第108話 学院三年目 ~領外へ
投稿、再開します。
今回は全31話、第138話までの投稿となります。
字数は21万文字です。
無事に卒業式も終わり、三年生を始めとする多くの生徒がセレンを旅立っていった。
合同演習で隊長を務めたソーバル、演習で何かと縁のあった五年生のトビアスも故郷へと帰った。
奇襲部隊を指揮したシレッドは四年に上がり、ラッケンデールの助手であるコディは職員扱いで学院に残るそうだ。
まだラッケンデールの下で学ぶことが多いとの判断らしいが、将来、講師も視野に入れているのだろう。
そして春休みを迎えたある日の早朝、俺は旅装を整えていた。
布鎧を着込み、腰には甲犀の剣。バックパックを背負わず、荷物は小綺麗な肩掛け鞄のみだ。
そんな姿で階下へ降りると、暖炉の前に集まっていたネイルズとデイナ、クインスたちは慌てて立ち上がった。
三月も終わりに近付いていたが、ここ数日、朝晩の冷え込みが厳しい。
「留守を頼むぞ、デイナ」
「はい。行ってらっしゃいませ」
デイナが応えると、皆も頭を下げる。
形と言葉こそ畏まっているが、クインスたちに前のような固さはない。
そんな四人の子供に視線を向ける。
「お前たちには溶液の交換を頼む。足りなくなったらロラに分けてもらえ。浸透の中断が一番困るからな」
「お任せください!」
クインスたちは元気よく声を揃えた。
年少組にエミリとジニーが加わり、将軍茶の分配は半減してしまった。
そこでデイナに頼んでいた溶液の交換を、彼らに任せることにしたのだが――正直、手際はかなり悪い。
腕力がないからか、作業が終わると四方八方に溶液が飛び散っている。
テーブルの劣化を防ぐため、屋根代わりにしていた板を敷いているが、ビニールのテーブルクロスがほしくなるほどだ。
それでも一生懸命やっているし、溶液を無駄にする以外の失態は起きていない。
まあ、この辺は最終確認してくれるデイナのおかげでもあるが。
ともかく、最近のテッドたちは暇ではないし、デイナにも本来の仕事があった。
頼むのが心苦しかったので助かっている。
俺はデイナに向き直り、小袋を手渡す。
「金を預けておこう。充分だと思うが、不足したら商業ギルドのサミーニに相談してくれ。対応してくれる」
「承知しました。お預かりします」
「では、行ってくる。帰ってくるのは――そうだな、一週間から十日だ。過ぎるようなら、何らかの手段で連絡する」
了承するデイナに頷き返し、朝靄の中、俺は自宅を出発した。
◇◇◇◇
今回の目的は、初の指名依頼だった。
と言っても、依頼主はサミーニである。
先日、魔石の追加と魔道具を納品するため訪れたところ、待ってましたとばかりに個室に通された。
そして俺が口を開くより早く、「アルター様にたってのお願いがございます」と切り出してきた。
何事かと問い質せば、街道の復旧を頼みたいという。
年が明けてからほどなく、アルシス帝国に寒波が襲来した。
多くの地域が大雪に見舞われ、セレンは雪こそ降らなかったが、つい先日まで長雨が続いた。
そして到頭、被害が発生する。
セレンとフィルサッチ侯爵領を繋ぐ街道が、土砂崩れによって寸断されてしまったのだ。
土砂崩れの発生に評議会は頭を悩ませた。
というのも、現場はラネルド山の中腹で、どちらが領有しているのかはっきりしない中間地点だったためだ。
