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光属性


色々と悩んでもいられないわ。

早く、先を進めないと!

その為には現在、転生してる剛の魂に会わなくては。

「ねえ、とりあえず、ここは剛に会わせてくれない?剛に会わなきゃ、先を作れないもん。」

私の提案をメフィストが首を振りながら否定する。

「会わせますよ、あわせてあげますが、まずは私の話を聞いてください。」

「えー話ってなによぅ。」

私のふて腐れた顔を見て、メフィストは肩をすくめる。

「様々な設定です。ゲームでもそうですが、ちゃんとゲームの説明と経験者のコメントは頭に入れておいた方が有利に進められますよ。」

メフィストに言われて頷いた。


ゲーム…そうweb小説のファンタジーはネットゲームを模して作られているんだった…


私、本当にweb小説の異世界ものを作ってるのね(T-T)


ああ、ここまでの長い道のりが…涙になって溢れてくる。

それを見て、メフィストが慌ててハンカチで涙をふいてくれた。


「気に入らないからって…何も泣かなくてもよろしいでしょうに。」

あきれる顔もイケメンのメフィストを、私はただ、黙って見つめた。


多分、記憶が正しければ、私が始めにメフィストを召喚した時は、こんな、なんか、背中がゾクゾクするような上品な所作(しょさ)で私の顔を拭いたりはしていない。

なんか、ハンカチを開いて平手でグリグリと顔全体を拭きまくる…オカンのような激しい拭き方だった。

何がコイツをこんな風に変えたのか…不安が込み上げる。


「そうね、設定…大事ね。ベルフェゴール、どうしてるの?私達、どうなってるの!?」

私はメフィストに叫んだ。

メフィストは私を上から見下ろして、少し考える。

形良く、薄い唇に皮肉な笑みがもれる。

「さあ…前にも言いましたが、私、地獄大公なんですよ。」

メフィストは思い出したように自分のプロフィールを話す。

「知ってるわよ!!もう、地獄の大公様で、ラノベ界のチート、ええと…なんかヒーロー?ダーク…なんでしょ?」

やはり、まだ、web小説の用語はスッパリと出てこない。

混乱する私をメフィストはあきれて見下す。

「ほら、理解していない。私は…ただのチャラけたイケメンじゃないんですよ。」

イケメンは自覚してるんか(^^;)

「そうなんだ…」

「はい。そして、web小説の異世界は主にゲームをモデルに作られています。」

「そうみたいだね。」

一応、頷くが何が言いたいのか分からない。

「ビデオゲーム、したことありますよね?」

メフィストが同意を求め、私はその迫力に、ただ、頷く。

「良いですか、ここでは、確かに、貴女の思想が影響しています。

ですから、貴女が思い描く…ほぼ、地球のような世界が広がっています。」

メフィストの説明に頷きながら、ハイファンタジーとローファンタジーについて思い返していた。


私の登録しているサイト『小説☆野郎』では、ハイファンタジーは地球と全く関係の無い世界とされている。


でも、重力や、野菜などの食物まで、全く違う世界を(つく)るのはとても大変だ。


異世界転生ものは、地球から人間が移住できるから、確か、ローファンタジーだったと思う。


けれど…そんな、重力とか、細かな設定なんて考えてなかった…

大丈夫なんか?私。


なにか、不安が込み上げるけれど、不安に浸る時間は無い。

メフィストが同意を求めて睨んでいる。

「うん。」

「しかし、魔法は管轄外。私の領域で、私が望めば、すべての物理法則が無効になり、世界のすべては、私の命令(コマンド)に従うことになるのです。」

メフィストの長台詞を上の空で聞いていた。

どうせ、まともに聞いても、良く理解できない。


「だから、なんなの?」

「貴女は、ビデオゲームで銃を撃つ際に、安全装置や、発射の振動なんて考えないでしょ?」

「まあ…専用のコントローラーなんて持ってないもん。」

「それがあっても…物の質量まで感じず、イベントが始まれば、何もしないで動画を見ているでしょ?」

「うん…なんか、ボスとか出てくる時とかの、あれでしょ?恐ろしい音楽でなんか出てくる…」

「そうです!それですよ。私が『騎士・ゲオルグ』と呪文(プログラム)すれば、どんな間抜けも瞬時に騎士になるし、

馬に乗れると言えば、馬に乗れるんですよ!私の顔に尻を乗せることなんてなく、ね。」

メフィストのイライラ顔に、余程、剛に顔を乗せられたのが不快だったのかを想像した。

「ごめんよ…」

思わず謝る私に、メフィストは軽くため息をついて、こう言った。

「いえ、それより、剛さん…光属性が混ざってますよね?」

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