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第10話 八歳児の日々 ~レクノドの森


「ね、本物の武器で戦ってたら、やばかったんじゃない?」


 ヴァレリーが肘でつつきながら、マーカントをからかった。

 そんなことはない、と俺は心の中で反論する。第一ゴブリンと一緒にしたら、いくら脳筋でも失礼だ。

 足下には五体のゴブリンが息絶えていた。

 ()ね飛ばしたゴブリンの首が、うつろな目で俺を見上げている。

 さして感情は動かない。

 初の実戦で人型の魔物の首を刎ねる。手にはその感触がまだ残っているのに、まるで日常の一幕のように自然に感じていた。

 戦闘が終わり我に返ると、その異常さに気付いた。前世でも今世でも、まともに生き物を殺したことがない。部屋に侵入してきた害虫くらいだ。それが自分の背丈ほど、しかも人型の生き物を殺したにもかかわらず、わずかに拒否反応や不快感を感じる程度だった。普通ではない。

 八年前、俺は二度に渡って下らない死に方をした。その悪影響が出ているのではないかと悩んでしまったが、なんのことはない。『精神耐性3』の所為だった。いや、この場合はおかげか。アルターとして生まれてから、精神を激しく揺さぶられる状況に陥ったことがなかった。どうやら俺の心は、常に『精神耐性3』によって守られていたようだ。発動を停止させることもできるので、本当の俺がどの程度動揺しているか調べることは可能である。しかし、危険な森で試すのは自殺行為だろう。帰るまで世話になるとしよう。

 こうして殺す覚悟という小目標をあっさり達成してしまい、どこか拍子抜けだったが、目的は実戦経験を積むこと。先はまだまだ長い。


 懐から布を取り出し、剣の血糊を拭った。

 この剣は購入したばかりのスモールソードだ。愛用のスティレットは腰の後ろにぶら下がっている。刺突武器では攻撃手段が狭まるため、ロランの勧めで新たに購入していた。

『破邪の戦斧』は手分けして討伐証明であるゴブリンの右耳を切り取り、所持品を探っている。

 ここはレクノドの森に入り、百メートルにも満たない地点である。そんな浅いところでゴブリンに出くわしたので驚いたが、皆は珍しくないと口を揃えた。むしろ旅人や村落を狙い、よく草原まで出てくるという。

 不意の遭遇にも誰一人慌てず、ロランとマーカントが突撃して機先を制すと、他の者は素早く散開、上手い具合にゴブリン一体を俺と対峙させた。見事な連携に感心しつつ、まずは一体を慎重に仕留める。そして気が逸れているもう一体を背後から奇襲、首を刎ね飛ばした。残るゴブリンは逃げ出そうとしたが、ヴァレリーとオゼが追撃し一体残らず殲滅する。

 こうして初の戦闘は、あっさりと勝利した。


「月並みな言葉は不要のようですな。初の実戦とは思えぬ、見事な手並みでした」

「僕も驚いている。もしかすると、ゴブリンだったのが良かったのかもしれん。迷惑な魔物だからな」


 この世界のゴブリンやオークは、別の意味で人間を襲うことはない。

 彼らにとって人間やエルフなどの人間種は食糧である。美麗なエルフに転生しても貞操の心配はいらない。そういう意味では人間の方が危険だろう。

 それでも彼らが迷惑なのは、かなりの悪食で暴食だからだ。村落の畑が喰い荒らされる被害は毎年のように発生し、多くの村民が苦しんでいる。放置すれば村の壊滅に至るほどだ。父は有害な魔物に賞金を掛け、冒険者が優先して退治するよう奨励し、定期的に討伐隊を送り込んで領内からの駆逐を目指している。兄が実戦経験を積んだのもこの討伐隊だ。

