ペオル
「まあ、メフィストがいるんだから、ミカエルやガブリエルがいても良いけどさ…ださないからね?」
私はキツく睨み付ける。
全く、これ以上、予定外のキャラはいらないわ。
「だから…貴女がそうでも、貴奴らが勝手にくるんですよ。」
メフィストはイライラしはじめる。
「えー?ミカエルなんて本当に呼べるの?」
逆に質問する。
確かに、20世紀の魔術師はアストラル界で悪魔召喚とか、霊を呼んだりしたらしいけど、天使…しかも、大天使ミカエルなんて、ホイホイ来るとは思えない。
「まあ…私には無理ですけど…」
メフィスト、急にしぼむ。
「そうでしょ?私だって、脈絡もなくミカエルなんて登場させられないわ。
作者だって…まともな話を作ろうとしたら、無茶は出来ないのよ?」
ふふっ…論破したった(^-^)
「そうですけれど…女神は来ちゃったんですよ…」
メフィスト、愚痴るように小声でボヤく。
「だから、その女神って何者よ?」
「ベール…ペオルさまです。」
メフィストは早口で誤魔化すように話す。
「ベール…ペオル?天使ではないのね?」
私は聞き慣れない名前に考える。
いや、何か、引っ掛かりは感じるけど、ペオルって…ギリシャ・ローマ系列ではない。
ベールは、どちらかと言うと古代中東…って、まさか!
私は、嫌な予感と共に叫んだ。
「ペオル…ベールペオルって、ベルフェゴールの事じゃない!!」
そう、西洋の7大悪魔の一柱…7つの大罪の『怠惰』と呼ばれた悪魔…ベルフェゴールの昔の名前がベールペオルである。
「ピンポーン!大正解。」
メフィストは茶化したように笑う。が、笑い事ではない。
メフィストだけでも大変なのに…悪魔が増えるなんて…冗談じゃないわ。