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日付変更線

作者: 浦田茗子


「〈さびしい〉と〈きれい〉は似ている」

そんなことを誰かが言ってたっけ。


 飛行機が離陸して数時間。

 機内の照明が落とされ、天井に埋め込まれた小さなライトが、ところどころに点っている。隣の乗客は小さな寝息を立てているが、どうにも眠れずにいた。


 海を、太平洋を、越えていく。

 日付変更線を越えて。あるようでない、ないようである、境目を越えていく。


 飛行機の小さな窓に、細かい氷の結晶がはりついていた。窓から見えるのは、ふるえる翼と、宇宙のグラデーション。

 くらい雲海から天空へ向かって、焦れるような朱色から橙色へ、ほのぼのとした黄色から水色へ、そして濃紺から黒へ。夜と宇宙が繋がっている。


 今日から昨日へ、夜から朝へ、逃げていく。

 夜明けまで、もうすぐ。


2021年5月4日 改訂

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― 新着の感想 ―
[良い点] 機内の光景や、グラデーションの表現などが、端的に「寂しさと美しさ」を表現していたと思います。 機内での孤独をさりげなく演出し、そのおかげで空と宇宙の美しさに気付く。そして日付変更線を跨ぐこ…
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