 マーカントとヴァレリーは山村出身であり、ゴブリンにはずいぶん苦しめられたようだ。うちの領民なのかと恐る恐る訊ねてみれば、西方にあるエズドル子爵領の話だった。申し訳ないが、ちょっと安心だ。ともかく、二人のゴブリンに対する怒りや憎しみは強く、追撃の時、ヴァレリーが真っ先に飛び出したのはそれが原因と思われる。


「アルター、お前もやってみっか?」


 血まみれのナイフを見せながら、マーカントが問いかけてきた。

 呼び捨てなのは敬称不要と提案したからだ。乗ってきたのはマーカントだけで、他の者は恐れ多いと様付けを止めていない。


「魔石の回収か」

「ゴブリンは大抵外れだし、あっても小さいけどな。それでも少しは金になる。冒険者に成り立ての連中は嫌がって取ろうとしないが、すぐ生活に困って(いや)でも集めるようになるんだ。かく言う俺がそうだったからな!」


 マーカントが豪快に笑うと、ヴァレリーが白い目を向け、ダニルは苦笑した。オゼは興味ないのか、我関せずと回収にいそしんでいる。

 俺は胴体を斬り裂かれ、臓物を晒すゴブリンを見下ろした。

 グロテスクな光景である。だが『精神耐性』が効いているため、それほどの不快感は感じない。いけそうだ。それに解体の経験は無駄にならないはず。


「分かった。やってみよう」

「おお、やんのかよ。貴族のくせに」

「誘っておいて驚くな。それで、どうやれば良いのか教えてくれ」


 マーカントは別のゴブリンの腹を蹴り、仰向けにさせた。


「亜人種は身体の中央に魔石がある。鳩尾(みぞおち)の裏側辺りだな。他の魔物だったら同じ鳩尾か頭の中、心臓に張り付いている奴もいる。大抵はその三カ所だから、とりあえず順にかっさばいていけば見つかんだろ」

「了解した」

「ナイフで傷つけないように注意しろ。簡単には傷つかねえが、下手すると価値が下がっちまう」


 俺は自前のナイフを取り出し、ゆっくりと腹を裂いた。

 剣で斬りつけるのとはまるで違う感触だった。刃が進むごとに血が溢れてくる。見るのと違い、自分でやるのは意外に(こた)えた。『精神耐性3』が発動していても、気持ち悪さが薄れる程度である。

 なんとか平常心を保ち、薄い肉を切り開いてあばら骨を露わにする。そして鳩尾の裏側を覗き込んだ。小さいというが、どれほどなんだろうか。砂粒くらいなら見つける自信はないぞ。

 両手を血まみれにしながら四苦八苦していると、マーカントが手を伸ばしてきた。


「こりゃ外れだと思うが――」


 指先を鳩尾の裏に突っ込みしばらく探っていたが、首を振って指を引き抜いた。


「無いな。これがゴブリンって奴らだ。大して金にならんくせに、どんなに殺しても湧いて出てきやがる」


 《清水(ピュアウォーター)》を発動し手を洗い流し、布でナイフを拭う。

 その間、俺は表現しにくい感情に囚われていた。

 身体も血も、まだ暖かかった。急速に失われていく命の痕跡。

 直接手を下しておいて、今更何を思うのか?

 はたと気付く。

 もしかして、これもか。

 手に掛ける瞬間だけではない。殺したという現実もまた、殺す覚悟なのだ。

 改めてゴブリンを見下ろした。楽な相手とはいえ、さっきまでは殺すか殺されるかの立場だった。今は違う。俺が殺した。

 その事実に、恐怖も吐き気も湧かない。ただ、不確かだった感情はやるせなさに変わっていた。

 俺はゴブリンを見据えたまま、口を開く。


「そう言ってやるな。広い視点で見れば、ゴブリンにも役割があるはずだ」

「そうかぁ?」

「悪食なのだろう。森の掃除屋かもしれん」

「畑は森じゃねえぞ」

「すべてのゴブリンが畑を荒らすわけじゃあるまい。掃除屋らしく生きている方が多いはずだ」

「……あまり殺すなって言いたいのか?」


 マーカントが眉を寄せ、不快感を顕わにした。

 農村時代、だいぶ苦労したようだな。これは失言だったか。

 前世は平和な国でのんびりと暮らしてきた。その弊害かもしれん。生きるか死ぬかの瀬戸際に、平和もへったくれもない。飢えないため、殺されないため、守るために剣を取らなければならない。国が違えば、珍しくもない光景だった。

