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第二話 再会 知育


 知育…児童の知育って、そんなメタな呪文でいいのだろうか?私は自問する。そして、そんな私をメフィストが抱き上げて私の頬に頭をぶつけながら現在、流れている謎のBGMについて話していた。


 「チーク。素敵ですよね。レトロな感じでドキドキしますよね。現在流れている曲はホルストの組曲『惑星』その中でも『海王星』をダンス曲にアレンジししました。」

「え?ホルストの曲って、『ジュピター』のあれでしょ?土星までじゃないんだ。」

私は驚いた。イギリスの19世紀の作曲家だと記憶していたからだ。

「はい。初演は1918年なので現在では海王星までの惑星をすべて曲にした事になってます。」

メフィストは嬉しそうに言った。

「へーそうなんだ。」

「はい、そうなんですよ。そして、80年代にはボイジャーが各惑星の画像を送ってきたので、この曲も注目されました。そして、当時、新しかったシンセサイザーを使ったアレンジ曲などが作られました。」

メフィストの説明を聞きながら子供の頃を思い出した。

あの頃は、確かに宇宙がトキメキで満ちていた。

「これも知育枠なの?」

私は少しうんざりしながら言った。なんだか、異世界恋愛ものから遠ざかってゆくのを感じたからだ。が、私のコメントにメフィストがすごく反応した。私を両手で持ち上げて自分の目線に私の顔を合わせて笑う。

「はい、そして、今回はそれらの曲をAIに学習させて作ったホルスト・AI組曲『準惑星』から『冥王星』を披露します!」

と、いう言葉と共に、なんだか荘厳な感じのイントロから、DJがシャウト、そして、なんかいい感じの曲が流れてきた。

「さあ、踊りましょう!80年のディスコを思い出して。レッツ・チークタイム。です。」

メフィストの叫びが終わる頃には私はワンレン・ボディコンの似合う大人の女性に代わっていた。

「ねえ、これ、本当に知育になるの?」

私は不満だった。が、メフィストは嬉しそうに笑って私を自分の胸に抱きしめながらこういった。

「はい、チークタイムにピッタリの素敵なレディです。」

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