、フィクション、共に流行ったのだそうだ。

その為、日本の少女漫画も影響を受けた作品があった。

エビデンスはない。

が、私の深層心理が作る話だから、あり得なくもない。


少女時代、内気な少女…中身は剛(-_-;)が、屋敷の図書館で出会う、妖精の王子さま…

ほのかな、恋心と共に仕舞われる…そんな思い出。

ああ、嫌いなジャンルではないだけに、剛が主人公なのが…辛いわ。

と、言うか、この人が、アンリにフラれる剛を癒してくれるのだろうか?


モヤモヤする私にメフィストが冷たいアイスティーをいれてくれた。

「落ち着いてください。彼の名前はジオグレピア…日本語の意味は『地理』です。彼は、地理の先生ですよ。」

「は?先生?」


思わず不躾(ぶしつけ)に叫んだ。

だって、中坊の美少年に今更、何を教えてもらえと言うのだろうか?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