 俺は改めてゴブリンたちの死骸を眺めた。

 つまるところ、十数年に渡る平和の記憶は、一方的な殺戮を容認できなかったのだ。だからゴブリンに存在価値を見出し、贖罪した気分に浸ろうとした。

 これでは駄目だ。

 善悪の基準は難しい。人間を捕食する生物が(ばっ)()する世界では尚更。優しさや善意を向ける相手を(たが)えれば、自らの首だけでなく周りの首まで絞めてしまう。

 俺は立ち上がり、まっすぐマーカントを見上げる。


「いや、僕は殺すぞ」


 マーカントは困惑の表情で俺を見返した。


「今の話は世界全体を見て、だ。それぞれ役割が違う。ゴブリンが掃除屋なら、僕は貴族の息子。民を守る責務がある。守るべき者がいる。甘えは許されない。わずかでも僕の役割を(さまた)げると思えば、どれほど世界に有益でも殺すし、いくらでもこの手を血で染めよう」

「そういうことかい。じゃ、俺は冒険者だ。ゴブリンだろうがなんだろうが、とりあえずぶっ飛ばす」


 マーカントが嬉しそうに俺の肩をバンバンと叩いた。

 痛いって。八歳児の虚弱さを嘗めるなよ。



  ◇◇◇◇



 その後は動物や野鳥を見かけたものの、特に戦闘もなく昼を迎える。

 初日ということもあり、森の深くに入るつもりはないようだ。

 ほどなくして小休止しようというマーカントの提案に乗り、開けたところで思い思いに休息を取ることにした。

 バックパックから水袋を取り出し、それを飲みながら夏の森を眺める。

 想像していたより歩きやすかった。樹間は広く、草や低木はそれほど繁茂していない。ただ段差や倒木があるため気をつけないと転倒するし、何かが潜んでいる危険もあった。

 それでも、(はた)()では自然豊かで美しい光景と言えよう。絨毯のように苔が密生し、目を見張るような大木も(そび)えている。ここには物語で語られていた生物が実際に生息し、周りには映画から抜け出してきたような冒険者までいる。

 俺はこの八年間で、最も強く異世界に来ていると感じていた。


 一息入れると、軽く伸びをしつつ周囲に視線を送った。

 ロランは剣を片手に俺のそばで休憩を取っている。マーカントはあぐらを掻きながら干し肉をかじり、ダニルは水袋を傾けていた。ヴァレリーとオゼは、お互い離れたところで休息中だ。別に仲が悪いわけではない。斥候として違う方角を警戒しているだけである。

 この二人はよく働いている。奇襲の心配をせずに休息を取れるのも彼らのおかげだ。特にオゼは優秀らしく、道中でも彼の意見は尊重されていた。斥候の技能も習得できるのだろうか。いずれ覚えたいものだ。

 ふと思い立ち、俺は立ち上がった。

 斥候とはまったく無関係だが、前々から気になることを思い出したのだ。

『鑑定』である。このスキルは何かと便利な反面、ちょっとした爆弾でもあった。五百年前、アデリーナという錬金術師がいた。彼女は歴史上唯一の上位鑑定スキル『解析』持ちだったが、北方のハーゼル統一王国から出奔し、どこかで野垂れ死んだらしい。一説では暗殺されたとも言われているが、どうなったにせよ権力闘争に巻き込まれたのが原因だ。

