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11 明日なき総力戦の巻 6

登場人物の簡易紹介(誰かわからない奴がいた時だけ見てください)


キラー:主人公。召喚された元高校生。クラスチェンジアイテムによりニンジャとなった。

ストライク:森で見つけたカメレオン。

サイシュウ:ダンジョンで出会い、仲間になった異世界の上級冒険者。

ソフィア:共に召喚された吉良の同級生。日米ハーフの少女。

ティア姫:吉良が身を寄せるハイマウンテン王国の姫君。

スターゲイザー:主人公達を地球から集団転移させた魔術師。

アリン:コリーン国の女騎士。クマ獣人。キラー達に敗れて軍門に降る。

マンドリオ:ニスケー国の将軍。ゴリラ獣人。キラー達に敗れて軍門に降る。

キャシャロット:カパード国でキラーに買われた元メイドの奴隷少女。マッコウクジラ獣人。

セファラス女王:カパード国の女王。ハダカデバネズミ獣人。キラー達に敗れて軍門に降る。

スフィル王子:アーマルベン国の王子。キラー達に加勢した縁で仲間に加わる。

シャンマウ:ウェスパレス国の女グラップラー。ネコ獣人。

シンディ:旅の途中で拾った、人造人間種族のメイド少女。

 ヒエイマルの必殺投げで地面に叩きつけられたSハンドレッドアイ。

 そこは認識を視覚化した世界ではなく、既にインタセクシルのスリーク山中だ。

 ハンドレッドアイの操縦席で、スターゲイザーは頭を振りながら呻いた。

『そんな筈が‥‥【禁断の魔筆(アストラルフォージ)】を破る事が、できる筈はない!』

「今までの相手にはな。だがそれは今の俺に破れないという根拠にはならない」

 自信に満ちて言うキラー。その肩でストライクが体色を橙色に変化させていた。


『ウギャアー! 召喚キャラ達がアァぁーッ!』

 二人の側で、真魔怪大隊の聖勇士(パラディン)四原(よはら)修三(しゅうぞう)の悲鳴があがる。

 彼の召喚した巨大美少女キャラは、ことごとく消えていた。

 Sサンライザーの操縦席でサイシュウが笑う。

「ハッ、妨害さえ入らなければこんなもんよ」

 そう‥‥彼の反則能力(チートスキル)【消去自在】で、召喚キャラ達は消滅させられたのだ。



 一旦は追い詰められたハイマウンテン勢だったが、ここに来て流れは完全に変わった。

 だがしかし。

 砦に近い崖の上に、新たなケイオス・ウォリアーが姿を現す。

『どうした。不甲斐ないではないか、スターゲイザー』


 赤と青にカラーリングされ、全身に黒い(まだら)の描かれた、カエル型の白銀級機(シルバークラス)が出現したのだ。


 それを見上げてティア姫が息を飲んだ。

「あれは、前帝王の機体・Sバトラコトキシンフロッガー‥‥」

 モニターに操縦者が映る。

 カエルの獣人――変身するタイプではなく、カエルの頭をもった人間。その体色は明るい黄色で、頬が鮮やかな青というカラフルな色彩。

 シソウ国現王・インディブルだった。



『ふむ、ハイマウンテン国が一番厄介だという判断は正しかったな。クレバーに考えた通りだった』

 カエル王インディブルは感慨深く呟く。

 それを聞いてアリンが怒鳴った。

「だからといって、親の仇の魔王軍と手を組むとは! この恥知らずの売国奴の非国民の人面獣身め!」

「獣人に最後の罵倒はありなのか? 人間のツラじゃねぇ相手によ」

 サイシュウは疑問に思うが、カエル王は喉を膨らませて怒鳴り返してきた。

『黙れ! 我が父でさえ魔王軍に後れを取ったのに、その魔王軍を打倒した勇者パーティから助っ人を雇ったではないか。そのツテも勇者パーティが身を寄せていたスイデン国に、王子を送り込んで作ったものだ。どう見ても帝王への野心で溢れているだろうが!』

「いえ、そんな野心は全然ありませんけど‥‥」

 困りながら否定するティア姫。

 しかしカエル王は『ゲェーッ』と不満げに頬を膨らませて鳴く。

『そんな口先よりも現実の行動を見て判断する。クレバーな思考でな!』



 カエル王のバトラコトキシンフロッガーが巨大な風呂敷包みを背負った。そして崖から跳び下りる。荷物の大きさを苦にせず、一跳びで修三(しゅうぞう)の乗るSデルタポッドの側へ。

 そして風呂敷包みを開いた。中には虹色の(クリスタル)が、山のように‥‥!

『おい聖勇士(パラディン)! 同盟国からかき集めた軍資金で(クリスタル)を買って来たぞ! さあ、召喚で戦力を補充しろ!』


「させるかよ」

 再召喚を阻もうとサイシュウがサンライザーを動かす。

 だがしかし。

『いや、やらせてもらう』

 スターゲイザーもまた乗機を動かした。絶対の自信があった能力が破れたとはいえ、まだ戦いが終わったわけではないのだ。


 ハンドレッドアイが瞬間移動した。修三(しゅうぞう)のデルタポッド‥‥その後ろへ現れ、杖を突き立てる。

 黒と白のストライプに彩られた光が二機を覆った。

 その光が膨れ、歪み――そして消えた。

 ハンドレッドアイは分離し、変形し、デルタポッドに鎧のように纏わりついている!


「ならば‥‥!」

 キラーはヒエイマルの操縦席で印をきる。

 ストライクがぐるぐると目玉を回し、ヒエイマルの五体が分割された。

 キラーもまた合体で対抗するのだ‥‥!

設定解説


・そんな口先よりも現実の行動を見て判断する


まぁ外部から腕利きの傭兵を集めて傘下をどんどん増やしている奴らが「野心なんてありませんよ。なんかやっちゃいました?」と言ったからって、頭から信用する奴がいたら何かおかしいとは思う。

ハイマウンテン国の傘下に入った連中でさえ多分そんな事は信じていないだろう。

正直である事と、他人を信用させられるかどうかは、全く別の話なのだ。

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