下手に動けば、フィルサッチ侯の不興を買うかもしれない。
議論が紛糾する中、颯爽と商業ギルドが登場する。
そして、魔法ギルドと商業ギルドの合同で復旧作業にあたってはどうかと提案した。
ついては良い人材に心当たりがある、とも。
評議会と魔法ギルドは同義でも、公的には別物だった。
だからフィルサッチ侯から苦情が来ても言い逃れできるし、評議会――魔法ギルドの面目も立つ。
そして言うまでもなく、良い人材とは俺のことである。
支部長が俺を知っていたのは、年始に頼んだ『魔道具作成』の支援だろう。
あれは許可が必要な案件であり、サミーニから詳細な報告、《妨土の壁》を習得していることも伝わったのは想像に難くない。
とはいえ、未成年のDランク冒険者だ。
普通なら評議会も一笑に付したと思うが、評議員には学院長がおり、リスリアの一件で全員に顔を知られている。
俺の名が出たとき、「ああ、あいつか」となったと思う。
おまけにDランクなら依頼料も安い。これほどの人材は他にいないだろう。
俺が彼らでも依頼する。
「是非、アルター様に使っていただきたいと」
依頼内容を説明した後、脈絡もなしに付け加えてきた。
何の話かと思ったら、商業ギルドが依頼しラルセン商会が引き受けた隊商が、土砂崩れで足止めされているとのこと。
そして彼らの運ぶ積み荷に、魔法金属が含まれていた。
発言から支援のため取り寄せたようだが、真偽は怪しい。
さらにサミーニは数々の報酬を提示する。
金銭、魔法金属の一部、魔法ギルドからは魔石数個と、一度だけ良質な魔石を組合員価格で購入できる権利等々。
また隊商が動けなくなっていた場合、代わりに運搬するため魔法の鞄が貸し出され、積荷さえ運んでもらえれば何を入れても構わないという。
中々の破格っぷりだった。
今は春休みなので時間に余裕はあるし、錬金溶液はクインスたちが交換してくれる。
俺は復旧依頼を引き受けることにした。
セレンの西門から難民街を抜け、周囲を見渡しながら街道を進んでいく。
見かけるのは冒険者が数組、寸断されているためか商人の姿はどこにもない。
こちらを窺っている者がいないのを確認し、俺は小綺麗な鞄に手を入れた。
「便利だな。やっぱり」
軽量の両手剣を取り出し、一人呟く。
今回は荷物の重量を気にする必要がない。
どうせならと、いつもは置いてくる両手剣やポーション類も、すべて魔法の鞄に入れてきた。
普段は装備をどうするか、どのポーションにするかで悩んでいたが、魔法の鞄ならお構いなしだ。貴重品だって預けてなくても済む。
まあ、皮肉というか、この鞄自体が相当な貴重品だが。
周囲を窺いながら、軽量の両手剣を戻す。
隊商の積荷は馬車二台分。
借り受けた魔法の鞄は質が良いようで、その倍でも収納できた。
これなら狩った魔物を選別することなく回収できるのだが、問題もある。
内部の時間は停止しない。
また微生物や寄生虫も収納できてしまうので、どうしても腐敗が進んだ。
始めは飛ばさない方が良いだろう。
それに、気になることもある。
土砂崩れに巻き込まれた人はいないというが、すべての旅人を把握するのは不可能だ。
この目で確認しないとな。
◇◇◇◇
しばらくして、西の森林地帯に到着する。
森を貫く街道を眺めると、巨大な水溜まりがいくつも見つかった。
しかも連日の雨で、酷くぬかるんでいる。
