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人工呼吸器をつけていた時の事

「全身麻酔を行ったうえで肺に直接の送管を行い、人工呼吸器で呼吸を補助する」


 この説明は、ニュースなどでも取り上げられているため、聞いたことがある方も多いと思います。


 麻酔が切れた時には、全て終わって楽な状態になっているんだ。

 と、僕もそう思っていました。


 実際は、もっと前に意識が戻ります。

 後から治療の記録を見ると、肺の機能が快方に向かい、人工呼吸器を外すことが決まったあたりから麻酔の量が減ったようです。


 目覚めた直後は手足はほとんど動かず、眼だけが動く状態でした。

 顔も動かないから視線の届く範囲が見えるだけ。


 下に向けた視界に口に入れられている機械の端が映り、まだ人工呼吸器を付けられている事は分かる。

 でも喉や気管の感覚は全くないので、違和感はなし。


 身体は動かなくても、頭は逆に冴えていました。

 最初に浮かんだのは「何日眠っていたのか」と言う疑問。

 次に、治療が終わるどころかこんな途中で目覚めるんだという、新たな知識への関心。

 生きて戻れた事よりも、これからのことばかり考えていて。


 外部から心電図などで身体の状態は監視されていたようで、少しして看護師さんが来ました。

 身体が動かなくとも指先は動くと分かっており、指を握って下さいと言われます。


 言われた通りにすると、今度は「数字の1を言ったら握って下さい」とのこと。

 ゆっくり読み上げられる数字を聞き、1の時に指を握る。


・意識がある事。

・思考が出来ている事。

・身体に麻痺がない事。


 後から考えると、機械では分からない身体状況を確認してくれたのでしょう。

 そのあとは、また眠ってしまいました。


 翌日、個室の ICU に移動になり、人工呼吸器を外しました。


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