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えぴろーぐ サイシュウのおよめさんイッパイあつまるヨ!の巻

 だがサイシュウの願望でつけたタイトルも虚しく、11 明日なき総力戦の巻 8が始まる。

 最後の戦いは佳境に入ろうとしていた‥‥!


 キラーとサイシュウの合体Sサンライザー。

 スターゲイザーとカエル王インディブルの合体Sバトラコキシンフロッガー。

 互いの、最後の戦士達が乗る機体が睨み合い、じりじりと間合いをつめていく。


「チッ‥‥オレがかつてのハーレムを取り戻す展開にはならねーのか」

 サイシュウが舌打するや否や、フロッガーが動いた。

 杖をふるとギラギラと輝く魔力が矢のような形をとる。よく見れば矢というよりはミサイルのような形で、その中には複数の流れ(ストリーム)が対流していた。

 それが核撃呪文をいくつも練り合わせて作った破壊魔術だと、その威力は地球の核兵器を凌駕する物だと、誰が見破れただろうか。

『ニュークリアエクスプロージョンアロー!』

 スターゲイザーが地獄の火力を持つ独自呪文(オリジナルスペル)を放つ!


 そして魔力の矢(マジックミサイル)は、宙で溶けるように消滅した。


「やるじゃねぇか。予想外だぜ」

 笑うサイシュウ。

『‥‥おのれ!』

 歯軋りするスターゲイザー。その足元には()()()()()()()()が転がっていた。


 核撃融合の矢はサイシュウの反則能力(チートスキル)【消去自在】で消されたのだ。

 スターゲイザーはそれを【禁断の魔筆(アストラルフォージ)】で阻もうとしたが、キラーの忍術【逆順反転】で反射されたのである。

 だが反射された金槌を、スターゲイザーは杖で叩き落とした。元は己の反則能力(チートスキル)——反射されて飛んできたスキルの効果を防御してみせたのだ。

 だがサイシュウのスキル効果を消す事はできず、矢は無力化されてしまったのである。


「そしてこっちの反撃は‥‥と!」

 合体サンライザーの頭部が眩く輝いた。その光を両手で掴み、引っこ抜く――光は膨れあがり、頭上で巨大な光球となった。

 サイシュウは叫ぶ。

「ディスインテグレート・サンダウンン!!」

 光球がブン投げられた。それは光り輝きながら敵へ飛んだ!

 咄嗟に魔力の結界を張る合体フロッガー。

 光球がバリアに着弾し――


 光が膨れ上がった!

 その中の石が、岩が、山肌が、大地が、粒子となって消えていく。

 原子分解のパワーが渦巻き、範囲内の物を消滅させているのだ!


 光が消えた。後に残るのは巨大なクレーター。焼けるでも砕けるでもなく、奇麗にくり抜かれた穴があいていた。

 その中央には‥‥全身のあちこちが削られた、無残な合体フロッガーが今にも倒れそうな有様でよろめいている。

「流石にあれイッパツじゃ終わらねぇか」

 そう言いながらもサイシュウは余裕を見せつけるように笑っていた。

「とはいえもうオレらの勝ちだろ。ヤレヤレ、敗北を知りたいぜ!」


『ああ‥‥元より教えてやるつもりだ』

 絶体絶命の窮地の中、スターゲイザーはそう呟いたが。


「奇遇だな。それはこちらも同じこと」

 言ってキラーは合体サンライザーに次のアクションを起こさせる。原子分解の光球を、再度放とうとしたのだ。

 だがスターゲイザーも同時に動いていた。合体フロッガーが跳躍する。穴の底から、キラー達の機体へ。


 キラーとサイシュウは見た。

 モニターに映る敵データ画面に、赤い文字で3カウントが始まるのを。

 それが意味する事をサイシュウは知っていた。

「ヤロウ、自爆するつもりか! だがな!」

 サイシュウの頭皮が輝き【消去自在】が発動する。


 スターゲイザーは【禁断の魔筆(アストラルフォージ)】でサイシュウのスキルへ妨害を試みる。

 だがそれはキラーの忍術【逆順反転】で反射された。返されたメイスを杖で防ぐスターゲイザー。

 そうしてパワーを相殺している間に、【消去自在】は――()()()()()()()()()()()()()()()()()


「なんだと!?」

 鉄球で後頭部を叩かれグラつく合体サンライザーの、操縦席でサイシュウが驚愕する!

 スターゲイザーが発動させた【禁断の魔筆(アストラルフォージ)】は確かに返した。だが()()()()()()()()()()()()()のだ!

 次の瞬間、合体フロッガーが抱き着いた。

 そして起こる、大爆発——!



「どどどど、どういう事ですか!?」

 戦艦Cバエナガメランのブリッジでティア姫が動揺しきった声をあげた。

 何が起こったか、そこから見えていたのだ。

 サイシュウの【消去自在】を妨害した張本人——突然ワープして現れた、もう一体のSハンドレッドアイが!


 新たなハンドレッドアイの横に、ボロボロに損傷したハンドレッドアイがワープして現れる。

『危ない所だった‥‥』

 呟いたのは操縦者の、さっきまでキラー達と戦っていたスターゲイザー。

 ほっと一息ついた彼だが——そこへ通信機から声が届く。


「奇遇だな。それはこちらも同じこと」

 キラーの声が‥‥!


 二機のハンドレッドアイが弾かれるように振り向いた。

 巨大な爆炎が薄れてゆく。

 そして出て来るのは、力強く歩くヒエイマル!

「分離した上で、サイシュウにバリアで守ってもらわなければ、俺もやられていただろう」

 その後ろ‥‥爆心地の中心には、無残な残骸になったフロッガーと、半壊したサンライザーが倒れていた。

「昨日、仕留め損なったのは痛かったぜ‥‥。だが自分のツケは自分で払わねーとな」

 負傷したもののサイシュウは生きており、そんな通信を送りはする。だが機体は戦闘不可能な状態だった。



 そしてサイシュウの言葉の意味は——二機のハンドレッドアイのうち片方は、前の晩にサイシュウが遭遇したスターゲイザーの分身が乗る機体。

 分身と本体、二人の自分による連携がスターゲイザーの切り札だったのだ。



『ここまでやって倒しきれんとは‥‥とんでもない強敵になったものだ。だが私の最後の切り札はまだ破れていないぞ』

 スターゲイザー本体が言うと、分身も身構える。キラーは二人のスターゲイザーを相手にせねばならないのだ!


 だがしかし。

 キラーは落ち着いてこう言った。

「奇遇だな。それはこちらも同じこと」

設定解説


・オレがかつてのハーレムを取り戻す展開にはならねーのか


元は21世紀の地球にある日本の男子高校生だったサイシュウは、ある事故で異世界に転生し、空亡の獣人として生まれ落ちた。

そこで正義にして世直しの旅(本人談)を行い、数々の浮名を流して多くの美女と美少女にモテモテ(死語も含めて本人談)になり、彼にベタ惚れの嫁達でハーレムを作って彼女達を毎晩泣いて喜ばせた(本人談)。

そんな生活の中、このインタセクシルに召喚されてしまったのである。


その割には元の世界への未練を口にする時、内容は「まだブチのめすべきヤツらがいたのに‥‥」である。


またこの世界でも自分のSEI奴隷になりたい女がいれば「オレはとても慈悲深いので(本人談)」何人でも嫁にしてやっていい、とは言っている。

一人目がまだいないので実行はしていない。

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