第179話までのあらすじ・人物紹介
●前回までのあらすじ
獣人の村が交流の条件として提示したのは、ジセロの奪還だった。
アルターは運命のいたずらを感じながらも、百を越えるガーネレスを撃退。さらに女王との話し合いを経て、両者の和解を提案する。
それぞれの思いが交錯する中、獣人の村はガーネレスとの共存を決定し、迷宮の勢力を盟友として迎え入れると明言。
ようやく足場が固まると、サーハスの誤情報を流すため帝国領へ赴く。
旅は順調だったが、帰路に立ち寄ったヴェレーネ村でロニー、ミランダ、テスの身に降りかかった悲劇を知らされる。アルターは奴隷に落とされたミランダとテスを救い出すため、村長の息子クリフとシルヴェックに向かったが、そこで待ち受けていたのは奴隷商ルーベンと、娼婦のオリアンヌだった。
アルターはミランダたちを譲る代わりに、ひとりの女性を守るよう依頼される。
そして状況が見えないまま襲撃者を奇襲し、ルーベンの仕掛けた罠もすんでのところで回避し、ミランダとテスを救い出すことに成功した。
アルターは二人の希望を聞き入れ、予定外の長旅を終えて迷宮に帰還する。
●主な登場人物
~迷宮の勢力~
:アルター・レス・リードヴァルト。
本編の主人公。13歳。前世の名前は杜典己。
アルシス帝国南東にあるリードヴァルト家の次男に転生。
セレンでの冒険者名義はテンコ、新たに作った登録証ではヴェルクと名乗る。
謎の犬を助けようとして事故死したが、飼い主である小太りの神に拾い上げられ、この世界へ転移された。
しかし送られた先は獣人の村ジセロで、ガーネレスが襲撃している真っ最中だった。逃げることも叶わず殺害されると、小太りによって今度は貴族に転生させられる。
10~13歳までセレンに留学し、多くの知識や知己を得るが、卒業後の帰路、友人のランベルトの裏切りで瀕死の重傷を負ってしまう。
その後、土の精霊メロックに導かれ迷宮と出会って一命を取り留めるも、ミューチュラーという希少種に変異してしまった。
現在はバロマット王国によって殺害された家族の蘇生を目標に、迷宮を拠点に活動中。
:フィル
白イタチに似た魔物、ハンターフィッチの変異種。
圧倒的な速度を誇り、セレン留学前のアルターと死闘を演じて敗北寸前まで追い詰めた。
アルターがリードヴァルトへ帰還した後に再会し、今では欠かせない相棒となる。
身体能力を跳ね上げる『白閃光華』、あらゆる既知を探し当てる『追想追尾』の使い手。
:エラス・ライノの子供
母親と一緒に群れからはぐれていたところ、冒険者に見つかって殺されかけていたが、家族の遺体を運ばせるため、フィルが救助を提案。
それを受け入れたアルターにより治療、迷宮の一員となる。
アルターが名付けに手間取っているため、未だに名前がない。
:ハイメス
ウォルバー伯爵領ラプゼルの元執政官。
ルシェナ(伯爵の娘)の命令でラティラという魔物を狩ろうとし、対立するタクラズ子爵との紛争に発展してしまう。
サイグス傭兵団の人質になっていたところをアルターに救出されたが、責務を果たすと言ってウォルバーに戻り、ラプゼル陥落の責任を一身に負わされてトルプス岩塩坑に送られてしまった。
その後、獣人の村の手がかりを探しに来たアルターと再会、再び救出されると頼みを聞き入れて初めての配下となった。
:サーハス
深殿の森出身の獣人で、元Bランクの冒険者。黒豹の獣人。
人間に騙されて奴隷落ちした後、扱いづらさから転売され、最後はトルプス岩塩坑に送られていた。
搬送中にユネクという少年を逃がしたことから、獣人の村の手がかりを求めるアルターと出会う。
獣人の村への連絡役を引き受け、岩塩坑から脱出、ジセロの奪還にも同行した。
そこで獣人側の思惑に気付きながらも戦うアルターを目の当たりにし、忠誠を誓う。
短剣と体術、『獣化』の使い手。
:リザイ
元Cランク冒険者。イヌ科の獣人。サーハスの部下。
トルプス岩塩坑でサーハスと共に救出される。
片目を失っているが、経験の豊富さでサーハスの片腕として活躍。
:セゲット
元Eランク冒険者。イヌ科の獣人。サーハスの部下。
トルプス岩塩坑でサーハスと共に救出される。
経験は浅いが、貴重な実戦経験者として重用されている。