街道を外れ、森へ踏み込むと、足下の苔から水は染み出してきたが、それでも街道より歩きやすかった。
俺は青藍のマントに身をくるみ、『常闇の探索者』を発動する。
日中でも森なら影が多い。『隠密』の補正は機能するはずだ。
「狩りは復路のみ。往路は一気に行かせてもらう」
さらに『隠密4』と『気配察知6』、『高速移動』を発動し、俺は森を走り出した。
道中、大半の魔物をやり過ごすも、急いだ所為かヌドロークの群れに嗅ぎつけられてしまう。
振り切っても追走されたら意味がない。
甲犀の剣で迎え撃ち、数頭を仕留めて追い払う。
それからは面倒な魔物と遭遇することなく、太陽が頂点に差し掛かった頃、俺はラネルド山の麓に辿り着いた。
山全体を樹木が覆い、緩やかな稜線を描いている。
それほど高い山ではないようだが、土砂崩れが起きた以上、油断は禁物だろう。
自然現象は魔物より強敵だ。
俺は『高速移動』を解除し、慎重に山道を登り始めた。
山道は馬車が一台通れる程度の幅しかない。
その代わり、正面から馬車が来たときにすれ違えるよう、要所要所に待避所が設けられていた。
そこは野営地にもなっているようで、円形状に石が並べられているのを何度も見かけた。
登ってからほどなく、今度は街道上にも石を発見する。
だが、こちらは人為的ではない。
山肌を見上げると、生い茂る樹木の合間に崩落の傷跡が刻まれていた。
こうした落石は徐々に増していき、しまいには大岩も出現する。
そしてほどなく、俺は現場に到着した。
山の新鮮な空気を吸い込みながら、ゆっくりと一望する。
「見事なまでに土砂崩れだな」
視界いっぱいの土色だった。
左手は山頂への急斜面、右手は崖だったが、山頂側は大きく抉れている。
そして土砂崩れは街道を削り取り、放射状に崖下へ広がっていた。
慎重に崖から見下ろすと、折れた樹木が足掻くように突き出ており、微かな水音に視線を向ければ、流れ出た湧き水が土砂の上に川を作っていた。
土砂崩れはここだけだろうか。
首を伸ばしてフィルサッチ側を覗いてみたが、山のうねりに遮られて見通せなかった。
行ってみるしかない。
俺は距離を取って『高速移動』を発動、山道を走り出す。
そして速度に任せて跳躍し、途中の大岩に飛び乗り、さらに跳躍した。
空中から素早く土砂全体に視線を走らせ、他に異変がないか調べる。
あれは――。
土砂崩れの中間辺りで方向転換、斜面を滑り降りていく。
そして土砂崩れの終端付近で停止し、土色から覗く青へと近付いた。
慎重に引っ張ると、抵抗もなく引き抜かれた。
人の衣服だが――切れ端だけだ。
埋まっていた様子もない。
ということは土砂崩れに巻き込まれたのではなく、その後に何かが起きたのか。
周囲を捜索してみると、さらに刃こぼれしたナイフや革鎧の一部、大量の出血らしき染みも発見する。
一人ではなく複数、おそらくは冒険者のパーティーだ。
そして痕跡の状態から、魔物に襲われ全滅している。
ナイフを翳し、造りを確かめた。
イスター以下、ナルバノ以上。どこにでもあるナイフだ。
DランクかEランクの所持品と思われる。
その後も捜索したが、遺体や身元を証明するような品は見つけられなかった。
俺はそれらを拾い集め、皮袋に入れて魔法の鞄に収納する。
そのとき、ふと思いつく。
もしかして、仲間が土砂崩れに巻き込まれたのか?
