表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

8/24

第7話


「その、先程は取り乱してすみませんでした。」


 悪いと思ってるなら渡したハンカチを洗濯してくれ


 あと遅刻した問題をなんとかしてくれ


 、、、って口に出せないからモテないんだよなぁ


「じゃ俺は行くから。」


 これ以上関わったら碌なことにならない


 ただでさえ嘘告してきた女子なのに、出会って泣かれるとか波乱の予感しかしませんなぁ


「話を聞いてくれるんじゃ、なかったんですか?」


 まだ半泣きじゃねぇか、、、


 ここでカッコよく去る様な真似が出来たらモテてたんだろうなぁ


 ま、ボッチでモテない陰キャの俺には無理難題の六波羅探題だが


「分かった分かった! 話くらいは聞いてやる。」


「ホントですか⁉︎」


 あっ、嫌な予☆感




「先輩は、何で告白の途中で帰っちゃったんですか?」


「は?」


 お前がしてきたのは嘘告だろうが


「変に誤解されてると思うんですけど、私は先輩を好きになったんです。 それで勇気を出して告白しました。」


「で?」


「私はフラれました。 でも、変に誤解されたままでこの恋が終わるのは嫌でした。」


「それであの奇行に移ったと。」


「そういうことです。 勝手な行動で迷惑をかけたことを謝罪します。」


 ふむ、きちんと謝罪はするのな




 ぶっちゃけ頭がこんがらがってた


 だってそうだろ?


 いつも通り嘘告だと思ってたコクハクが、当人から本物だと言われたんだ


 『冴えない』『モテない』『ボッチ』の陰キャ三要素全て兼ね備えた俺が好きだと?


 おまけに相手からストーキングされていただと?


 状況がわけわかめ


 ラブコメの主人公じゃあるまいし、ここで華麗に対応するスキルなんて持ち合わせておりませぬ



 、、、いや、そもそもこの状況が演技なのでは?


 どちらにしろ、あの九重雪にコクハクしろって言われたんだろ?


 ならこのコクハクは信用に値しないな


 おそらく九重に伝える時に怪しまれて、もう一度行ってこいと命令されたんだ


 だってそうじゃないと可怪しい


 ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()


 、、、それに、『好き』って言った四ノ宮は、最悪の形で去りやがったしな




 そうと決まれば、早速フォローと謝罪を入れよう


「OK。 なんとなく分かった。」


「本当ですか⁉」


「あぁ、今度は俺が泣いている写真を撮って、それを九重に見せればいいから。」


「全然分かってないです‼」


「ちょっと待ってて。 今から泣くから。」


 小さい頃見た悲しい映画のワンシーンを思い出せ、、、うわぁぁん!


 パト◯ッシューー!


「OK。 涙が出てきた。」


「えっ凄い、、、じゃなくて!」


 何だというのだ、せっかく泣けたというのに、、、


「ホラさっさと写真を撮れ。 バレないように、自然に撮ったと思われるように撮るんだ。 そして早く高校に行かせろ。」


「、、、もう良いです。 今日の放課後、第3多目的室に来てください。 そこで話の続きをしましょう。 では!」


 そう言って走り去っていった


 残されたのは泣いている男子、、、通りすがりのママさん達がヒソヒソ話しながら通り過ぎて行った


 ま、傍から見れば学校サボっている男女が破局したシーンだしな


 、、、いやちょっと待て、風評被害が酷い


 高校に遅刻するわ、ご近所さんに誤解されるわで、もう災難だわ


 

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