:エシン
混血の進んだ獣人で、見た目では判断しづらい。サーハスの部下。
トルプス岩塩坑でサーハスと共に救出される。
人間に対する不信感が特に強く、トルプス岩塩坑でもアルターに否定的だった。
:ナルグス
虎の獣人。サーハスの部下。
誰よりも大柄で、力もかなり強い。
トルプス岩塩坑でサーハスと共に救出される。
救出後は、腕力を活かした力仕事などに従事している。
:ウルク
狐の獣人。サーハスの部下。
アルターとほぼ同い年。フィルサッチ領サルラウ村の出身。
トルプス岩塩坑でサーハスと共に救出される。
人間に対する不信感は少なく、一時期はハイメスの看病も担当していた。
:ミランダ
ロニーの妻、テスの母親。
優れた料理人で、ウェルド領ヴェレーネ村で宿屋を経営していた。
セレンへの道中、偶然立ち寄ったアルターと知り合う。
その三年後、ロニーがニーヴォル(リヴナス卿の息子)の乱暴狼藉を止めようとして殺害してしまう。
ロニーは処刑され、ミランダとテスは共謀を問われて犯罪奴隷に落とされた。
後にアルターとクリフ(村長の息子)によって奴隷商ルーベンから救い出され、恩を返すため迷宮の一員に加わった。
:テス(テサリア)
ロニーとミランダの息子。テスは愛称で、本名はテサリア。
ヴェレーネ村で、宿の手伝いや家畜の世話などをして暮らしていた。
三年前、オヴェックに殺されそうになったとき、駆けつけたアルターに救出される。
再会を約束したが、ロニーの事件によって奴隷に落とされてしまい、数ヶ月後、再びアルターによって救い出された。
オヴェックでは当事者だったため、アルターへの感謝と尊敬はミランダよりも強い。
~獣人の村~
:クィード
混血の獣人。実りの地ジセロ出身。
獣人の村からの返答を届けに来た後、ジセロ奪還でアルターに同行、村の意向に反してガーネレスと戦った。
アルターがガーネレスとの和解を提案すると、それを持ち帰って了承を得る。
現在は監視役として、四人の部下と共に迷宮へ派遣されている。
~ガーネレス~
:女王
数百の子に守られながら、ジセロ近郊の湖の地下に潜んでいる。
ジセロの住人が好物のゴブリンを乱獲したことで敵と認定し、襲撃して壊滅に追いやった。そのとき、転移直後の杜典己が巻き込まれて殺されている。
アルターがねぐらに侵入してきた際、目的を訊ねたことで和解への糸口となった。
:ドジっ子 (レド・ガーネレス)
ガーネレスの変異体で、元は労働階級。『念話』という稀少スキルを操る。
杜典己が転移したとき襲ってきたガーネレスの一体で、転んだのを誤魔化そうとしてドジっ子と命名された。
十数年の間に変異し、アルター侵入時は女王との会話を仲介した。
●アルターのステータス
名前 :アルター・レス・リードヴァルト
種族 :ミューチュラー
レベル :35
体力 :229/229
魔力 :465/465
筋力 :15
知力 :18
器用 :18
耐久 :17+2(19)
敏捷 :21+2(23) (46:倍加)
魅力 :16
【スキル】
強撃、二連撃、風牙走咬、掌撃(new)、獣化
成長力増強、成長値強化、ステータス偽装、言語習熟、高速移動、多重詠唱、魔道具改変、魔道具昇華
火耐性3、氷結耐性2、精神耐性10、苦痛耐性5、斬撃耐性1、刺突耐性2、毒耐性2
鑑定6、調合8、鍛冶4、魔道具作成6、精霊交誼5
追跡6、隠密7、気配察知7、危機察知2
片手剣9、両手剣3、曲剣5、短剣5、体術7、弓術4
火魔法7、水魔法6、風魔法6、土魔法7、無属性魔法4、氷結魔法3、雷撃魔法2、変性魔法6
【魔法】
●初級
火炎の短矢、鋭水の短矢、疾風の短矢、土塊の短矢、魔力の短矢、氷柱の短矢、雷衝の短矢
火塊の槌撃、水弾の槌撃、一塊の槌撃、氷塊の槌撃
水流の盾、旋風の盾、魔力の盾、礫土の盾
活火操作、水流操作、恒風操作、軟土操作、魔力操作
筋力上昇、脚力上昇、集中力上昇
力場、光源、灯明、暗視
溶液作成、氷霜、座標点
土霊召喚:メロック、火霊召喚:サルカー
●中級
火炎球、八紘炎火、景相石筍、穿風の飛箭
妨土の壁
【称号】
転生者、帰宅部のエース(耐久+2、敏捷+2)、リードヴァルト男爵家の次男