有り得る。だから下に降りたのかもしれん。
土砂崩れはかなりの範囲に広がっているが、触媒に使えば、撤去作業は不可能ではない。
闇雲に探すより、復旧作業と並行した方が早そうだ。
斜面を駆け上がって街道へ戻り、フィルサッチ側へ移動する。
「他に土砂崩れは起きてなさそうだな。ま、もう少し降りないと分からんが」
振り返り、崩落現場へ目を向けた。
どうあれ、まずはこちらからだ。
土砂崩れは予想より大規模だった。復旧まで三、四日は掛かる。
保存食は充分持ち込んでるし、麓で仕留めたヌドローク数頭が収納されている。
食糧は心配ない。
水も《清水》で生み出せるので、その気になれば半月でも生活できるだろう。
となると――寝床だな。
フィルサッチ領を下りていくと、しばらくして待避所が見つかった。
ただの空間を眺めながら思案し、俺は首を振る。
《妨土の壁》を使えば簡易の小屋は作れるが、止めておこう。
そんな魔力があるなら作業を進めるべきだし、眠るだけなら枝葉で充分だ。
土砂崩れの現場に戻り、今度は斜面や土砂の状態を調べた。
どちらも相当な水を含んでおり、《妨土の壁》が通りにくそうだった。
《水流操作》で水抜きできるが、さすがに手間だ。
まあ、練り土より水分が少ないし、魔力を追加すれば強引に行けるだろう。
駄目ならそのときだ。
それよりも、どうやって補修するかだな。
街道という名の山道は、崩落して原形を留めていなかった。
石壁で補強するのは簡単だが、気になるのは重量と耐久性である。
覆っただけでは剥がれ落ちたり、重みで沈みかねない。
ドバルに相談してくれば良かったな。
後悔しつつも山道に座り込み、土砂崩れを前に考える。
要するに、剥がれず重量にも耐えれば良いわけだ。
鍛冶場の建設が参考になりそうだな。
確か――最初に杭を打ち込んでいたっけ。
適当な枝を拾い、土に図案を描いていく。
まず石壁を縦に打ち込み、それと融合させながら覆う。
石壁は薄くしよう。重量で崩れることはなくなるはず。
そういえば、排水溝も彫っていたな。水の逃げ道も作らないと。
山頂へ視線を向けると、かなり上の方まで土が見えていた。
すべてを覆うのは無理がある。街道と付近の斜面だけで充分だろう。
一応、斜面の高さは二段にしておくか。
上下だけ融合して左右を空ければ、水も流れる。
いや、まだ弱いか?
上段は左右も融合させれば、しっかり繋がるな。全体の強度も跳ね上がる。
ざっくりと計画が出来上がったところで、地中に《妨土の壁》を発動できるか試してみると、抵抗はあったが無事に生成された。
よし、素人考えの素人仕事だが、これで大体の計画はまとまった。
駄目だったら、こっそり直しに来よう。
◇◇◇◇
まずは崩落している部分に土の壁を生成し、元の街道に戻す。
その後、道に杭となる石壁を、道全体に石壁を埋め込み、斜面も同じ手順で作業を進めていく。
さすがに中級魔法の連発は消費が激しく、一時間もしないで魔力が切れてしまった。
一旦休息し、回復したら発動、また休息して発動を繰り返す。
作業のほとんどは待ち時間だったが、予想外にこちらが大変だった。
冒険者が巻き込まれた可能性があったので、補修の触媒は崩落した土砂を使っている。
魔力の回復を待つ間、斜面を降り、砂を大きな皮袋に詰め込む。
それを魔法の鞄に収納して上まで運ぶと、また斜面を降りて詰め込んでいく。
復旧そのものより、こちらの方が遥かに重労働だった。
そして日が沈んだ頃、初日の作業を終えると、待避所に切り取った枝と葉を敷き、その上で横になる。
山の夜は冷え込んだが、『深閑の剣』を追跡したときに比べたら暖かいくらいだ。
適当に睡眠を取り、夜が明けたら干し果物と炙ったヌドロークの肉で朝食を済ませる。
二日目以降も予定どおりに作業を進めたが、あまり順調とは言えなかった。
緩くなった土壌を刺激するため、小さな土砂崩れが何度か発生してしまう。