 中位の『鑑定』であれば、そこまで混乱を引き起こさない。実際、三名の『鑑定』保有者が確認されており、一人はアルシス帝国に仕える宮廷魔術師、一人は著名な冒険者、最後は商業ギルドの幹部だという。分かるとおり皆、権力者かその庇護下、または高い戦力を有している。高い地位や実力を得られるほど有益という証明でもあるが、やはり騒動を警戒して力のある立場を維持しているのだと思う。ちなみに下位の鑑定スキル『基礎鑑定』はあまり「見え」ない。それでも便利なので、保有者は一生涯、生活に困ることはないという。

 さて、その困ったスキルの『鑑定』だが、八年の間、1しか上昇していなかった。結構な頻度で発動していたにもかかわらずだ。悩んだ挙げ句、俺の出した結論は至ってシンプルだった。おそらく、一度『鑑定』したものは経験にならないのだ。それが正しいとすれば、今ほどの機会はない。辺り一面、未知だ。

 早速、足下で揺れる黄色い花へ『鑑定』を発動してみた。



名称  :ジェネルラル草

特徴  :草丈60cmほどの多年生植物。環境に強く各地に分布している。

特性  :不明



 無駄に立派そうな名前の草である。たぶんブリーフ姿でプールに飛び込むんだろう。

 いつも通り特性は不明。上位の『解析』なら特性も判明するのだろうか。アデリーナ以外は確認されていないし、ここまで成長しにくいと『成長力増強』があっても習得するのは厳しそうだ。


「植物に興味がおありですか?」


 気付けば、ダニルがそばに立っていた。

 俺がじっと草を見下ろしていたので、気になったらしい。


「興味と言うほどでもないさ。せっかく森に来たからな、少し見て回っているんだ。冒険者は採取依頼も受けると聞くが、植物に詳しいのか?」

「多少でしたら。実は私、商人の四男なんです」

「ほう」


 俺は意外そうな声を上げる。うん、当たった。


「イルケネックの町はご存じですか?」

「不勉強だな、初めて聞く」

「いえ、小さな町ですから仕方ありませんよ。場所はリードヴァルトのずっと西、小さいながらも街道沿いなので、それなりに賑わっていますね。私の実家は素材や薬草、雑貨に至るまで手広く扱っていました。ですが(おお)(だな)ではありません。四男の私は不要でした。家を出ると決めたとき、父は魔法書を餞別としてくれたんです」


 共感できる話だ。身分や世界を問わず、似たような状況に直面するんだな。


「良き父親じゃないか。魔法書は高額と聞いたぞ」

「まさしく。初級でしたのでそれほど高額ではありませんが、いなくなる者に渡せる額ではなかったと思います。それを機に新たな魔法も習得できましたし、感謝しても仕切れません」


 ふと、ダニルは照れたように笑った。


「これは申し訳ありません、話が逸れてしまいました。そうした事情で、薬草の知識は冒険者になる前から身についていたんです」


 ダリルは辺りを見渡し、苔むした大木の根元を指さした。


「あそこに生えているのはファラエル草ですね」

「ほう」


 しかし、いくら探しても太い根と苔しか見当たらない。

 ダニルは近寄り、足下を示した。目を凝らせば、薄茶色の細い棒がまっすぐ伸びていた。枯れ草どころか枯れ茎一本なんだが? これが薬草? ともかく『鑑定』してみるか。



名称  :ファラエル草

特徴  :草丈60cmほどの多年生植物。環境に強く各地に分布している。

特性  :不明



 本当だった。しかし説明を読んでも薬草か分からないし、そもそも将軍草と一字一句、同じである。手抜き?


