新型コロナの治療手順(前編)
一応チェックはしていますが、医学的に間違った事を書いていた場合は、ご指摘をお願いします。
■最前線の状況
実際のところ、新型コロナウィルス感染症の治療の手順(流れ)自体は固まっています。
ですが、勘違いしないで欲しいのは、
やる事が決まっている = 成功率 100% で確実に治る
ではありません。
別の言い方をすると。
現時点の技術で対応可能な内容は限られているので、それらを効率的に使用するしか出来ないということです。
■実際に行われている治療手順
8/26時点での内容です。
未来ではもっと効果的な治療手順が存在しているかもしれません。と言うか存在して欲しいです。
厚生労働省のWebサイトでは、新型コロナ感染者の重症度を
・軽症
・中等症I(呼吸不全なし)
・中等症 II(呼吸不全あり)
・重症
の4段階に分けています。
▽軽症と中等症I(呼吸不全なし)の場合
隔離入院は求められるものの、治療に関してはインフルエンザと同程度の対応です。
普通に考えると相当苦しい症状ですが、それでも「軽症」です。
入院して医師の管理下にいる場合は「抗体カクテル療法」を実施する場合もあります。
この治療方法は、早期(発症から7日程度まで)であれば、かなり効果があるようです。
重症化を抑え短い期間での退院が期待される反面、症状が進行した人には効果が低いです。
「抗体カクテル療法」は、治験が完了していません。
緊急対応的な扱いであり、タミフルやリレンザのような外来での処方が出来ません
投薬を行うのと並行して頻繁に血液検査などで身体の状態を確認し、常に様子を見ながらの治療が必須です。
このため、入院が出来ないと「抗体カクテル療法」による治療も実施できない事になります。
政府もこの状況(効果のある治療法はあるが使用できない)を問題視しており、対応方法は検討しているようです。
が、このエッセイの主題ではないので省略。
▽中等症 II(呼吸不全あり)の場合
・外部からの酸素吸入を実施します。
血中酸素濃度を保つため、症状に応じて酸素流量を増やします。
→自宅療養で出来るのはここまでです。
投薬による対処は、医師の管理下に入らなければ出来ません。
・入院出来ている場合は、身体の状況に応じて
「レムデシベル」「抗体カクテル療法」「ステロイド(ソル・メドロール)」
などを投与し、症状の改善を図ります
・急速に重症化する可能性があるため、より高度な治療が行える施設への転院が検討されます。
ここまでの内容は、厚労省のサイトでも確認できます。
では、実際の現場ではどうだったのか。
入院して最初に求められるのは、各種同意書へのサインです。
内容を簡単に表現すると、
「医療上のメリットがデメリットを上回ると考えらえる治療方法を実施します。
治療効果は期待出来るが、同時に想定外の副作用が起こる可能性があります。
それを理解したうえで、治療実施に同意しますか(Yes/No)」
これに同意がなければ「レムデシベル」も「抗体カクテル療法」も使用できません。
治療を行うのはお医者さんですが、選ぶのは自分です。
同意後は、上記に記載した治療が行われます。
▽重症の場合
外部からの酸素供給を行うにも限界があります。
酸素流量を最大まで上げても肺の機能回復が追い付かない場合、人工呼吸器を用いた治療を実施します。
人工呼吸器をつけた状態でも身体の回復が思わしくない場合、ECMOを用いた治療に移ります。
この2つの違いですが。
人工呼吸器の場合は、呼吸には自分自身の肺機能を用います。
ECMO の場合は、自力での呼吸も一時的に停止し、外部機械で血液への酸素供給を行います。
もっとも。
人工呼吸器を付ける時点で全身麻酔を行い意識を失います。
自分がECMOを使う状態だったのかは、意識を取り戻してからでないと分かりません。
幸い、僕は人工呼吸器だけで身体の状態が回復したそうです。
お昼休みに読む内容ではないので、予約投稿時刻をずらしました。