融合前の石壁が巻き込まれることもあった。
冒険者の捜索に進展はなかったが、こちらは悪い結果ではない。
見つからないなら、土砂崩れの被害者はいなかったことになる。
また黙々と作業を続けていると、山肌を駆ける鹿やリスを見かけた。
ヌドロークの肉が有り余っているので放置したのだが、魔物は姿を現さない。
おそらく、土砂崩れを警戒しているのだろう。
余計な体力を使わず助かるが、それはそれで寂しくもあった。
そんな単調な日々が続いた四日目の昼過ぎ、俺はようやく作業を終える。
達成感と若干の不安を抱きつつ、早速、検分を始めた。
街道は土の道に見えるが、少し掘ると石壁が敷かれている。
斜面の方は土を被せても滑り落ちてしまうので、石壁が剥き出しだ。等間隔に並ぶ石壁は、どこか前世を彷彿とさせる。
また、すべての石壁が繋がっているので、経年劣化や大きな地震でも起きない限り、崩れる心配はないと思う。
一通り点検を済ますと、街道の端から斜面を見下ろした。
土色は大分減り、埋もれていた樹木が顔を覗かせている。
結局、冒険者は発見できなかった。
ほとんどの土砂は石壁に変えたので、埋もれていれば見つかっている。
どうせなら冒険者証を探し出してやりたかったが、広大な森では不可能だ。
見知らぬ冒険者たちの冥福を祈り、街道へ視線を戻した。
素人では、このくらいが精一杯である。
それでも鍛冶場の建設を見学していなければ、石壁を敷き詰めるだけで済ましていた。
ドバルに感謝――。
「あ……」
そんなドバルの言葉が脳裏を過る。
石壁……盗まれたりしないよな?
斜面を一撫でし、ぺしっと叩く。
「ま、大丈夫か。こんなの運んでたら目立つし、魔法の鞄持ちなら石壁なんて盗まんよな。お前もそう思うだろ?」
甲犀の剣を取り出しながら、街道の先へ語りかける。
立っていたのは、ゴウサス牛だった。
鼻息を荒くし、強い敵意を向けている。
山中で遭遇するのは珍しいが、短気なのはいつもどおりだ。
鞘を払うと同時、ゴウサス牛は巨体を揺らして突進を仕掛けてきた。
『高速移動』を発動し回避、山道を眺める。
大丈夫そうだ。
巨体が走り回っても、びくともしない。これなら馬車でも耐えられる。
折角だし、もうちょっと耐久試験を行ってもらうか。
俺はゴウサス牛を満遍なく誘導し、復旧箇所の最終点検を行う。
そして結果に満足すると、急旋回しゴウサス牛の背後へ回った。
目標を見失い視線を泳がせるゴウサス牛へ、『風牙走咬』を放つ。
「お――」
思わず声が漏れた。
甲犀の剣だと、こんなに軽いのか。
そういや、シャムシール以外で発動したのは初めてだ。
風の刃の威力は武器の重量に左右されないし、軽量武器向きのスキルかもしれん。
俺が感心している間、首を切り裂かれたゴウサス牛が悲鳴と鮮血を撒き散らしていた。
いや、一長一短か。
『風牙走咬』の最大火力は、剣そのものの斬撃を含めた至近距離による四連撃。
いくら発動が早くても軽量武器では威力が低い。
まあ、甲犀の剣には関係ないんだが。
上段に構え、暴れ回るゴウサス牛の首元目掛けて『強撃』を発動。
あっさり首が切り離され、巨体が倒れ伏した。
甲犀の剣は切れ味特化。
相手が頑丈でない限り、お構いなしに切り裂ける。
血糊を拭いながら、改めて甲犀の剣を眺めた。
最近、シャムシールばかり使っていたから、甲犀の剣の軽さと鋭さをすっかり忘れていた。
久しぶりに振ってみたが、やはりこの剣が性に合っている。
これで耐久性が高ければ、文句なしだ。
エラス・ライノの魔石も取ってあるし、リードヴァルトに戻り次第、ラグとエギルに相談して魔道具化だな。
「ともかく、ここの復旧は完了だ。残りの街道を確認し、問題なければ隊商に面会――後はこいつだな」
遺品の詰まった袋を思いながら、魔法の鞄を軽く撫でる。
次に向かうのはフィルサッチ領の最東端、ケリール村だ。