「すっかり枯れてしまっているな」

「それで良いんですよ。一番効能が高いのは自然に枯れてから、と言われています。煎じて服用すれば鎮静作用、錬金術師たちならヒーリングポーションに添加しますね。特に薬効が強いのは根の部分です。採取依頼では根を傷つけないよう、土ごと採取するよう推奨されています」


 効果を聞くかぎり、そこまで需要は無さそうな薬草だ。それを知っているだけでさすがと言えるだろう。それにしても『鑑定』が今ひとつ、把握しきれない。鍛錬に使う武具などは特性まで表示されているが、時折、不明な物があった。大抵は用途が分からない品や騎士が後生大事に抱えている武具だ。雑草の時もある。ミルリム草など未だに不明のままである。代わり映えのしない生活だと、それほど『鑑定』は必要としない。そういうものと深く考えず、今まで後回しにしていた。

 折角の機会だし、検証してみるか。

 俺は屈み込み、ファラエル草をじっと見つめた。何も変化はない。匂いを嗅いでみたが枯れ葉そのものだ。茎の先端を折り取ってみたが、やはり変化無し。


「ファラエル草に毒はあるのか?」

「いえ。多量に服用しなければ問題ありません」


 俺は一つ頷くと、摘まんだ茎を口の中に放り込んだ。

 その行動にダニルは呆気にとられていたが、構わず咀嚼する。うん、枯れ草だね。


「何を驚く。煎じて飲むのなら同じではないか」


 強張った半笑いのダニルを流し、改めて『鑑定』を発動した。

 これでどうなるか。



名称  :ファラエル草

特徴  :草丈60cmほどの多年生植物。

     環境に強く各地に分布、夏のはじめに白い花を咲かせる。

     最適な収穫時期は夏の終わりから秋の初めまで。

特性  :(こん)(けい)に強い鎮静作用があり、広く補助的に利用される。

     ポーションに添加するには調合スキル1以上が必要。

     あらゆる薬効を阻害せず、相乗作用が見込める。



 マジか、一気に増えたな。

 それと、これでだいぶ仕組みが見えてきた。特徴は知識を得ると補完され、特性は使用すると表記されるのか。武具の類いは装備すると、いや接触だけでいけるかもしれんな。それも要検証か。


「そういえば、先ほどアルター様がご覧になっていた植物も一応、薬草ですよ」

「なに、将軍もか!?」

「将軍?」

「いや気にしないでくれ。どういう薬草なんだ?」


 ダニルに教わってから、将軍様の葉を口に放り込んだ。



名称  :ジェネルラル草

特徴  :草丈60cmほどの多年生植物。

     環境に強く各地に分布、夏の間、黄色い花を咲かせる。

     決まった収穫時期はなく、一年を通して採取可能。

特性  :乾燥させた葉や茎を煎じて飲めば、解熱作用が見込める。

     ただし薬効は弱く、わずかな効果しか望めない。

     調合しても、さして薬効は変わらない。



 将軍様、ちょっと鑑定にディスられてる。まあ、ぞんざいに扱われても仕方ないほど微妙だけど。


「将――ジェネルラル草も扱っていたのか?」

「買い手がいませんよ」

「それもそうか」


 俺は将軍草を摘み取った。

 それをダニルは興味深そうに見守っている。


「採取なさるので? 価値のある薬草は他にもありますよ」

「それは冒険者に残しておこう。これでも薬草だ。価値も毒も無いなら色々と試すのに丁度良い」


 言いながら、俺は違うことを考えた。

 口の中に残る強い渋み。よく似た味を知っている。


「ダニルは飲んだことがあるか?」

「いえ、ございません。解熱なら他の薬草が主流ですので」


 頷きながら、手の中の将軍草に視線を落とす。

 煎じて飲むと言うことは一応、薬膳茶だ。誰も摘まず、毒も無い。飲んでみなければ分からないが、たぶん大丈夫だ。採取のしやすさを考えれば、長旅における気軽な嗜好品に化ける可能性もある。

 ダニルに採取の仕方を習いながら、俺は将軍草を相当数、ついでにファラエル草も少量確保した。



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[一言] 鑑定スキルバレしたくね
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