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2話 異世界人は思ってたより強いです

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 綺麗なお空だ……雲ひとつない快晴だ。青々とした木々や草花、雨が降ったのかドロドロで歩きずらい道場。



「せめて屋根のある所に出せよ……」



 落ちた先にあったのはどこまでも続いているのではないかと思える程の広大な森だった。



 アマゾンにでも落とされたのではないか?と思えるほどに大きく、あてもなく彷徨っていた。



「体感で5時間は歩いた気がする……クソゲーだ……」



 足の指は痛みを訴え、飲まず食わずのため汗も止まってきたような気がする。



「せめて何かしらのチートをくれてれば何とかなったかもなのによ……俺のステータスはそこらの野犬にも負けるっつうの……」



 俺がそう呟いた瞬間、ブォンと言う音と共に黒い板が出現する。



 ジワーっと白い何かが浮き出てきたかと思うとゆっくりと形を変化させ日本語に変化した。



「気持ち悪っ……アメーバかよ」



 その板には俺の名前とステータスが書かれているようだ。異世界にはステータスを表記する機能が備わっているようだ。



 西田和樹ニシダカズキ



 HP(体力) 32/31

 MP(魔力) 758328/758328

・STR(物理攻撃力) 40

・DEX(器用)    49

・VIT(物理防御力) 53

・AGI(敏捷)    42

・INT(知力)    58

・MND(魔法防御力) 38

・LUK(運)     66


 ノーマルスキル

・武術 Lv3

・HP自動回復 Lv1

・身体強化 Lv1



 エクストラスキル

 該当なし



 ユニークスキル

・空間魔法 Lv1



 ステータスは高いのか低いのかよく分からないが、MPが飛び抜けておかしいのだけは分かった。



 普通の人間の数倍から数十倍なのだからこんなものなのだろう。



 それより気になったのは空間魔術だった。日本に居る時に手に入れたなんて事は無いだろうからこっちに送られる段階で貰ったんだろうか?



「あの天使、ツンデレなのか。なるほど」



 そんな巫山戯た事を言うがツッコミ役などいないので真面目に考えよう。



 多分だが、次元の狭間って所で無理くり耐えてた時に聞こえたやつだな。抵抗を確認しただの何とかしましただの言ってたからな。



「空間魔法かぁ、漫画とかだと1度行った場所じゃなきゃ行けねぇんだよな」



 とにかく余りあるMPでどうにか生きるしかないだろう。街にさえ着けばまだ何とかなるはず。



 俺はそう割り切ると、重くなりなかなか動こうとしない足に鞭打って歩き出した。



 フラフラとおぼつかない足取りで歩いていると、近くで鉄を叩くような音と人の声が聞こえた。



 音の方へと向かって行くと2人組の男、1人は無精髭で斧を持ったいかにも盗賊なおじさん。もう1人はスキンヘッドでヒャッハーしてそうな服装のナイフおじさんが居た。



 おじさん二人組で何かしていたのかと一瞬考えたが、おじさん達と相対している金髪の女の子が居たためその考えを捨てる。露出度の高い服を来た女の子に思わず俺もモッコリ。



「お前達は一体何者だ!私に何の用だ!」



 女の子がそう叫ぶとおじさん達はニタァっとした笑みを浮かべた。



 一言言わせてもらうととても気持ちは分かる。あんな可愛くてスタイル良い女の子居たら襲いたいもんな。



「決まってんじゃねぇか、おめぇの体が目当てなんだよ」

「ウヒャヒャヒャ、そう言うこった」



 ド直球な無精髭には好感モテるがヒャッハーナイフの方は単なるDQNのようだ。



「私のような魅力のない女に目を付けるなんて、頭が悪いようだな」



 どの口が言っとるんじゃ。お前ツ○ッターとかでそんな事やってみろ。メンヘラ女達にボコボコにされるぞ。



 陰口を叩くも助けに行けるような力もないので観察するしかない。今はこの世界の奴らがどれだけ強いのか見るだけだから。



 すまない、お嬢さん。君がイタズラされても僕は見てあげる事しか出来ないんだ。



 俺はその光景を(何とは言わないが)目に焼きつけるべく、近くにあった手頃な木の裏に隠れ様子を伺うことにした。



「怪我したくないなら大人しく捕まるんだな!グランドブレイク!」



 先に動いたのは無精髭おじさんだった。右手で斧を大きく振りかぶると地面に思い切り振り下ろしたのだ。



 もちろん立ち位置からして女に届くような距離では無く、無精髭も頭が悪い厨二病のかと思ったが、その考えをすぐに捨てることになった。



 斧が地面に触れた瞬間、無精髭の前方に大きな亀裂が入り大爆発を起こしたのだ。辺り一帯が揺れ動き、無精髭の前方に出来た爆発はまるで火山の噴火のようだった。



「これは無理だわ……クソゲーだわ……」



 俺はその時、自分が少しチビったのを感じた。

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