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第一話 いとしのローズマリー再会



 気がつけば私は、山羊座のウズキサンになっていた。

なんで乙女座から山羊座になったかはわからない。でも、ウズキンになるより山羊座の方がいいし、とにかく、剛に会えるのが嬉しかった。


 林は人が手入れしていて下草が刈られていて散歩にはいい感じになっていた。まあ、ここはローズマリー家の庭園の一部らしいから、そこはちゃんとしてるのだろうけれど。

 「プロバンスの秋は、最高気温が20度くらいで過ごしやすいんだ。この木はね、プラタナスって言うんだよ。」

後ろから声がして、少し鬱陶しく感じる。

ジオである。

早く剛に会いたい私は少しイライラした。が、一呼吸してジオを見た。

「プラタナス…そうなんだ。」

私は上の空で答えた。すると、やはりスタンプが現れて花丸をくれた。


これがゲームの世界でも、なんでも、アストラル界のことなのでジオの魔力は干渉できる。

 多分、登録をしたから、私自身でもなんかこの世界線では魔法が使えそうな気もするけれど、ジオの魔法があった方が心強い。

「うん。プラタナスは広葉樹なんだよ。そして、公害に強いから現在でも街路樹として世界中で植林されてるんだ。」

ジオの未邪気な笑顔は好きだけれど、ごめん、もう、我慢できない。

「ジオ、ありがとう、でも、私、今は剛にあいたいのっ。TSでもBSでも、なんでもいいから、早く剛に会いたいの!ごめん。」

私はジオを振り切って林をかける。こう言う時、子供っていいなと思う。行き切りしないんだもん。

 そして、木が少しなくなって小さな原っぱになって所で後ろ姿のドレスの少女を見つけた。

 「あれが剛、いえ、ディアーヌ様でございます。」

メフィストの手が私の右肩を掴んだ。私はそこで止まって、日の光をスポットライトに輝く少女を見つめた。

 BGMが流れる。

 多分、これは『ディアーヌのテーマ』でと思う。

 後ろ姿は可愛い感じがした。

 ドキドキする。

 昔、学校から帰って、誰もいない家で夕方のアニメを見たことを思い出していた。お父さんがいると揶揄われるか、見せてはもらえなかったから、こうして一人の時だけ見られた美しい夢の世界。

 女児ものは再放送もなかなかなかったけれど、あのアニメはたまに再放送去れてたな。


 そんな麗しい、私の心の引き出しに、新たな少女の物語が追加されようとしていた。

 セイレーンさんの美しい歌声と共に、立ち尽くしていた少女がわずかに空を見上げた。

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